今週の編集部員は「知られざる信州の夏」を探しに行ってきました。野生の勘(!?)をたよりに上田菅平インタ―を降り、浅間サンラインをひた走ると、車窓から飛び込んできたのは、山沿いに広がる一面のグリーン・・・これは???
あっ、緑色のぶどう!そして作業されている人が...。
ぶどうの収穫は9月。夏の今はどんな作業をしているんだろう???
これは行ってみるしかないでしょうダッシュ!≡≡≡ヘ(*--)ノ
というわけで今回は、長野県東部に位置する東御市和(とうみし かのう)のぶどう畑にお邪魔しました。
浅間山麓の西側、その名の通り、丸っとなだらかな峰に涼やかな風が吹く「湯の丸高原」のふもとにある東御市和は、信州のブルゴーニュと呼ぶ人もいるとかいないとか・・・。
フランスのブルゴーニュ地方の気候と似て、雨が少なく昼夜の温度差が激しい(朝晩は涼しく、日中は暑くなる)東御市和は、ぶどう栽培の適地として知る人ぞ知る一大産地なんです。
圃場に近づくと、1m80㎝前後のぶどう棚には青々とした葉と、まだ小・中粒で緑色のぶどうの房がたわわに実っていました。
「ぱちん・ぱちん」と小気味よくハサミを入れてぶどうの実を落としていたのは黒胗隆次さん(75歳)。
「種ありの巨峰だよ。今、摘粒作業で大忙しだけどこの作業が大切なんだよ。」と教えてくれました。
見渡す限りのぶどう畑で、余分な小さな実一つ一つを丁寧に落としていくこの作業...。一見して尋常な数ではありませんっ!!猫の手も借りたい時でしょうが、奥様の富子さんと一緒に手を止めて笑顔でいろいろ話して下さいました。
「6月上旬の開花前頃から整枝や房切り作業に追われるんだ。市やJAの支援センターに頼んで営農指導を受けた皆さんに作業を手伝ってもらえるから助かってるけど、ホント季節・天気との勝負。」と隆次さん。7月中旬のこの日は、お嫁さんや親戚、近所の方と一緒に、一房に35〜40粒程良い粒を残す摘粒作業を行っていました。
ただ房の長さや大きさをそろえるだけではないのです。
完熟して400〜450gになるように、成長を見極めながら肩をそろえ、形をそろえ、奥にもぐっている極小粒を落とし、種の無い粒を落としていくんです。
どの粒を切るのか瞬時に判断し、手際よくハサミを入れていく速さと言ったら「目にもとまらぬ早業」と言っても過言ではないでしょう♪
(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
ここで疑問。「種の無い粒」って一体どう見分けるんでしょう...。
編集部員が一見しただけではまるでわかりませんでしたが、奥様の富子さんが中粒と小粒をそれぞれ半分に切って見せてくれました。
「これ「親子」とも言ってね。親は種があって大中粒で少〜し長細く育ってくる。子は種もなく真ん丸で小さいままなのよ」と富子さん。
写真用に違いが良く分かる大小はっきりとしたものを切ってくれましたが、実際にはほとんど見た目に差がありません。早い時期に粒を落としすぎると、小玉のまま完熟になってしまうとか。
種の有無の見分け方を伺うと「そこは長年の経験だね」と少し照れたように隆次さんが答えてくれました。「ここらの種あり巨峰の味の濃さは格別でね。種なし巨峰もあるけど、わざわざ種ありかと確認されるお客様も多いんだよ。」と隆次さん。「東御の巨峰は、多少小ぶりでも色と味は日本一って言われるのよ」と富子さんも(*^-^*) ニッコリ☆
粒を落とした 隙間も成長に必要なもの。ぐんぐん育つにつれ自然と隙間が埋まりパンパンに熟した美しい巨峰になるのです。にぎり房(=円筒形)の形にそろえる事にも、もちろん意味があって、脱粒が少なく日持ちが良いのだそうです。美しさが美味さの秘密とも言えるんですね。
この時期は毎日、4時半起床。「飯前仕事」として朝5時頃から7時頃まで摘粒して、朝食後、再び同作業。食事休憩以外は夕方まで圃場にいるとのこと。そして地元JA信州うえだの営農技術員さんによる園地点検(房の数・長さ・形・粒の数等のチェック)を経て、7月下旬、粒の色が出てくる(いわゆる巨峰の紫色になる)と袋かけが始まります。
これは鳥と蜂よけのための必須アイテム!!これまた当然、一房ずつの根気のいる作業です。
そして9月中旬に収穫し、生産者名入りの一房パック詰めの出荷まで気が抜けない作業が続きます。お客様方から「こんな美味しいぶどうを食べたことが無い」「また来年も注文します」との言葉をいただくのが何よりの励みという黒柳さんご夫妻。一房一房の名入りパックには、生産者としての真心と責任が込められています。
作業が一段落すると、「さぁ、お茶にしようかね」と富子さん。お手製のりんごジュースや新じゃがの煮物、ナスのからし漬け、差し入れのお菓子など豪華なお茶請けが並びます。
お茶飲み話にも花が咲きます☆この日は日除け対策について大盛り上がり♪
「口元が開いていてムレナイし、眼鏡も曇らない。またすぐ乾く素材がいいのよ〜」とブルーでおそろいのスリーショット頂きました〜☆この憩いのひと時、たまりませんね〜
さてさて、肝心の今年のぶどうの生育状況は、というと「春先の雪や霜も芽が膨らむ前だったのでギリギリ影響はなかった。あと1週間から10日遅かったら大変な事になっていた。花咲く頃の天気が良く温度も上がったので助かったよ。あとは台風が怖いけど、自然の前では毎年1年生だね」。
自然と共に、未来を想像して枝葉や実を落とす、この地域の良さを生かしたぶどうづくりが大切、と穏やかな中にも自信と信念をのぞかせる隆次さん。長年の努力と経験がその自信を裏付けていることは言うまでもありません。そんな隆次さん曰く「今年は当たり年、稀にみる豊作」とのこと。
東御市和の巨峰、実りの秋が楽しみですね。
写真:JA信州うえだ提供
9月21日(土)・22日(日)には、東御中央公園芝生広場にて2013 巨峰王国祭りも開催されますのでお楽しみに♪
東御市和の巨峰の注文・お問い合わせはこちらまで。(現在〜8月までハウス栽培、9月上旬〜10月中旬まで露地栽培の発送となります)
・JA信州うえだ 直売センター東部店
TEL:0268-64-3153(水曜定休日)
そしてそして、なんと当ブログ400号記念キャンペーン第2弾のために、JA信州うえだより東御市の「巨峰」をプレゼントして頂きました〜〜〜!!ブログを読んで、クイズに答えて、信州の農畜産物をゲットしましょう!
応募は来週7月31日からスタートします。