「おらほ」とは、「私たち」もしくは「私たちの地域」という意味の言葉です。信州各地の郷土食を探るシリーズ・"伝える おらほの味"。第16回目になる今回は、飯山市で江戸時代から作り伝えられているジャガイモを使った料理"いもなます"を紹介します。
飯山市といえば、日本有数の豪雪地帯としても有名です。今年は例年以上に降雪が多く、道路の雪の壁も高くそびえていました。
そんな飯山市を含む北信濃は"みゆき野"ともいわれます。その名の由来は、美雪(美しい雪)、深雪(深い雪)などがあり、昔から生活において雪と関わりが深い地域とされていたことにあるようです。※文末には冊子プレゼントのお知らせがあります!
今回の"いもなます"を作ってくださったのは、飯山市太田地区の今清水嘉子さんと飯山市外様地区の服部恒美さんです。
"いもなます"は、江戸時代から冠婚葬祭などのハレの料理として、作り伝えられた料理でしたが、今では、ジャガイモのある時期にはどこの家庭でも手軽に作る家庭料理の定番となっています。
「"いもなます"が、ハレの料理だったのは、ジャガイモ本来が持つ成分である澱粉を取り除いて、手間暇かけて作る贅沢な料理だったからでは」と、今清水さんは教えてくれました。
いもなます 作り方
4人分の材料
・ジャガイモ(男爵いもが最適)中2個 ・砂糖大さじ4 ・油大さじ3 ・酢大さじ3 ・塩小さじ1/2
●まず、ジャガイモは皮をむき、細い千切りにします。
「ジャガイモの細い千切りをつくるには、まずジャガイモを輪切りにするのがポイント。そのためにスライサーを使うと便利だよ」と服部さん。
水を張ったボールを用意し、水を替えながら最低2時間以上、千切りにしたジャガイモをさらして澱粉を取り除きます。
「さらす時間が長ければ長いほど、出来上がりのシャキシャキ感がしっかり残るんだよ」と言う今清水さんは、料理する半日前から水にさらすとのこと。
さらしたジャガイモは、ザルにとってしっかり水を切ります。
鍋に油を入れて熱し、ジャガイモを入れて全体に油が回ったら酢を入れ、さっと混ぜた後、砂糖、塩の順に加え、中火で水分がなくなるまで炒めて出来上がり。
シャッキシャキ!新しいジャガイモの美味しさ
出来上がりの"いもなます"をいただきました。シャキシャキ感に酢が利いて、ジャガイモと言われなければわからない食感を味わえる、とてもおいしい"いもなます"です。
「シャキシャキ感を楽しむためのポイントは、男爵いもを使うことと、酢を入れるタイミングを間違えないこと」と、お二人からの頼もしいアドバイスもありました。
簡単にでき、ちょっと不思議なジャガイモの食感を楽しめる"いもなます"。野菜の種類が少ないこの時季ですが、手軽に手に入るジャガイモを使って作ってみませんか。
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次回も「伝える おらほの味」をおたのしみに!(内容は未定)