長野県の郷土食「おやき」の工場に潜入!

「おやき」といえば「そば」に並ぶ長野県の郷土料理のひとつとして親しまれています。

もともと米作りに適さない山間の地で、お米に代わり食を支える重要な「粉もの」として家庭ごとに作られてきましたが、時代の流れと食生活の変化もあって、近年ではお店で買うのが当たり前となりました。

おやきは地域ごと、家庭ごとの味があり、今ではお店ごとの味があります。製法は焼く・蒸す・揚げるなどさまざまで、生地に小麦粉のほか米粉・そば粉を使ったり、中に入れる具材も季節に合わせていろいろあります。

某製麺所のおばあちゃんはシナモン入りの「丸ナスおやき」を作っていました。どこからその発想が出てきたのかわかりませんが、こうした工夫が食文化をより多様にしていくのでしょう。もしかするとおやきの新たな歴史の1ページに立ち会っているのかもしれません(笑)

「フレッシュベジ加工」のおやき工場へ

さて今回は、長野市にある株式会社「フレッシュベジ加工」のおやき工場を訪ねました。信州産小麦を使ったもちもちの生地と、具たっぷりのおやきが老若男女問わず大好評です。

tiiki01-20240410株式会社フレッシュベジ加工の本社

ご用意いただいた作業着・靴とマスクを身につけて「いざ突入!」と思ったら、作業着の着方をチェックされ、続いて粘着シートでホコリ取り・しっかり手洗い・手袋装着。極めつけは、ホコリを落とすためのエアシャワー。その間、ご案内いただいた井上工場長のニコニコしながらも鋭い目が光っておりました。

工場には同じ服装の人が大勢いて、ちがいが出るのは帽子の色(管理者は水色)と体格、目の表情のみ。こうなるとメガネの存在感が際立ちます。みなさん言葉をほとんど交わすことなく、自分の役割をテキパキとこなしていきます。

tiiki10-20240410工場内の様子。分担にごとテキパキと作業が進んでいきます

おやき製造は、生地・具材作り⇒包む⇒蒸す⇒焼き目をつける⇒冷却・冷蔵⇒包装という流れで進みます。それでは、くわしく見ていきましょう!

生地に使う小麦粉はすべて長野県産

生地に使う小麦粉は、すべて長野県産の小麦「ユメセイキ」です。

国産小麦の自給率は15%しかありません(2020年度 農林水産省調べ)。さらに国内で消費される国産小麦を100%とすると、北海道産が60%以上を占めます。長野県産は1%に満たないため、大変貴重な小麦といえ、これだけでもおいしそうな気がします。

小麦の製粉は、同じ長野市内にある「柄木田製粉」で行っています。

tiiki02-20240410フレッシュベジ加工専用のおやき用小麦粉

もちもち感を生み出すために、トレハロースなどを調合したフレッシュベジ専用粉を熱湯でこね、ここに専用粉・ベーキングパウダーを混ぜ合わせます。

トレハロースは2004年にユニークなCMで話題になりましたよね!? 天然の糖質で、現在では食感向上や味質改善のため、お菓子やパンに使われています。

おやきの生地がかたくなってしまうことをおさえ、製造当日のようなもちもちとした食感を保つことができます。通販などでお取り寄せしてもおいしいのは、このおかげです。

tiiki03-20240410トレハロースも入る専用粉にベーキングパウダーを入れます

具を包んで、できたのはスライム!?

おやきの具は、野沢菜・なす・切干大根・くるみ味噌の定番4種のほか、季節ごとに作るものもあります。

「くるみ味噌って?」と思った方、その謳い文句は「甘味噌に食感を残すため、あらく砕いた胡桃を和えました」。お土産にいただいたおやきをJA全農長野の事務所で振る舞ったところ、女性職員から「くるみ味噌のおやきは五平餅みたい」という感想があり、妙に納得しました(個人の感想です)。

さて、話が脱線しましたが、ここからがクライマックス!? 具を生地で包む「包餡(ほうあん)作業」です。とはいえ、ほとんどの工程は機械化されていました。

包餡機から続々と出てきたのは……白いスライム!? 否、おやき!

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包餡機から続々と出てくるおやき。ちょこんとした形が、あの国民的モンスターみたい…

この時点では我々の知るおやきの形ではなく、先端がとがった、あのゲームで見慣れたフォルム。機械の構造上、そんな形になるようです。

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整然と並んだ白いおやきが蒸し器に入れられ、一定時間後にブザーが鳴って蒸し器のドアが開けられます。

tiiki06-20240410蒸し器のドアを開けるとすごい湯気が立ち上ります!

もうもうと立ち上る白い湯気の中から出てきたのは、ひと回り大きくふっくらしたスr……おやきです。

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蒸し立てのおやき。蒸す前よりひと回り大きくなった。これだけでももっちりしてておいしそう…

最後の仕上げに焼き色をつけます。焼き色がつくと、見た目が一気におやきに変わりました。熱々をかぶりつきたい衝動にかられますが、グッと我慢しました。

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焼き目がついてスライムを卒業したおやきたち。ほんのりついた焼き目でさらにおいしそう!

粗熱が取れたら、冷凍せずに販売するものはそのまま包装されます。通販・土産店向けの冷凍販売品は、急速冷凍してから包装され、お客さまのもとへ直送、もしくは各納品先に送られます。

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おやき・こやきを通販でどうぞ!

インターネット通販サイト「JAタウン 全農長野 僕らはおいしい応援団」では、フレッシュベジ加工のおやきを製造元から直送でご購入いただけます。

さらに20242月から「こやき」の取り扱いもはじまりました。こやきは50gで、おやき(100g)半分の大きさです。「おやきをもう1個は大きすぎるけど少しもの足りない」「小腹が空いた」「いろいろな種類が食べたい」そんな時にぴったりです。

おやきは定番4種が各4個入り合計16個ですが、こやきは「つぶあん」が追加されて、5種各5個入り合計25個です。北海道十勝産小豆をじっくり煮込んだつぶあんは、甘さ控えめです。

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「こやき」はフレッシュベジ加工の商標です( 登録番号|第
5538206号)


こやきを取り扱う店はまだまだ少ないので、ぜひインターネット通販サイト「JAタウン 全農長野 僕らはおいしい応援団」でお試しください。

おやきセット

こやきセット

工場を案内していただいた井上工場長に、冷凍おやきの温め方のコツをお聞きしたところ「一番いいのは蒸し器を使うこと。できたてそのもののようにおいしくなります。電子レンジを使う場合は、凍ったおやきを水で濡らしてからラップで包んでチンすると良いよ」とのことでした。

「おやき」「こやき」を買えるところ

「JAタウン 全農長野 僕らはおいしい応援団」で購入ができます。

おやきセット
こやきセット
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ヤマグチ

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