♪桃太郎さん桃太郎さん お腰につけた「きびだんご」 ひとつ私にくださいな の童謡でおなじみの「きび」。古くから栽培されていて、アワ、ヒエなどの雑穀の仲間です。 今回は、「ソルガムきび」をご紹介します。
写真提供:石鍋明子さん
「ソルガムきび」は、イネ科の穀物で「モロコシ」「タカキビ」「コーリャン」などとも呼ばれている、南アフリカ原産の古来穀物です。 子実は、アレルギー物質を含まず、ポリフェノールやGABA(ギャバ)といった高機能性物質が豊富な健康食品としても、活用が期待されています。
「ソルガムきび」の栽培と加工食品に取り組んでいる長野県北部の長野市七二会地区は、陣場平山一帯から犀川に至る間に30余の集落が点在する、自然豊かなところです。
「ソルガムきび」を栽培している早川幸さん、加工食品に取り組んでいる「七二会かあさんち」代表の吉原喜代子さん、長野市地域おこし協力隊の石鍋明子さんにお話を伺いました。
左から早川さん、吉原さん、石鍋さん
七二会地区では、もともと自家用にきびを栽培していました。地元では「あかもろこし」と呼ばれる「もちきび」を栽培し、炊いたときに粘り気があるので、餅にして食べていたそうです。 早川さんも自家用に栽培していましたが、3年前から本格的に栽培を始めました。 「地元の農業委員からソルガムの種をもらったので、畑の一角で栽培したのがきっかけです。最初の年の栽培面積は0.3アール。今は、畑作業ができなくなった知人から畑を借りて、約4アールの畑でミニソルゴーという品種を栽培しています」
種まきを終えた畑に案内していただきました。 「今年は、種まきをした後、雨が少なかったので、成長が遅いようだ。ところどころに伸びている苗は、去年のこぼれ種だね」と早川さん。
栽培しやすいソルガムも、鳥獣被害は避けられないそうです。 早川さん「茎にも糖分があるので猪が茎を食べるし、葉は鹿に食べられる。畑の周りを電気柵で囲っています」 編集部「鳥はどうしているのですか?」 早川さん「実は大量になるので、鳥がついばんでもたいしたもんじゃないよ、はっはっは」
収穫直前(10月中旬)のソルガムきび 写真提供:石鍋明子さん
ソルガムは、乾燥した土地を好むので水やりは不要。成長力が強く、茎高は1.5~2mになり、雑草を追い越すので除草の手間がかからず、比較的栽培しやすく、農薬は不使用です。
【ソルガムきびの栽培方法】 (1)土作り・施肥(4月下旬) (2)種まき(5月下旬~6月下旬) (3)初期除草(6月中旬)除草は、収穫までに3回ほど (4)収穫(10月中旬) (5)乾燥(2~4週間) (6)脱穀
地域おこし協力隊の石鍋さんは、「ソルガムきびは、省力栽培が可能です。七二会地区は見てのとおり中山間地域。大型機械などは使えないので、ソルガムきびはこの地に適した作物だと思います」と話してくれました。
早川さんが栽培した「ソルガムきび」の実の加工を手がけるのは、「七二会かあさんち」。地元のお母さんたち4人と1人(石鍋さん)。 吉原さんは「きびは昔からお餅などにして食べてきました。地元で生産したソルガムきびをもっとおいしく食べられないかと、仲間と研究しました。グルテンがないので、つなぎに米粉やじゃが芋を使ってみたりしました」。
吉原さんたちが作っているのは、「そるもっち」と「そるもっちのあられ」。 「そるもっち」は、平成27年度ソルガムきび料理コンテストの加工食品部門賞を受賞しました。受賞を期に、販売も始めました。 七二会産のもち米とソルガムきびを使用し、低アレルギーにこだわって作ったお餅です。
左の赤いお餅は、ソルガムきびの粒と粉、右の白いお餅は、ソルガムきびの粒を使用しています。 「そるもっち」は名前のとおり"お餅"なので、冬期限定。今年は12月中旬販売予定です(6切れ500円・税込)。
「そるもっちのあられ」は、「そるもっち」をおかきにしたもの。塩味(左)と砂糖の2種類があります。(各100g入り350円・税込)。
「そるもっちのあられ」をいただきました。 カリっとしていて、ほんのりきびの風味。もち米のあられより軽くて食べやすい、素朴なおいしさです。
※「ソルガムきび」(100g150円・税込)も販売してます。
■問合せ 七二会かあさんち TEL 080-5179-1705
こちらは 2017.07.11 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
マロン
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