おこづかいを稼げるスマホアプリ「1日農業バイトdaywork」体験レポート

「1日農業バイトdaywork」(以下、デイワーク)は、生産者と求職者を1日単位で結びつけるスマホアプリです。働く人にとっては、空いている日やスキマ時間を活用して働くことができます。

長野県内でも利用するJAが続々と出てきている話題のデイワークを体験してみました。

「1日農業バイトdaywork」って何?

デイワークは2019年から北海道で利用が始まり、現在は全国で利用されています。一般社団法人 農林水産業みらい基金の補助により、2022年度は生産者や求職者など全利用者が無料で利用できます。

デイワークの申し込みはホームページ、またはスマホアプリをダウンロードしてアカウントを作成します。続いてバイトしたい都道府県・市区町村を選択すると、その付近の仕事が表示されるので、興味のある仕事を選択して応募します。

 

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求人募集画面の依頼主の名前の下にある「☆(星)」は、過去にバイトした求職者による依頼主の評価です。

万が一、トラブルなどがあった場合は運営会社であるKamakura Industries 株式会社に相談します。

選んだバイトは「リンゴの摘果作業」

今回は、長野県の南部に位置する飯田市上久堅の伊藤拓生さんの農場でリンゴの摘果作業をすることにしました。

募集画面を見て、忘れものがないように昼食・お茶・服装など準備しました。この日は午後から雨が降る予報だったので、カッパも持って行くことにしました。

自家用車で集合場所に向かうと、依頼主の伊藤さんが迎えに来てくれ、農場に案内してくれました。

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農場では前日から働いているふたりがすでに作業を始めていました。初めて働く私ともうひとりは、伊藤さんから摘果の手順を教えてもらって働き始めました。

2022060802-tiikiバイトの方(左)に説明をする伊藤さん

「ゆっくりでいいので焦らず確実にやってくださいね」(伊藤さん、以下同)。摘果は、中心果という中心にある果実を残して、まわりの果実を摘み取る作業です。


2022060801-tiiki真ん中にある大きめの中心果を残して…

2022060808-tiikiまわりの果実を摘み取ります

2022060809-tiikiこれで摘果完了です

伊藤さんが流すラジオを聞き流しつつ、緑に囲まれながら作業に没頭すると、意外と時間はあっという間に過ぎていきました。


2022060804-tiiki木の高いところは脚立に上って作業します

10時と15時のお茶休憩ではお菓子を食べながら、伊藤さんやほかのバイトの方々とのんびり休めました。1日限りのバイトだと思うと、緊張せずに楽しく会話することができ、ほかの方々も気さくに話してくれたので、30分程度の休憩でしたが楽しく過ごすことができました。

昼食は各自、車の中や農場にある小屋でゆっくり取りました。

午後は小雨が降っていたので、カッパを着ての作業になりました。疲れが出てきましたが、ほかのバイトの方々が真面目に作業しているのを見ると「私もがんばらなきゃ!」と思わずにはいられませんでした。

夕方になり、雨が強くなってきたので伊藤さんの判断で予定より30分早い16時30分の終了となりました。各自、1日分の給料(30分はおまけしてもらえました!)を手渡され、解散しました。

依頼主がやさしく、バイトの方がとてもまじめに働いているのが印象的でした。

屋外の作業なので虫や蛇が出るのか心配でしたが、こちらの農園にはいませんでした(カエルはいました)。

丸1日の慣れない作業で、とても疲れたというのが正直なところです。その夜は普段以上にぐっすりと眠れました。

依頼主の伊藤さんはどんな人?

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伊藤さんは名古屋出身。29歳の時に「農業がしたい!」と飯田市にIターン就農し、今年で12年目。2.7haの農地でリンゴの観光農園を経営しています。

農園は主にひとりで管理していますが、摘果など人手が必要な時は臨時でご近所の方に手伝いをお願いしていました。

伊藤さんは、JAみなみ信州 果樹部会での説明でデイワークの存在は知っていたものの、すぐに導入しようとは思いませんでした。

「去年、どうしても摘果作業の人手が集まらなくて、デイワークを利用し始めました。募集した翌日から働いてもらえたので、とても助かりました。手数料がかからないことに驚きました。ほかの人材紹介サービスは手数料がかかるものがありますから」

摘果は時期が遅れてしまうとリンゴの樹に大きな負担がかかり、翌年、果実が実らなくなってしまいます。必要な時にすぐに人手が確保できるのは、便利なのですね。

伊藤さんは募集する際に気をつけていることが、ふたつあります。

「ひとつは、自分が管理できる人数と期間で募集することです。1日だけでなく何日間も働いてくれる人もいるので、大人数かつ長期間で募集すると、今日は誰に作業の説明をして、誰に給料を払う日か、こんがらがってしまいます」

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さらに、人によって勤務日数が違うので、給料もそれぞれ計算しないといけません。依頼主が管理できる範囲で募集することが大事なのですね。

「ふたつ目に、応募が集まったらなるべく早く採用することです。すぐに採用決定しないと応募者は他の予定が立てられませんから迷惑がかかります」

決定を出すのが遅い依頼主は評価が下がり、応募が集まりづらくなります。依頼主は応募者のことを思いやることが大事なのですね。

「バイトの方はみなさん、まじめに働いてくれます。今のところ、扱いに困る人が働きに来たことはありません。システムがしっかりとしているからですかね」

求職者はアカウント作成の際に、アプリに個人情報を登録します。悪さはできない仕組みになっているのかもしれません。

応募するのはどんな人?

デイワークにはどんな人が応募しているのでしょうか。同じ日にバイトをしていたほかの3人にインタビューしました。

なお、3人とも飯田市近辺在住で、デイワーク以外での農業経験はない方でした。

(1)Mさん、女性、40
主婦で、空いている時間で稼げる仕事が欲しかったので去年の10月から始めました。応募してすぐに働けて、面接も履歴書も必要なく、気軽に応募できるのがいいと思います。

(2)Yさん、男性、60
新聞広告を見てデイワークを知りました。去年の12月にスマホを購入して、デイワークの使い方は農協で教えてもらいました。バイトは本日が初めてです。ほかの仕事も兼業しているので、直近で応募して働けるのが魅力的ですね。募集がすぐに埋まってしまうので、もっと求人があったらなと思います。

(3)Kさん、男性、20
現在、転職活動中です。農業か林業の就職を希望していて、JAのサイトを調べていたところ、デイワークを知りました。バイトを通じて農業に関する知識を得られたらいいなと思っています。思っていたよりも体力を使う仕事で驚いています。

JA長野県農業労働力支援センターの2021年1〜12月の調査によると、長野県内での働き手は20~40代が中心で、男女比はほぼ半々。副業としてバイトする方が多く、50%がリピーターとのことです。

最後に

直近で人手が欲しい生産者と、直近で仕事が欲しい求職者をうまくマッチングさせるアプリだなと思いました。

近辺地域だけでなく、なかには県外からの移住希望者が応募したり、キャンピングカーで全国を旅している人が、旅のついでにバイトしようと応募する方もいるようです。

興味のある方は、ぜひアプリをダウンロードしてみてください。

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

アプリのダウンロードはこちら

興味のある方はぜひお試しください

  • ・1日だけアルバイトをしたい方
  • ・農業が気になる方
  • ・旅の中のアクティビティとして体験してみたい方
  • ・農業のお手伝いをしてみたい方

1日農業バイトdayworkについて

iPhone、iPadの方は こちらからインストール (りんごのマークが目印)
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この記事を書いた人

ゆっけ

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