少しずつ春めいてきましたね。あったかい部屋で丸まっていた方も、どこかへ出かけたくなる頃ではないでしょうか(私がそうなのですが…)。
そろそろお出かけして旬を楽しみたい! だけど寒いのは…という方におすすめしたいのが「いちご狩り」。 今回はJA信州うえだの「塩田東山観光農園」をご紹介します。
暖かいハウスの中で、旬のいちごを楽しみましょう!
こちらのビニールハウスでいちご狩り!
塩田東山観光農園は、上田市の南部に位置する塩田平にあり、上信越道の上田菅平ICから、車で約20分ほど。冬から春はいちご狩り、秋はぶどう狩りやりんご狩りもできて、県外からの来場者も多い人気のスポットです。「じゃらん」のいちご狩り人気施設グランプリ2022年度準優勝(甲信越・北信エリア)も獲得した施設です!
※来園には予約が必要です。いちごの生育状況によっては当日でも対応できる場合があります。施設の詳細については記事の最後にて。
こちらの看板が目印です
今回は観光農園のスタッフ、石井隼人(いしい・はやと)さんにご案内していただきました。
「当園では『章姫』と『紅ほっぺ』の2品種を食べ比べていただくことができます。大粒と小粒なら大粒の方が、形が悪くても甘さを蓄えている傾向ありです。先端まで赤いものを選ぶようにしてください(石井さん、以下同)」
石井さんに品種の違いやコツを教えてもらいながら、レッツエンジョイいちご狩り!
まるで正反対の「章姫」と「紅ほっぺ」を食べ比べよう!
こちらで食べられる品種は特徴が分かれ、食べ比べると面白い! 石井さんの解説に基づき、早速ふたつの品種をご紹介します。
甘く、みずみずしい「章姫」
特徴|実の形が細長くて円錐状。とてもやわらかくて繊細な実で、酸味はほとんどありません。ひと口目で甘さを感じることができます。
選び方|じつは実が赤いほどおいしいわけではないそうで…「赤くなりすぎているとやわらかくなりすぎて、味が薄くなっていることがあります。」
左:軸近くに白さが残るが、食べ頃の実 右:赤く熟しているが、味が抜けている可能性あり
石井さんメモ|みずみずしくて甘いので、いちご狩りには喜ばれる品種。「逆に酸味が少ないので加工には向かないんです。十分甘いので、練乳をつけずに生食がおすすめです」
濃厚な味とほどよい酸味「紅ほっぺ」
特徴|きれいな三角形で、厚みがあり、固さもある品種です。酸味が強く、水分量が少ないため、濃厚な味を感じることができます。
選び方|「章姫」とは違って、軸の部分まで赤くなっているものがおすすめ。
左:真っ赤に色づいた食べ頃の実 右:全体的に白っぽくまだ熟していない
石井さんメモ|「酸味が強く、味が濃いので〝theいちご〟という味わいです(笑)。練乳との相性も良いです。ジャムなどの加工品やケーキの上にのせるのは、章姫に比べると、こちらの紅ほっぺが向いてます」
いざ実食!ハウスの様子
時間は60分。受付をしたあと、練乳を受け取ります。
ハウスの中は暖かく、晴れの日は25℃、曇りの日は15℃くらい。5℃以上ないといちごは実を作らないので、私たちも快適にいちご狩りができます
収穫方法は「軸の部分をもって、実を下に向けて軽く引っ張ってください」
そして試食のコツは「酸味の強い紅ほっぺを先に召し上がってください」
さっそく実食。まずは紅ほっぺから。解説のとおり、酸味があっていちごの味が濃厚です。固さもあるため、食べ応えがあります。
お次は章姫。紅ほっぺを食べた後だからわかる、さっぱりとした甘さ。果肉はやわらかめで、みずみずしい! 甘いのに水分感があるので、パクパク食べてしまいそうです(身体が弱った時にも良さそう)。
個人的には酸味と固さのある紅ほっぺが好みでした(石井さんいわく、紅ほっぺの方が女性人気が高いそう)。
ハウスの中ではみつばちが受粉作業を手伝ってくれています(かわいい…)。白くて小さいいちごの花は、目にも「おいしい」光景ですね。
とれたていちごは直売所でも売ってるよ!
塩田東山観光農園では直売所へ出荷するほか、ケーキ屋さんや学校給食にもいちごを提供しています。出荷用いちごのパック詰めの様子を見せていただきました。
いちごの実は繊細なので、すべて手作業で行います。たくさんのいちごの実を、規格をそろえてパックに詰めていきます。
この道25年のベテランさん。瞬時にいちごを選んで詰めます。早い!
きれいに並んだ贈答用いちご
「基本的には、すぐ召し上がっていただきたいです。日を置いて加工に使う場合は、すぐに冷凍してください」
「冷蔵庫では1週間くらいもちますが、水滴がついてしまうので、召し上がる際はふき取るようにしてください。ついたままだと味が薄くなってしまいます」
この日食べた中で一番おいしかった「紅ほっぺ」。形はいびつですが、大きくて食べ応えありました
じつは私、この取材で初めていちご狩りを体験しました。大きさや品種を比べながら食べるいちごはおいしいし、楽しい! ハウスの中は暖かいので寒がりさんも安心です(笑)
スタッフ石井さんからのメッセージ。ご来園お待ちしております!
おまけ|上田市塩田平は「信州の鎌倉」
塩田東山観光農園のある上田市の塩田平は、名湯・別所温泉とも相まって人気の観光地です。安楽寺や北向観音など、鎌倉時代に建てられた建造物や史跡といった文化遺産が多く残っており、「信州の鎌倉」とも呼ばれています。
新幹線の停まる上田駅から、人気のローカル線「別所線」を利用しながら訪れる人もいます。いちご狩りを楽しんだ後は、ゆったり史跡めぐりなどいかかでしょうか。
別所温泉の温泉街にある北向観音(2023年11月撮影)