長野県南部の伊那地方の名物に「ローメン」という独特の麺料理があります。およそ50年ほど前に伊那市内の中華料理店「萬里」の店主が開発したもので、以来、伊那の人々に愛され、郷土料理としてすっかり定着しています。
ローメンをメニューに掲げるお店などで構成するローメンズクラブの加盟店舗だけで28店舗あり、加盟店舗以外のお店も数えると90〜100店舗ほどあるのではないかという情報もあります。
先週の新・信州暦でもお知らせしたように、6月4日はローメンの日として日本記念日協会に認定されています。この日、ローメンズクラブに加盟している全店舗で、通常価格より割引した400円という価格でローメンが提供されました。
ローメンは羊肉と蒸した麺を使うのが特徴。スープの入ったスープ風ローメンと、スープのない焼きそば風ローメンがあります。でも焼きそばでもなければラーメンでもありません。ローメンはローメン。味付けや具は、お店によって異なり、それぞれのお店でそれぞれの味が楽しめます。
ローメンを家庭でも食べようではないか
さて、このローメン、お店で食べるほかに自宅でも食べられるおみやげ用があるのをご存じですか? スープ風、ソース焼きそば風、カレー味などいくつかの商品が出ており、今回購入してきたものは、伊那観光協会の伊那市みやげの推奨品になっている写真の商品。有限会社かねまん製「いなローメン」特製むし麺・肉入りスープ付、2人前、袋入、600円。ローメン発祥の店、「萬里」の味を再現したもののようです。伊那市内のA・コープなどスーパーほかで普通に販売しています。今回はこの家庭用ローメンを作り、その味をみなさんにレポートしてみましょう。
作り方はほんとうに簡単
袋の中身を空けてみるとスープと蒸した乾麺が入っています。スープには羊肉(マトン)があらかじめ入っています。そして、作り方はいたって簡単。鍋にスープと麺、水を入れ、キャベツなどの具を投入。あとはふたをして数分、蒸し煮すれば完成です。
お皿に盛り付けて、さぁ、食べましょう!
今回、具にはキャベツとモヤシを少々使いましたが、玉ねぎやしいたけを使ってもおいしいとのこと。食べる際にはソースをかけて頂きます。お好みで酢、ゴマ油、七味などをかけてもいけてるのです。
くせになる味がいとおしくなる
早速、食べてみると、麺はプチっと噛み切れる独特の食感。味はというと、いわゆるクセになる味といえますね。必ずしも万人に受けるというよりは、ハマる人はハマってしまう味というやつ。
「ふとした瞬間に食べたくなる」「今日はどうしてもローメンが食べたい!」という日が、ときどき思い出したように訪れる。そんな人々が伊那中に増え、新たな郷土料理としての地位を確立してきたのかもしれません。
ローメンを食べて伊那谷を思う
このおみやげ用ローメンは伊那地方のスーパーやおみやげ品店、高速道路のサービスエリアなどで販売していますが、こうした商品を使わなくても家庭で作れるローメンのレシピが、伊那商工会議所内のページで紹介されていました。図版は伊那のローメン界のアイドルとされる伊那出身のキャラクター、ウマカロー。
伊那までなかなか行く機会がないが、ご当地グルメには興味があるという方は、是非一度チャレンジしてみてはいかがですか。感想の報告をお待ちします。
関連サイト:
伊那商工会議所ローメンのページ
有限会社かねまんホームページ
参考記事:
ローメンが投稿された2008年2月の「デジカメでおいしい長野県を写そう!」記事