優雅に弧を描く姿と鮮烈な色彩が動きを演出

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ユーフォルビア・フルゲンス。この小さな花は一見、脇役に思えてしまうかもしれません。しかし、その鮮やかな色彩と優雅な弧を描く全体の姿からは他の花にも負けない、強い意志のようなものが感じられます。西洋では「スカーレット・プルーム(緋色の羽根飾り)」という名前でも知られています。花言葉は"協力を得る"。その通り、ユーフォルビア・フルゲンスは影の主役として、他の花たちを支えます。"動きを作る花"として、フラワーアレンジメントにはもってこいの花。切り花としてクリスマス向けの需要が多く、この時期、生産者は出荷の作業に追われます。

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冬のフラワーアレンジメントに最適の花
長野県の北部、長野市篠ノ井の中村弘衛(なかむらひろえ)さんは、JAグリーン長野の花き部会の一員。約7000本のユーフォルビア・フルゲンスを栽培しています。最盛期には日におよそ1800本を出荷するとか。ユーフォルビア・フルゲンスの出荷量は、JAグリーン長野管内が日本一です。

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取材した日は空が厚い雲に覆われ、身震いするような寒さ。しかし中村さんはハウスの中で元気に作業を行っていました。扉を開けると加温器で温められたハウスの中は、「ごぉー」っという加温器の音と暖かい空気に包まれています。湿度が高く室内はぼんやりと霞(かすみ)がかかっていました。

温度管理に気を配る日々
ユーフォルビア・フルゲンスはトウダイグサ科の花で、メキシコ原産のため、栽培中は温度管理に気を使います。15〜18℃に保たれた室内には色とりどりのユーフォルビアが並んでいました。夏場は斜光をしてあげないと温度があがりすぎて先端が止まってしまうし、冬場は現在のように加温気で温度を管理する必要があります。また、クリスマスシーズンに開花をあわせるため、9月になると日照時間が9時間になるように調整します。

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この作業を2ヶ月程行うと、花がつぼみを開く準備をするのです。また、この花は育苗が難しいので枯れないように気を使います。このように、一年中面倒を見てあげる必要がある花なのです。見せていただいたハウスの中の花たちには、まだつぼみが残っていました。ユーフォルビア・フルゲンスは先のほうのつぼみが咲き切ってから出荷がされます。

 

まさに今がピークシーズン
栽培されている色は、レッド・ピンク・イエロー・オレンジ・ホワイト。この季節の人気のカラーはレッドです。例年、JAグリーン長野管内においては11月の頭から翌年1月いっぱいまでが出荷の時期で、出荷先は関東、関西など、県外がほとんど。現在は出荷前に花の下の部分の葉を落とす作業に追われています。

中村さんは夫婦ふたりの共同作業でクリスマスシーズンの"影の主役"を、思いを込めて全国の市場へ送り出していました。

*ユーフォルビア・フルゲンスは、数量が少ないため、個別の販売は行っておりません。現在、長野県内のJAではJAグリーン長野JAちくまJA北信州みゆきが生産を行っています。管内の直売所、Aコープ、またはお近くの花屋さんで販売している可能性もありますので、個別にお問いあわせください。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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