「信州おたり雪中(せっちゅう)キャベツ」は豪雪地帯である長野県の北部に位置する小谷村の特産品です。
このキャベツは雪の中で2週間以上熟成させてから収穫します。収穫した農産物を雪の中で貯蔵する「雪蔵」とは異なります。
気温は氷点下であっても雪の中では、ほぼ0度、湿度100%をキープ。雪の中ではキャベツが凍るまいと糖分を蓄え、その糖度はなんと11度にもなります(個体差あり)。
また、安定した湿度が保たれているため、みずみずしくシャキシャキした食感が味わえます。
今回は雪中キャベツを紹介します。
雪を掘る!雪中キャベツの収穫
信州おたり雪中キャベツ生産組合の宮澤 治男(みやざわ・はるお)さんの畑にうかがいました。宮澤さんは米農家ですが、5aの農地で1,200玉の雪中キャベツを栽培しています。
信州おたり雪中キャベツ生産組合の宮澤さん
小谷村は豪雪地帯。多い年は2mも雪が積もります。重機で地表30cmまで除雪し、植えているキャベツを傷つけないようにスコップで少しずつ雪を掘ります。
「今年シーズン(2022年12月~2023年1月)は1mくらいしか雪が積もらなかったので収穫しやすいですね。また、雪質がふわふわ、さらさらしているので、キャベツを傷つけなくていいです」(宮澤さん、以下同)
除雪用の重機。取材時(2023年1月12日)の積雪量が少なかったため、重機は使いませんでした
スコップで雪を掘る様子
キャベツの根を切って収穫します
一連の作業の動画はこちら(雪の上のキャベツは収穫したもの)
まずは「生」で食べてみて
雪中キャベツはどのような味なのでしょう。
「百聞は一見に如かず。食べてみてください。内側の肉厚な葉が特にみずみずしくておいしいですよ」
とれたてを生のまま、いただきました!
柔らく、みずみずしくてシャキシャキ。嚙むとキャベツの甘みが口に広がります。
何もつけなくてもモリモリ食べてしまいました。
「お肉と煮たり、ロールキャベツにしてもおいしいですが、生が一番、味の違いがわかると思います。うちの孫はよくテレビを見ながら生のキャベツをつまんでいます」
ちなみにキャベツの芯は天ぷらにするとおいしいそうです。
雪中キャベツは2月まで収穫され、長野県内のスーパーやJA大北直売所で販売されます。長野県内でお買い物の際は、ぜひチェックしてみてください。