暖冬の今年ですが、日差しはあっても空気は冷たく、湿度が低い今の時季は、乾燥野菜をつくるのにピッタリです。県内でも昔から野菜を中心に様々なものが天日干しされてきました。 ということで、ここ数年人気の、買えば意外とお値段の張る「干し芋」づくりに挑戦しました! 作り方を見れば意外と簡単そうですが・・・。
まずは、直売所で「紅はるか」と「安納芋」のサツマイモを買ってきました。さらにいただきものの「鳴門金時」もあります。この3種で干し芋をつくります (#^^#)
つくり方はいたってシンプル。まず、鍋にたっぷりの水とサツマイモを入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして1時間から1時間半。長く茹でることで甘味が引き出されるそうです。ただし、サツマイモの品種によっては、蒸したほうが適するものもあるよう。また、長時間の加熱ですから空焚きなどに注意しましょう。
さてさて、芋の甘い香りが部屋に漂ってきました。そろそろ時間です。 おいしそうな茹で上がりに、このまま1本食べてしまいたい衝動をぐっとこらえ、鍋からサツマイモを引き上げます。すぐに皮をむきますが、とにかく熱いので、軍手とビニール手袋の2枚重ねで手を守ります。 皮以外にも、筋が多かったり、黒く変色している部分は、口当たりや見た目を良くするために取ったほうがいいようです。
続いてサツマイモを1cm程の厚さに切っていきます。安納芋は、紅はるかや鳴門金時よりも軟らかくて崩れやすかったので、作業も慎重になります。
切ったサツマイモは、重ならないようにしてザルに並べ、鳥避け対策で網を掛けて干します。1日目の作業はここまでになります。
マンゴーのようなオレンジ色は安納芋
晴天が続く日中の5日間ほど天日干しをして、夜間は夜露に濡れないように室内に取り込みます。 晴天日が少なかった長野県北部の1月下旬の天候でしたが、1日晴天が続いた3日目は、見た目にわかるほど、一気にサイズダウン。それから数日、まだ表面が若干乾き足りないような気もしましたが、翌日からの雪の予報に、6日間で干す作業を終わりにして、干し芋の完成としました。我ながら上々の出来です。お天道様に感謝!
当初はかなりぶ厚いと思ったのですが、意外に水分があったようで、できあがりは半分ほどの薄さになり、全体的に小さくなりました。 日中、1日1回はひっくり返すと、しっとりと良い仕上がりになるそうですが、昼間に面倒を見てくれる人もいなかったために諦め、毎日、日が暮れてから部屋に取り込むといった状態でした。
紅はるかは、羊羹かゼリーのように弾力があって、むっちりしてしっとり軟らかく、厚みのせいか食べ応えも十分。 安納芋は、さらに水分量が多くてねっとりと軟らかな食感。 鳴門金時は、もともとの水分量が少なかったためか、茹で上がりも硬めで、干したものはさらに周りが硬くなりましたが、ホクホク感はそのままに。 いずれも見た目は、茹で上げた状態からそれほど変わりませんでしたが、それぞれのサツマイモの味や食感の特徴が、干す前より少し強く出ることがわかりました。干し芋ならではの、この軟らかさとむっちり感には、手間のかかった分だけ感動があります。 ちなみに、「芋を切って干したけど、硬くて食べられなかった」と言う知り合いに、芋は干す前に、じっくり火を通して軟らかくすることを話すと、「干し芋って、切って干すだけじゃなかったのね!?」と。 干し芋は、すぐに食べる場合は冷蔵庫で保管し、長く持たせるには冷凍庫での保管後、自然解凍して食べるのがいいそうです。
欲しい物が簡単にお金で手に入る現代ですが、自ら手間を掛けた手作りの品はとても貴重で、その体験は何より楽しい! ﹨(^3^)/ ただし、あまりのおいしさに、3日と持たずになくなりましたけれど・・・。 さてさて、第2弾はいつ行おうかしら? 週間天気予報が気になるところです。(すし☆すぶた)
こちらは 2020.02.04 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
すし☆すぶた
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