おー、うまそう! いまにも香ばしい香りが漂ってきそうな餃子ではありませんか。熱々をガブッとほおばれば、なかはジューシーで、しかも、むむ、独特の歯ごたえのしめじくんが入っているではありませんか。
なに、しめじ? 餃子にしめじだって? とおっしゃいますか? はいそうなんです、今日は南信州は伊那市内の飲食店がつくる"手づくり餃子愛好会"の「地元産しめじ」を使った手づくり餃子のご紹介させてください。
しめじ入り伊那谷餃子誕生秘話
餃子の消費拡大で地域の飲食店を活性化しようという旗印のもと、手づくり餃子愛好会が発足したのは2004年のこと。現在、伊那市内の10店舗が加盟し、各店がそれぞれに手づくりの味を追求しています。
この手作り餃子愛好会とJA上伊那がコラボレーションしたのが翌2005年。伊那らしい地元の食材を使った餃子を作ろうという会の発案に対し、JAは上伊那特産の「Superやまびこしめじ」を使ってはどうかと提案。これが"しめじ入り伊那谷餃子"誕生のきっかけとなりました。その後、伊那商工会議所の商工祭やJA祭でこの特製餃子がお披露目し、試食した人たちからことのほか好評を得たのです。
伊那では毎月22日が餃子の日
現在、会加盟の10店舗のうち2〜3店舗で常時販売するほか、会が定めた"餃子の日感謝デー"(毎月22日)に販売しているお店もあるとか。味は各店舗ごとに微妙に異なり、しめじを使うこと以外はそれぞれのお店の手づくりの味が楽しめます。また、会ではしめじの生産現場を見学するなど、生産者との交流も大切にしています。
でありますからして「これは食べずにいられまい」と、とるものもとりあえずお邪魔したのが、伊那市のラーメンの名店「北から来たよ!」さんです。「北海道ラーメンを伊那へ」を目標に作られた知る人ぞ知るラーメン店。テーブルにつく早々に、しめじ入り餃子一人前を注文し、はふはふとあつあつを食べながら、店長の小林弘太(こばやしこうた)さんにお話をうかがいました。
しめじをおいしく食べるには
小林店長によれば「北から来たよ!」では、味を決めるに当たって、まず第一に「しめじをおいしく食べるにはどうすれば良いか」から考えたそうです。
そこでまず、しめじによく合うバターで炒めてから他の具材と混ぜるようにしたとか。また、中に入れるしめじの大きさは、大きすぎるとカサがはみだしてしまうし、小さすぎるとしめじなのかなになのかわからなくなってしまうしと、完成に至るまでには試行錯誤が続きました。
そうした苦労の末、ようやくできあがったしめじ入り餃子ですが、しかし売り出した当初はまったく注文がなかったそうです。
一度食べるとクセになる味
「最初はぜんぜん出なかったのですが、クセになる味らしく、一度食べた人がもう一度食べに来てくれたり、健康志向の人がしめじ入りを選んでくれたりと少しずつ量が出るようになりました」と小林店長。
また、伊那商工会議所の小出勇(こいでいさむ)さんによりますと、JA祭に出店したときには、しめじの食べられない子どもが「これなら食べられる」と買っていったこともあったそうです。
「北から来たよ!」のしめじ入り餃子は、一皿5個入りで336円。小林店長は、「今後も色々な地元食材を使って上伊那ならではの餃子を作っていきたい」と抱負を話してくれました。
伊那谷餃子が無料で食べられる日はもうすぐ
さて、ここで、このしめじ入り伊那谷餃子が、なんと無料で食べられるチャンスがあるという聞き捨てならないお知らせを。今週の3月18日(日)に開かれる春の高校伊那駅伝がそのチャンス! この駅伝開催に合わせて、手づくり餃子愛好会が、伊那谷餃子の無料配布を行います。
会場はJR飯田線伊那北駅近くの伊那北地域活性化センター"きたっせ"周辺。機会があればぜひおこしを! "しめじ入り伊那谷餃子"という赤いのぼりが目印です。お近くの方や駅伝を見に行かれる方はぜひこののぼりを探してみてください! 無料配布は午後2時開始で数量がなくなり次第終了です。
北から来たよ!
住所:長野県伊那市大字伊那部5214 オレンジスクウェア1階
電話:0265−74−6037
営業時間:午前11時〜午後2時、午後5時〜午後9時30分
日曜祭日は午前11時〜午後3時、午後5時〜午後9時
定休日:火曜日