「マイコファジィ」という言葉があります。英語で書くと「mycophage」です。アメリカ人もイギリス人も「マイコフェイジ」と発音しますが、ほとんどの人はまだ意味がわからないかもしれません。意味は「きのこを積極的に食べる人、あるいは動物」と規定されています。日本語では「菌食」となり、もともとは昭和のきのこ博士だった今関六也(いまぜきろくや)氏が唱えた栄養論でした。菜食主義、肉食主義のような偏った食生活ではなく、植物、動物、菌類質の食べ物(菌食)を組み合わせて摂るのが、自然の法則にかなった健全な食生活であるというものです。その菌食論を、新世紀にふさわしい食事のスタイルとして「マイコファジィ」という新しい言葉で提唱し、広く日本にも定着させようとしているのが、農学博士できのこ類について研究し、自らを「マイコファジスト」という宮崎大学名誉教授の河内進策(かわちしんさく)氏です。「きのこをもっと食生活に取り入れて、健康生活を送ろう!」というわけです。おりしも、先週のメルマガ発行日の11日は「長野県きのこの日」でした。今週はきのこの健康効果についておさらいすると共に、みなさんにきのこを積極的に食べることを心がけていただき、よりおおくの「マイコファジスト」を日本全国に産み出したいと考え、きのこをふんだんに使ったレシピをご紹介しましょう。
新しく立ちあげられた「マイコファジスト」のためのサイトのなかで、河内教授はすべてのきのこに共通する特徴として次の3つをあげています。
【1】低カロリーで、繊維食であること
【2】日光に30分も当てれば、ビタミンD2がとても豊富になること、したがって、育ち盛りの子供たち、妊婦さん、お年寄りなどの骨の健康に大切なこと
【3】そして、ガン予防の効果があること、です。さらに、今、健康食として世界中の注目を浴びている日本食は、食べ物としてもっとも大切な、旨さと食感という点で、シイタケを中心とするきのこに支えられているのです。
きのこを食事に取り入れることはなぜ大切か
「食欲の秋に嬉しい、ダイエット食には定番のきのこは、カロリーが低く、食物繊維が豊富です。糖尿病や高脂血症などの生活習慣病やがんの予防に効果的」
河内教授を筆頭に「マイコフェイジ」の提唱者の方々がきのこの健康機能について語ったのは先週9日、JA全農長野が、きのこの健康効果について認識を深めるために開催した「きのこシンポジウム」の講演でした。ここではきのこの力を引き出す保存方法なども紹介されました。購入してから1時間ほどきのこを日光に浴びさせることで、きのこに含まれる成分がビタミンD2に変るのだと。そしてビタミンD2はカルシウムの消化を助ける働きをするのだそうです。ただし、きのこばかりを食べていればそれで良いのではなく、バランスのいい食事を構成する食材の中の欠かせない一員として、きのこを毎日の食生活に取り入れることが大切なのだと「マイコファジスト」のみなさんは語りました。
それでは、「マイコファジスト」になってみてもいいかと考えたあなたも、きのこを賢く、毎日の食事に取り入れてください! 今日は簡単で強力でしかもおいしい「きのこレシピ」を紹介します。
きのこのスープカリー
きのこパワー全開の簡単レシピ
材料(4人分)
えのきたけ 200g
やまびこしめじ 100g
エリンギ 100g
カレー粉 100g
水 800cc
オリーブオイル 大さじ2
バター 大さじ2
(1)えのきたけは石づきをとり、3等分に切る。
しめじは石づきをカットして、ほぐす。
エリンギも食べやすい大きさに切る。
(2)フライパンにオリーブオイルを熱し(1)を炒める。
(3)フライパンに水を加え、沸騰したら
一度火を止めて、カレー粉を溶かす。
(4)さらにバターを加え、2〜3分煮込んだら完成。
蒸し鍋
きのこと野菜のうまみを閉じ込めた人気のヘルシー蒸し鍋
材料(4人分)
やまびこしめじ 100g
エリンギ 100g
えのきたけ 100g
白菜 4分の1株
パプリカ 1個
豚ばら肉(薄切り) 300g
塩、こしょう 各適量
酒 2分の1カップ
つけだれ 各適量
(お好みのたれでお楽しみ下さい)
(1)きのこは石づきを気って、食べやすい大きさに切る。
白菜はざく切りにし、パプリカは細切く切る。
(2)ホットプレートに白菜の芯を並べ、
豚肉を広げて塩とこしょうをふる。
(3)(1)の残りの材料を並べて酒をふり、
ふたをして230度で10分加熱する。
野菜に火が通ったら、好みのたれでいただく。
えのきの浅漬け
簡単料理、冷やしてもおいしい
材料(4〜5人分)
やまびこしめじ 100g
えのきたけ 100g
生なめこ 100g
きゅうり 1本
調味料 (浅漬けの素)
(1)きのこは石づきを取り、子房に分ける。
(2)やまびこしめじ、生なめこ、えのきたけをゆでて、
湯を切る。きゅうりを適当な大きさに切っておく。
(3)容器に材料を移し混ぜ、浅漬けの素をいれて
材料が隠れるまで浸す。
(4)冷蔵庫で冷やし、2〜3時間おけばできあがり。
*お好みでみょうが等の香味野菜やごま油を加えてもおいしく食べられます。
えのき氷
きのこを毎日手軽に摂取できます
材料
えのき 300g
水 400g
えのき氷の詳しい作り方は日本きのこマイスター協会HPページに詳細が掲載されています。
・毎日きのこを手軽に摂取できる「えのき氷」のつくり方
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