そのカフェは、上伊那郡辰野町の谷筋の集落にある築130年の古民家を改修して誕生しました。名前は「あずかぼ」。冬至などに食べる小豆カボチャから名付けました。
空き古民家が生まれ変わったカフェ
隣町の塩尻市で「自由なお菓子工房」を営んでいた店主さんが、このカフェをオープンさせたのは去年(2017年)の4月。辰野町の空き家リノベーションイベントで、のべ250人の手で、古民家がカフェに生まれ変わったのです。その様子は、店内のアルバムやWebサイト「信州辰野町移住・定住応援サイトたつの暮らし(空き家DIY改修事例)」でも知ることができます。
入り口の戸を開けると、広い土間を生かしたエントランスがあり、靴を脱いで上がります。正面のショーケースから、お菓子やパンのテイクアウトをすることもできます。カフェスペースは、梁は残したまま天井を取り除いて吹き抜けにしてあり、2階の窓からの光も店内に入るようになっています。
「食べ物と身体は繋がっている」
「穀物や野菜中心の食生活をする人の間で、健康食として知られる小豆カボチャの名前をカフェの名前にしました」と話す店主さんは、自ら食物アレルギーだった経験から、牛乳や卵、バターを使わず、植物性の材料を使ったランチやお菓子、パンを作ります。
カフェのランチメニューは、一日10食程度限定のあずかぼランチプレート。野菜を中心にしたおかずに、玄米ごはんかピザを選びます。食べ物と身体は繋がっているから、使う材料や調味料もできる限りこだわって選ぶ、という店主さんの料理が並ぶヘルシーなランチです。
週末には、特製インド風カレーのプレートも登場します。スパイスのブレンドにもこだわった野菜カレーが食欲をそそります。
どちらのランチにも、野菜のスープが付きます。
ランチに合わせて注文できる珈琲は、ブレンドと穀物珈琲から選び、ミニスイーツも付きます。
カフェメニューは、珈琲のほか紅茶、自家製ジュースなど。自家製ジュースは、梅ジュースやジンジャーエールがあります。スイーツは「今日のおやつ」。この日は辰野町産の米粉のワッフルでした。表面はカリッとして中はモチモチの食感で、とてもおいしいおやつでした。
もちろん、ショーケースに並んだお菓子を店内で楽しむこともできます。
できることから暮らしを豊かに
あずかぼの店内には「種の引き出し」というコーナーがあり、野菜の種などが無料で交換できるようになっています。作物を育てて種をとり、また誰かがその種を蒔いて育てることを、店主さんは大切だと考えています。
心と身体にやさしい時間を過ごしに、「あずかぼ」を訪ねてみてはいかがでしょうか。
- 長野県上伊那郡辰野町上島758
- TEL 090-1203-1006
- 営業時間 11:30〜17:00
- 定休日 月・火・水曜日(月曜祝日の場合は営業)
- 冬期(1月中旬〜3月中旬)休業
■公共交通機関でのアクセス
JR中央本線(辰野支線)「信濃川島」駅から徒歩15分。