「トルコギキョウ」という名の花をご存知ですか? 名前は聞いたことなくても、1度は目にしていると言ってもいいほどに様々なシーンで活躍しています。 トルコギキョウは全国各地(46都道府県)で栽培されていて、日本で生産されている花の中で7番目に生産量の多い花となっています。中でも、長野県は全国1位の生産量を誇っているのです。
ここ、長野県北部の千曲市屋代(JAながの ちくまブロック)はトルコギキョウの"栽培発祥の地"とされ、戦後以降は産地とされてきました。 産地としてさらに盛り上げるため、JAながのと長野農業改良普及センターが主催となってトルコギキョウの産地見学会を、今年初めて開催しました。
トルコギキョウは種類豊富で、色や大きさのバリエーションのほか、花びらの形状には一重、八重、フリル状のものまであり、花束・イベント・ブライダルだけでなく、葬祭でも利用されています。なんとなく、「ブライダルやブーケはバラ」、「葬祭は菊」のイメージがありますが、このトルコギキョウはまさにオールラウンダー。しかも長く楽しむことができるのが特徴です。
栽培をはじめるにあたって必要となってくるのが土地です。このトルコギキョウは太陽の光と水が大好き。広くて日当たりのいい場所ときれいな水(井戸水だとなお良い)、ハウスが必要です。その他にも、耕運機や資材など初期投資は必要になりますが、「誰だって最初からうまくはいきません。始めは理想(モデル収支)の1/3、1/5(の所得)になりますが、上達すれば稼ぐことも夢ではありません。JAのグループ(部会)に入れば仲間もできるし、意見交換や指導も得られます。需要があるのでJAとしても勧めているんですよ」と主催者はいいます。
左からJAながの職員、普及センター職員、生産者の久保田さん
花き栽培22年の久保田さんは、栽培について、「毎年気候条件が異なるため、その年に合った栽培をしなければなりません。また、トルコギキョウは他の花に比べてデリケート。病気になりやすく、手を抜くと手を抜いたなりのものができてしまい、その逆もしかり。手間はかかりますが、それだけ市場で良い値で売れます」と話します。栽培したものはなるべく出荷したい、という思いのもと、規格に合ったものはJAに出荷し、規格外はA・コープに出して、なるべく手元に残らないようにしています。生産者ならではの苦労や楽しさはありますが、「最も古い産地だから(トルコギキョウの栽培を)選びました。1人でも多くの生産者を増やしたいです」と抱負を語ってくださいました。
参加者の質問に経験も交え熱心に答える久保田さん
参加者は農家でない方や、農家であったが花き栽培はしてこなかった方など初心者が多く、これからを担う生産者が増えるといいなと思いました。 農産物栽培を生業にするのは大変かと思いますが、生産者にしか分からないやりがいがあるのも事実です。 もし、少しでもトルコギキョウに興味があり、栽培してみたいなと思う方は、JAながのちくま営農センター、または長野農業改良普及センターにご連絡ください。
●相談先 JAながのちくま営農センター TEL:026-261-0180 長野農業改良普及センター TEL:026-234-9535
●久保田さんのトルコギキョウが買えるA・コープ A・コープあんず店 長野県千曲市雨宮317 TEL 026-274-2800 営業時間 9:30~20:00(日曜日は9:00~) ※トルコギキョウの他に、ラナンキュラス・テマリソウ・ベッチーズブルーも販売しています。
・花瓶に生ける場合は、余分な葉を取り除くなど、葉を水につけないようにする。 ・水は2日に1回程度交換する。
こちらは 2018.10.09 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ジャスミン
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