エグミがなく、芯はほんのり柿のような甘さ
収穫作業をしていたのは、李平耕作組合の見田勇治さん。
「いつもは、重機(パワーシャベル)で1mくらいまで掘るけど、今日はオペレーター(操縦者)がお休みなんだ」といいながら、スコップで雪を掘り進めます。
雪中キャベツがある箇所の目印は、緑色の細い棒。
「あったよ」の声の先を見ると、緑色のキャベツが姿を現しました。
キャベツを傷つけないように周りの雪を丁寧にどかし、根元に包丁をいれ収穫します。
「今年はキャベツの結球が良く玉も大きい。糖度も9度と昨年より高く、出来がいいよ」
なるほど、持ってみるとズシリと重く、2~3kgはありそう。試食をさせてもらうと、葉はパリッとしていてエグミがなく、芯はほんのり柿のような甘さでした。
掘り出した雪中キャベツ
雪中キャベツは、8月の中旬に苗を定植し、収穫期を真冬に合わせて、根をはったまま雪の下で育て熟成させます。雪が10~20センチほど積もった2週間後くらいから掘り出します。雪の中は、外気がマイナスになっても0℃前後に保たれていて、キャベツは凍らないそうです。
一休みする見田さん
収穫を進めていくと、「やられた!」との声。キャベツを見ると、頭をえぐられた様な痕が・・・。
「雪が積もる前に、猿に食べられたんだ。今までこの辺で猿を見たことはなかったが、今季は群れで現れた」とのこと。「他の畑は、電気柵を設置して防護しているけど、ここは今まで猿の被害がなかったので防護をしてなかった・・・」
どのくらいの被害なのか、心配です。
掘り出した雪中キャベツは、コンテナに入れソリに乗せて雪の上を引き、軽トラックまで運びます。
小谷村では昨年11月、生産者や村、JA大北などの販売組織が「信州おたり雪中キャベツ生産組合」を設立しました。「雪中キャベツ」のブランド価値を高め、産地の取り組みを発信しよう、と基準を定め、オリジナルのシールも制作しました。基準は、一定期間雪の中で保ち、村の畑で穫れたものであること。
雪中キャベツの収穫は2月末までを見込んでいます。道の駅小谷や、JA大北の直売所と白馬村のA・コープ白馬店などで販売しています。