そのカフェは、南アルプスの麓、斜面に張り付くように存在する集落にあります。名前は「木楽茶屋(きらくちゃや)」。千葉から移住した店主さんが、この地の魅力を発信したいと頑張るカフェです。
桜の時期にも訪れたい絶景スポット
木楽茶屋のある長野県伊那市黒河内(旧長谷村)は、南アルプスの甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳の登山口に位置しています。11軒のみからなる集落で、この先に民家はありません。店主さんは、ご主人と登った仙丈ヶ岳の麓に広がる長谷の自然に魅せられて、この地に17年前に移住。桜の大樹が枝を伸ばす民家をカフェに変身させました。
カフェの大きな窓からは、目前に桜の木、眼下に黒川、その先に幾重もの山々という絶景が広がります。「まるで屏風絵のようでしょう」と笑う店主さん。確かに、窓枠と景色が一体化して屏風のようで、さぞかし桜が満開の頃は見事なことでしょう。標高1,000mのこの地では、例年4月下旬が桜の見頃だそうです。急な斜面に根付いた桜の管理はどうしているかと尋ねると「お店のお客様に樹木医の方がいて、その方にご指導いただいています」と店主さんは教えてくれました。
この場所ならではのカフェメニューを堪能
カフェのフードメニューは、長谷地区にある美和ダムをモチーフにした「美和ダムカレー」、関西風の「おかんのうどん」、特製バターライスのついた「ミネストローネ」、フレッシュトマトソースの「オムライス」の4種類。ダムカレーは全国各地にあって、日本ダムカレー協会のサイトでも木楽茶屋の美和ダムカレーが紹介されています。
珈琲は、南アルプスの軟水を使用し、専門店で修行をした店主さんがていねいに淹れてくれます。
スイーツは、さまざまな種類が選べるワッフルがおすすめ。プレーン、抹茶、珈琲、ココア、アールグレイ、セサミ、アオサのり、七味の8種類があります。外はサックリ、中はフワッとした食感で、2枚組なので1枚ずつ別の種類が選べます。生クリームやルバーブジャム、はちみつなどをつけていただきます。そのほか、香ばしい珈琲と甘い小豆のハーモニーが楽しめる珈琲善哉(ぜんざい)などがあります。
食材を通して地元の魅力を発信
「ワッフルに使っている七味は、地元の長谷中学校の生徒さんが育てた内藤唐辛子を使っています」と話す店主さん。全国学校給食甲子園で、2018年(第13回)大会優秀賞に輝いた長谷中学校の取り組みを応援したい、発信したいと考えています。「できるだけ食材は長谷のものを使いたい」と話す店主さん。長谷の魅力を体験できる木楽茶屋を、一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
- 長野県伊那市長谷黒河内2217
- TEL 090-1694-2084
- 営業時間 10:00〜17:00(冬期11:00〜15:00)
- 定休日 火・水曜日
■公共交通機関でのアクセス
JR「伊那駅」から高遠線「高遠駅」下車。「高遠駅」から長谷循環バスに乗り換え、「仙流荘」下車、徒歩30分