ねずみ年にねずみ大根の焼酎が誕生しました

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大きさおよそ15センチほどの小ぶりな大根。直径が5ー6センチ。長野県坂城町の特産品で薬味専用の辛味大根の一種の「ねずみ大根」。その名のとおり、ねずみ型でお尻がふっくらとして、細い根のしっぽがひょろりと伸びています。かわいいですね。

愛され守られてきた辛味大根
辛味の強い大根で、おろしても汁気があまり出てきません。一説には江戸時代に長崎から伝来し、薬として年貢の代わりに献上されていたとも云われるほど、古くから地域の人々が愛し大切に守り、『おしぼりうどん』の食文化とともに受け継がれたきた伝統野菜なのです。食べる時はなるほどピリッと思いっきり辛いけれど、その辛さは不思議と後に残りません。

坂城町や同町振興公社が、この地域の宝である辛味大根の存在を広く知らしめようと、かねてから試作を繰り返し、試行錯誤の末このほどようやく完成したのが『ねずみ大根焼酎』です。やや辛口で清涼感があって、口当たりがよいということで、女性たちにも好評というかつてなかった焼酎を紹介しさせてください。

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「あまもっくら」な大根
ねずみ大根といえば、おしぼりうどん。大根をおろしてしぼった「しぼり汁」をつけ汁にし、からめていただくうどんです。ねずみ大根をおろしたしぼり汁は激辛なのですが、しかしただ単に辛いのではなく、地元の人が「あまもっくら」と表現するように、辛さの中に甘みとうまみが隠れています。

そうした深い味わいが長年にわたって地元で愛されてきた「ねずみ大根」ですが規格外のねずみ大根は、これまで消費に回されずに処分されていました。このねずみ大根を使って、町の新しい特産品ができないかということで、ねずみ大根を原料とした焼酎「ねずみ大根焼酎」の開発がすすめられました。

たくさんの人に愛されますように
最初の試作では、原料(ねずみ大根)が多かったせいか、大根のにおいが強く、万人受けする味ではなかったようです。しかし2回目の試作では、濃度を少し薄くし、ほのかに大根の香りが漂う、辛口で、すっきりとした焼酎が出来あがりました。

ねずみ大根本来の強烈な辛味は、発酵させる前に大根を蒸すので、なくなっています。大根がほのかに香るロックや水割りで楽しんだり、より香りを楽しめるお湯割りもおすすめ。この焼酎をいただいたあとで「おしぼりうどん」でしめるのもよいかもしれません。

「ねずみ大根が焼酎に変わってうれしい。多くの方に愛され、浸透していってほしい。作りがいがあるし、生産意欲にもつながります」

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ねずみ大根を栽培して40年になる坂城町ねずみ大根振興協議会会長の成澤明雄さん(写真)はうれしそうに話してくれました。開発に携わった坂城町役場の小河原さんも、

「地元のものを使っているので間違いのない商品です。地元の皆さんに地元の味を知っていただき愛されてもらえればうれしい。まずは飲んで味を知ってほしいですね」と自慢そう。

ねずみ大根焼酎は4月に発売です
坂城町ねずみ大根振興協議会が作った400キロのねずみ大根を使い、県内の酒造会社に委託して720ミリリットル入り2000本(アルコール度数25度)が製造されました。ボトルのラベルには、デザイナーに依頼し、大きく「ね」の字に『信州さかき・ねずみ大根 伝承大根焼酎』と書かれています。

このねずみ大根焼酎は、3月の下旬にお披露目され、4月ごろには同町内の日帰り温泉施設「びんぐしの里公園・湯さん館」で発売される予定です。

さらに坂城町では、大根の風味を強めた辛口や、長野新幹線の工事用トンネルを利用してじっくりと熟成させた焼酎の開発も進めていきたいと意欲をみせています。

arrow2.gif 「びんぐしの里公園・湯さん館」ウェブサイト

ねずみ大根焼酎お問い合わせは:

坂城町役場 産業振興課
長野県埴科郡坂城町大字坂城10050番地
電話 0268−82−3111

1204038000000

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