1月10日から始まったNHK大河ドラマ「真田丸」。 真田一門に深く関わりのあるここ長野県では、非常に大きな盛り上がりを見せております。 そんな中、ドラマ名と同じ名前の高級食材が存在する、という話を聞きつけ、早速取材に行ってきました。一体どんな食材なのでしょうか。
やってきたのは長野県上田市。 大河ドラマで登場する真田一門の本城だったとされる上田城(現在は城跡)があり、現在は旧二の丸内が上田城跡公園という形で残っています。毎年花見の季節になると多くの観光客で賑わう桜の名所で、散策などをゆったり楽しめる公園になっています。
高級食材「真田丸」とは、上田市で生産されている地鶏のことを指します。 真田丸という名称は、JA信州うえだ・商工会議所等が中心になって発足した地鶏研究会(上田市)が、長野で生産されていた地鶏の名前を一般公募したのがきっかけで決まりました。
農林水産省「食鳥流通統計」(2012年)を見てみると、地鶏の多くが含まれている「その他の肉用鶏」の出荷数は、全体で約1%程度しかありません。地鶏という統計項目がないため、正確な数値ではありませんが、地鶏がいかに貴重なものなのかがわかります。
ブロイラーの鶏舎
地鶏「真田丸」の鶏舎
鶏には、「ブロイラー」「銘柄鶏」「地鶏」といった種類が存在します。 一体なにが違うのでしょうか。
効率よく大きくなるように、人の手によって開発された食用の鶏で、短期間(約50日前後)で出荷することができます。市場に出回っている鶏肉のうち、9割以上がブロイラーと言われています。
飼育期間を長くしたり、エサを工夫したりすることで、ブロイラーよりも質を高めた食用の鶏を指します。地鶏とブロイラーの中間にあるブランド鶏として位置づける人も少なくありません。
地鶏の定義は日本農林規格(JAS)ではっきりと決められています。ポイントとなるのは以下の通りです。
(1) 日本鶏の血が50%以上で出生証明のあるもの (2) 80日以上飼育しているもの (3) 28日以上は平飼い(※)で育てること ※平飼いとは、鶏が床面を自由に運動できるように飼育する方法 (4) 1平方メートル当たり10羽以下の環境下で飼育をしていること
このように「地鶏」の称号はなかなか手には入らないんです。
季味の郷 葉音(上田市)の地鶏真田丸を使った親子丼
そんな希少価値の高い地鶏「真田丸」。 真田丸は、シャモと白色プリマスロックを交配させてできた長野県の地鶏で、しなの鶏とも言われています。この地鶏は120日~130日の飼育で出荷しており、その出荷量は毎月約400羽~500羽程度。市場価格ではブロイラーの約5倍もの価格で取り引きされているそうです。真田丸を使用している料理店の店長から話を聞いてみたところ、「一般の鶏肉とは、肉の密度が全然違う。歯ごたえがよく、なおかつ臭みがかなり少ないので、色々な料理に使用しやすい」と話してくれました。
今回、取材協力してくれたのはオオサワ農園の大沢重夫さん。 地鶏真田丸は、大沢さんが平成19年に商標登録をしたので、全国で真田丸を生産できるのは大沢さんただ一人。大河ドラマ「真田丸」が決定してからは、その人気はさらに急上昇したそうで、最近は特に大忙しだとか。 大沢さんは「味が濃い唐揚げなどではなく、親子丼だったり、塩コショウだけで真田丸を食べてみてほしい」と話してくれました。
■問合せ ギフトショップオオサワ(オオサワ農園) 電話番号 0268-38-4506 住所 長野県上田市本郷755-7 商品の一例: 真田丸を使用したローストチキン 5,000円【1.5kg】(送料・税込)
こちらは 2016.01.19 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
あぐり君
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