この美しい白いお花はいったい?
「風の娘」という意味のギリシャ語が名前の由来
これは、冬の花ともいわれる「アネモネ」です。
全国有数のアネモネの産地であるJA信州諏訪管内の原村地区で栽培されています。八ヶ岳の西麓地域では、冷涼な気象条件を生かした高原野菜や花きの生産が盛んです。
今回は、JA信州諏訪のアネモネ生産者である平出千里(ひらいで・ちさと)さんの圃場を取材しました。
平出さんのハウスにはたくさんのアネモネが咲いています!
アネモネってどんな花?
アネモネという名前は、ギリシャ語の「風」を意味する「アネモス」に由来し、「風の花」または「風の娘」という意味があります。
春に開花するアネモネの細長い茎が風に揺れる様子や、アネモネの種子が風にのって遠くへ飛ぶ様子からつけられたそうです。
赤・ピンク・白・青・紫など、さまざまな色があり、花びらが多数あって外側に広がっている形状が特徴的です。
花束にすると色鮮やかでとてもきれいです!
平出さんのアネモネハウスでは「ミストラルプラス」を栽培しています。ミストラルプラスは大輪のアネモネに分類され、輪の大きさや色のバリエーションが豊富な品種です。
アネモネには、花びらがない!?
先ほど「花びらが多数ある」と言いましたが、私たちが花びらだと思っている部分は、じつは「ガク」なのです。アネモネは花びらがないのですが、便宜上、花びらと呼んでいます。
まだ寒くて花が閉じている状態です
アネモネは、光や温度に敏感に反応するので、暖房の効いた部屋だと一気に開きます。気温が低めの場所に置くと長持ちしますが、寒すぎると開きません。
さあ、いざ収穫です!
収穫は朝5時15分から。
アネモネは朝・夜は蕾がしぼみ、お昼になると花が開き、咲いたり閉じたりをくり返します。二度咲いたものは農家の眼識でわかるそうで、タイミングを測って収穫します。
「アネモネは茎が長いから、折れないよう慎重に収穫します」と平出さんは言います。
折れないよう丁寧にアネモネを収穫する平出さん
箱詰めは「ミックス」で
収穫したアネモネを出荷用の箱に詰めるのは自宅で行うことが多く、冬場は水揚げをして1日置き、凍らせないために暖房を使用して温めているそうです。
JA信州諏訪では、いろんな色を混ぜて箱に入れる「ミックス」で出荷しています。さまざまな色を楽しんでほしいとの思いから、ミックスするようになったとのこと。
JA信州諏訪産のアネモネは、おもに関東、関西、中京などの市場に3月末まで出荷されますので、近くのJA直売所や花屋さんで探してみてください。
平出さんをはさんで、JA信州諏訪営農部の土橋係長(右)と原村営農センタのー中嶋さん
この冬はぜひ、JA信州諏訪のアネモネを楽しんでみてください!
おまけです…
下の写真は、大人の雰囲気を漂わせた深いボルドー色のアネモネです。ほかのアネモネと比べて、水滴が落ちるだけで色が変わってしまうそうです。
こっくりした色味が高貴な印象のアネモネ。市場ではあまり出回っていない色なので、見つけたら、ぜひ手に取ってみてください!
ボルドー色のアネモネです!