乾燥させたお餅を油で揚げて手作りの"あられ"を作ることは、少し前まで家庭で普通に行われていたのですが、今ではあまり見かけなくなってしまいましたね。
ところが最近、塩尻市洗馬(せば)のお母さんたちが作った手作りのあられが大人気なのだと耳にしました。昔から伝わる作り方にちょっと手を加え、地域の方々に大変喜ばれているようなのです。他にも魅力的な加工品をいくつも作っているとのことで、早速お話を伺いに訪ねてまいりました。
ナガイモ入り!が、洗馬オリジナル。
長野県のほぼ中央部に位置する塩尻市洗馬地区はレタスの産地として有名で、広々としたレタス畑が続いています。ここにあるスーパー、Aコープ アピスせば店は、地域の皆さんの暮らしに密着したお店で、JAの直売所も併設されています。店内には地元で採れた新鮮な農産物がたくさん並んでいるほか、女性部の農産加工グループの皆さんが作っている加工品も大人気なのだそうです。
冒頭でも紹介した"あられ"は桃の節句に向けて、3月半ばに販売が始まりました。と言うと、おいおい、桃の節句だって?雛祭りはもう今月(3月)の頭に終わったんじゃ・・・、なんてツッコミが聞こえてきそうですが、信州では、お正月以外の節句を月遅れ(1ヶ月遅れ)で行うことが多いのです。桃の節句は4月3日頃、端午の節句は6月5日頃、七夕は8月7日頃・・・、といった具合です。
このあられ、一番の特徴は、ナガイモが入っていることなんです。肥沃な洗馬地区では、レタス以外にも沢山の野菜・果物が栽培されていて、ナガイモも特産品のひとつです。この地元のナガイモを餅の中に練りこむという工夫によって、昔から伝えられてきたものとはまた一味違うあられが出来上がりました。ナガイモのおかげでとてもサクサクとして軽いあられに仕上がっています。食感だけでなく、ナガイモは消化を助けるのでお腹にも軽く、どんどん手が出てしまう逸品。もちろん、お餅のもち米も洗馬産です。
「お餅であられを作るっていう昔からの知恵を無駄にしないで、それでいて私たち独自のものを作ろうと思ったんだよ」とグループのメンバーは話します。こうしてナガイモ入りのお餅を細かくして乾燥させたものが真空パックされ、販売されています。自宅でお餅を乾燥させるところからあられを作るとなると大変ですが、揚げる前の状態の商品が手に入れば、簡単に揚げたてのあられが食べられるというわけです。昔ながらの味を楽しめるとあって、これが地域で大好評だとか。
洗馬産の農産物で作られた垂涎の加工品
あられの他に大注目の商品は昨年から始めたという「りんごとにんじんのジュース」です。このジュースの原料は、洗馬で生産されるりんごとにんじんの中からどうしても出てしまう"はねだし品"。形が悪いなど、規格に合わないだけで味はおいしいりんごとにんじんを無駄にしたくないという想いから、飯田市の加工会社に委託してミックスジュースを作って販売したところ、これがあっという間に売り切れてしまったのだそうです。「りんごジュースならどこでもやってるけど、りんごとにんじんのミックスジュースはちょっと珍しいでしょ?色もきれいだし、健康にもいいから、ためしに作ってみたらすぐに売れちゃったのよ」とみんな嬉しそうです。
ということで、残念ながら今年の分はもうありません。m(_ _)m 来年の2月をめどにまた生産するとのことですが、今回の大好評をうけ、生産量を増やすことを検討しているそうです。紹介した責任もありますので、販売開始の情報が入りましたら、おいしい食べ方でご紹介いたします!!
JA洗馬女性部の農産加工グループではこの他にも、とってもご飯が進むニンニク味噌(もちろん洗馬産のニンニクを使用)なども作っています。
あられ、ニンニク味噌は現在もAコープ アピスせば店で手に入ります。
信州まで足を伸ばせないけれど気になる!!という方は、アピスせばまでお問い合わせください。
Aコープ アピスせば店
電話:0263-54-2302
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