果物

今の季節、乾いた喉をうるわすナシ

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かじった瞬間のシャリシャリ感、そして口一杯に広がるみずみずしい甘味!
ナシのおいしさは、やはり食感と保水性です。ナシ属植物は地球という星に、約20種類ぐらいあるそうなんですが、果樹として栽培されているのは、日本ナシ、西洋ナシ、中国ナシの3種類なんです。ナシは英語で「ペア pear 」といい、西洋ナシは食べたときにねとっとした食感なので「バター・ペア」、中国や日本のナシは、シャリシャリ感で「サンド・ペア(砂ナシ)」なんて言われてます。

最近は数多くの果物が年中見ることができるようになり、本当の旬が分からなくなりつつありますが、ナシとくれば、真っ青な秋空の元、運動会や秋の遠足のお昼に、乾ききった喉を潤すこの時期です。信州では8月のお盆前から「幸水」の出荷がはじまり、ちょうど今頃を境にこれからは「豊水」そして「二十世紀」の時期となり、その後「南水」と続きます。あなたはどんなナシがお好みですか?


■ 珍名は長い歴史の証拠 ■
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日本におけるナシの歴史は古くて、早くも弥生時代の遺跡から日本ナシの遺物が出土しています。ルーツは中国中部、朝鮮半島南部、日本中部以南に原生している「ニホンヤマナシ」で、我が国で改良を重ね今の「幸水」「豊水」「南水」「二十世紀」のようにたくさんの品種群になりました。

栽培の歴史も古くて、かの「日本書紀」(720年)には持統天皇の代にナシの栽培を勧めたとあるそうです。江戸時代になるとかなり栽培も普及し、全国各地に産地が形成されました。日本ナシの栽培の特徴は、ブドウと同様に棚栽培すること。日本のナシは歴史が古いだけに、変わった品種名がいくつかあります。例えば、甘くて頬が落ちそうになり、思わず頬を叩いたとことから付いた「頬叩(ほほたたき)」。おいしくて巾着(財布)の有り金を全部はたいて買ったことに由来する「巾着」(別名:「巾着叩(きんちゃくはたき))。おいしいといわれている樹は"どいつだ"といったことから付いた「独逸(どいつ)」などなど。おもしろいですね〜。


■ おすすめは無袋栽培のサンセーキ ■
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ナシをおいしく食べるには、次のようなことに気をつけてましょう。

日本ナシですが、鬼と同じように、赤系と青系に分かれます。赤梨(幸水・豊水など錆褐色をした梨)の場合は、色が濃く、軸の反対側の尻の部分まで褐色に着色しているものを、青梨(二十世紀など褐色ではない梨)では、日光にすかして見ると透明に感じられるものがいいようです。

また、果形が扁平で果皮に張りがあり、「かたくてズッシリと重いもの」の方が糖度が高いです。

保存方法ですが、常温で置いておくと追熟するので、よく密封して、冷蔵庫に保存しましょう。でも厳密には、買ったときの熟成の度合いによって、日持ちは変わるので、できる限り早く食べることをおすすめします。

西洋ナシは、日本ナシや中国ナシと大きく違い、樹の上では成熟せず、収穫後に追熟させて初めて食べられる状態になります。ズッシリと重いもので、追熟しての食べごろは表面を軽く押して弾力が出てきた頃です。中国ナシは、あまり馴染みがありませんが、肉質は日本ナシ的で、形は西洋ナシに似ています。品種によっては収穫後に少し貯蔵した方が風味を増すものもあります。

信州で栽培されている主な梨は6種類です。特に「南水」は長野県南信農業試験場で、「越後」と「新水」を交配し育成した信州生まれの赤ナシ。それに「二十世紀」に袋をかけず、太陽の光をたっぷり浴びさせることで濃厚な味わいが楽しめる「サンセーキ」は、JA全農長野の登録商標なんです。無袋で太陽の光をたっぷりと浴び、風雨にさらされたサンセーキは甘みと酸味のバランスがよくとれていて、自信をもっておすすめです。


■ ナシの糖分に注目集まる ■
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梨には食物繊維が豊富に含まれている上に、日本ナシには血糖値が上がらない糖分であるソルビトールが果物の中でも特に多く含まれています。ソルビトールは低カロリーで、虫歯になりにくい炭水化物。吸水作用があるため、便を軟らかくし、ついでに腸の運動を活発にする作用があるので、便秘とも「さようなら」できますよ。他にも気管支炎、肺気腫などの予防効果も疫学調査から明らかになってきています。


■ 「味に自信あり!」信州の梨 ■
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今年の信州の梨は、春先の凍霜害や例年よりも多い夏の台風で、表面がザラついたり、特に先日の台風16号では半分近くが落果する畑があったりと、農家は大変苦労して生産してきました。しかし、店頭に並ぶナシは、若干の表面のザラつきがあっても、味は生産者が保証する自信作です。是非、信州の秋を、ご賞味ください!

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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