関西大学とJAながのによる共同開発によって、旨みと栄養素の含有量が多く「味愛(あじわい)」がより豊かになった特別なきのこ「豊茸(HOUDAKE)」が誕生しました。
共同開発のきっかけは、関西大学の学生がJAながののりんごの流通に関して勉強に来て、JAながのの関係者が卒業論文発表を見に行ったことでした。
JAながのではきのこの生産が盛んで、きのこの栄養や旨み成分であるアミノ酸の研究をしている老川研究室があることから、高付加価値のきのこを開発するため、同プロジェクトを始めました。
プロジェクトは、ぶなしめじに含まれるアミノ酸分析から始まり、アミノ酸含有量を高める栽培方法を研究し、4年目で商品化しました。
2022年10月8日から、JAながの直売所「旬彩工房vivid」「お百SHOPおぶせ」「アグリながぬま」「あもり農産物直売所」の4店舗で試験販売されています(現在も販売中)。
販売の様子。マーケティング全般や商品パッケージ企画は関西大学商学部が協力しています
豊茸は特殊な栽培技術(特許出願中)により、アミノ酸含有量を増やしたぶなしめじです。
栽培されている豊茸
関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 老川研究室 の分析によると、一般的なぶなしめじと比較して、
- 筋肉の強化や疲労の回復を助ける「グルタミン」が1.6倍
- 肝臓のはたらきを助ける「オルニチン」が1.9倍
- 免疫力や活力を高める働きがある「アルギニン」が1.4倍
しじみにも含まれている「オルニチン」は肝臓のはたらきを助けることで知られています。じつは、ぶなしめじはしじみの5倍ものオルニチンが含まれています。豊茸はさらに1.9倍なので、しじみの9.5倍含まれています。
また、アルギニンやオルニチンは食品の苦味をおさえる効果があります。ぶなしめじ独特の苦味が少なくなり、味わい深くなります。
JAながの営農部 営農指導課の大熊係長は、次のように言います。「1個300円で販売していますが、リピーター客が多いです。今後も付加価値のあるきのことして販売していけたらと思います。将来的にはぶなしめじだけでなく、なめこやえのきの『豊茸』も開発して『豊茸シリーズ』にしたいと考えています」
一度食べたらハマる「豊茸」。希少なこのきのこを見かけたら、ぜひ手にとってみてください。