ドライフルーツがブームになっています。ドライフルーツと言っても砂糖漬けにして乾燥させたものと、果物をそのまま乾燥させたものがありますが、砂糖漬けのものは、プレーンヨーグルトに入れて一晩置くとヨーグルトの水分で戻り、簡単にフルーツヨーグルトを味わえるとあって人気が高いです。また、ダイエットにも効果がある(!?)という口コミもブームの要因になっています。 今回は、長野県でドライフルーツとドライベジタブルに取り組んでいる女性をご紹介します。
今まさにリンゴを加工している最中なのは、久保町子さん。シャカ♪ シャカ♪ と塩水の入った容器にリンゴをスライスしていきます。久保さんは地元のJA信州うえだで女性部の一員で、ドライフルーツ・ベジタブル作りに女性部の活動の一環として取り組んでいます。
「キズがついて贈答用にならなくなったリンゴとか、捨ててしまうような農産物を加工して、地元産の果物や野菜にもっと付加価値をつけたい」との思いからJAに相談し、空き店舗になっているA・コープを借りて2016年から活動を始めました。女性部のメンバーが栽培したリンゴで売り物にならないものも使い、女性部のみんなで加工・販売しています。
厚さは3mm程度
丁寧に並べます
始めは包丁で薄切りにしていたそうですが、手間がかかったり危なかったりしたためスライサーに切り替えました。しかし、市販のスライサーでは薄すぎで乾燥し終わると見映えが悪くなったり、食べ応えがなかったりとうまくいかなかったそう。様々な厚さで試しながら、納得のいく厚さにたどり着きました。ちなみに、くし切りでも試したことがあるのだとか。 「テレビで言ってたけど輪切りのほうが栄養価が高いらしいよ! 輪切りにすると、あんまり芯も皮も気にならないしね! ほら、種の部分が星型になってかわいいでしょ」と笑顔を見せる久保さん。
乾燥には、専用の乾燥機を使用していますが、設定する温度や時間によっても仕上がりが変わってくるそうで、高温にしすぎると褐色になって見映えが悪くなってしまいます。また、乾燥させる物によっても条件が異なり、それぞれの素材に合った設定を探し当てるのも試行錯誤の連続でした。
乾燥しても蜜が残る
今は主に、大根&人参、エノキタケ、リンゴを加工しており、秋冬の農作物がメインになっているので、夏季野菜も乾燥させたいと考えているそうです。 「おつまみとして食べられたらいいなと思って、濃いめの塩水に漬けたオクラで試したことがあるんだけど、あんまり美味しくなかったのよね」と、失敗談を教えてくれました。 他の女性部メンバーの中にはブルーベリーを試した方があるそうですが、味はイマイチだったので商品化には至らず。
大根の加工
女性部で作っています
乾燥といっても、ただ乾燥させればよいわけでもなく、野菜・果物の種類によって、向いているもの・そうでないものを見極めたり、製造方法などにも試行錯誤しながら商品化に努めていて、まるで実験みたいです。 日夜実験中の久保さん。ご自宅には家庭用の小さな乾燥機があり、家でも試作品を作っています。今回は柿を乾燥させてみたのだそう。(いただきました。)乾燥リンゴは「パリパリ」とした感じですが、こちらの柿は「しっとり」としていて、噛んでいると甘味が出てきてとてもおいしかったです。
試作品の柿
この活動を始めてからは、直売所で買ってくれた友だちから連絡があったり、プレゼントやお土産として特別注文が入るほど好評を得ているといいます。また、食べた人から、「他の(乾燥リンゴ)を食べたけど、まっちゃん(町子さん)のがおいしい!」と言われたことがあるそうで、「顔には出さないけれど、内心うれしいよね」と、少し照れながらも、成果の感触を掴んでいるようでした。
加工・販売を女性部で行なうことで、あまり知られていなかった女性部の活動を発信する良い機会にもなっています。「今は忙しくてできていないけれど、ここで作った切干大根を出したり、みんなでお惣菜やおやつを持ち寄ったりして、お茶サロンを開きたい」とA・コープの空き店舗を利用した夢を語ってくれました。 この商品は各種200円で、JA信州うえだの直売所で販売してます。 お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいね!
【取扱店舗】 ●農林産物直売所「新鮮市真田」 長野県上田市真田町長6109-1 TEL 0268-72-2030 ●うえだ食彩館ゆとりの里 農産物直売所 長野県上田市住吉380-24 TEL 0268-26-1050 JA信州うえだ 直売所のご案内
こちらは 2018.12.18 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ジャスミン
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