日中はまだ暑い日もありますが、夜は肌寒いと感じるほど涼しい季節になりました。昼夜の寒暖の差が大きくなり、畑ではくだものがおいしさを蓄えています。今回は、出荷最盛期を迎えているナガノパープルについてご紹介します。ナガノパープルは長野県の果樹試験場で育成された品種で、県内でのみ栽培が認められています。種がなく、皮ごと食べられるブドウです。大粒なので口全体にさわやかな甘さが広がり、食べやすいため次から次へと手が伸びます。
まずは、ナガノパープル栽培の流れを簡単にご紹介します。
【ナガノパープル栽培の流れ】 1.剪定 ・・・2月下旬頃、樹液が樹上に上がる前に実施します 2.芽かき・・・健全な新梢を残すように間引きを行います 3.誘引 ・・・ツルを固定します 4.房整形・・・房の形を決める大切な作業です。「房切り」とも言います。 5.摘粒 ・・・40~50粒ついている房を、30~35粒にするため、1房づつハサミで仕上げます 6.袋掛け・・・病害虫から守るために袋をかけ、収穫まで袋内で成長します 7.収穫 ・・・袋を破いて熟度を確かめてから収穫します
収穫を間近にひかえたナガノパープル
いま収穫の時期を迎えているナガノパープルも、まだ雪の残る冬から剪定作業がスタートしています。房整形では、花が満開の頃の「花穂」を3cmほどにしますが、この作業をしないと通常の房の3倍以上の大きさに育つそうです。私たちは濃縮させたおいしさをいただいているんですね。
須坂市、小布施町、高山村を管内とするJA須高は、「フルーツハリウッド」という愛称で親しまれる、県内でも有数のくだものの産地です。地形や気候条件によって、ブドウ・リンゴ・桃などが適地適作で生産されています。
小布施町の吉澤修さんはナガノパープルやシャインマスカット、黄金桃、だて白桃などを栽培している果樹農家です。県内のブドウコンクールで県知事賞を受賞するほどのブドウ作りの名人。ナガノパープルなど皮ごと食べられる品種は、皮が薄く裂果しやすいため栽培が難しく、特に今年は、収穫期を控えた8月中旬に雨天が続いたため、裂果等により出荷量が減少した農家もあるそうです。
ブドウ畑で作業する吉澤さん夫妻
デパートでは桐箱に入った高価なナガノパープルが販売されることもあり、高品質なものを出荷するためには、房整形や摘粒の時にどのように生育するか想像しながら、房の形や粒の数を整えることが必要です。JAなどでは果粒重(1粒の重さ)が10〜15gを目標に指導していますが、吉澤さんのナガノパープルは1粒20gもあります。1粒を大きく育てようとすると、それだけ裂果するリスクも高まるので、ベテランの経験と技術があるからこそ実現できる技です。ブドウ栽培は、これらの細かい作業が必要なことから、「芸術品を作るようだ」とも言われます。ナガノパープルの出荷は9月いっぱいまで続きます。
「美味しいぶどうをたくさん食べてくださいね♪」
さて、そんな手間をかけて育てられたナガノパープルはどこで手に入るの!? と思われた方に朗報です! 2014年9月27日(土)に小布施ハイウェイ・オアシス駐車場で「小布施ブドウ祭り2014」(主催 JA須高ぶどう部会小布施支部)が開催されます。吉澤さんをはじめ地元農家の獲れたてのブドウを購入することができますよ。ナガノパープルの他にもいろいろな種類が並びますので、ぜひお越しください。
こちらは 2014.09.16 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
ピーチちゃん
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