「3月が獅子のごとく訪れたなら、3月は子羊のごとく去っていく。だが3月が子羊のごとく訪れた時は、3月は獅子のごとく去っていくだろう」という言い伝えが欧米にはあるそうです。みなさんの暮らす土地では3月はどのようにやってきましたか? ライオンのような風が吹きましたか?
例年より寒く、雪も多かった寒い2月も終わりました。ここ長野市では今日は午後から冬が勢力を盛り返して雪になるという予想が出ていますが、3月に入ってからの長野県は、道の脇や日陰に雪が残るものの、日中はおおむね平年をうわまわる暖かな温度で、ここのところ心なしか春の訪れを予感させます。
3日は「ひな祭り」でした。旧暦の3月3日である来月の8日ぐらいまでの1ヶ月ほど、信州では、各地で伝統的な行事やお雛様が飾られ穏やかな顔が見る人の心をなごませてくれています。長野市松代町にある象山(ぞうざん)神社では、地域の子どもたちが折り紙で作ったひな人形を小川に流し無病息災を祈る「流しびな」が行なわれました。そのほか信州では、「松本市の押絵びな」や「南佐久郡北相木村の家難祓(かなんばれ)」「中野のひな市」などが知られています。
春の訪れを感じさせてくれる福寿草がつぼみをつけはじめました。松本市四賀地区の「福寿草まつり」がはじまり、約50万株が群生する同地区赤怒田福寿草公園の斜面に黄色いかわいらしい、つぼみが広がっています。現在は五分から六分ほどで、見ごろは中旬以降になりそうです。辰野町沢底でも、福寿草が楽しめます。
そうそう、多少気が早い感はありますが、春の楽しみといえばやはりお花見。桜はまだまだですが、千曲市のあんずまつり実行委員会は、あんずの里の「あんずまつり」の花見の日程を、4月3日から18日までの16日間と決めました。会場では、ライトアップなどの演出がされアンズの花を楽しんでもらいます。毎年、県内外から約20万人がやってくるお花見を「あんずブログ」で今からときどきチェックしてみてください。
今月の11日は、リンゴの聖者といわれ、アメリカ合衆国にリンゴの種をまいてまわった伝説のジョニー・アプルシード(本名「ジョン・チャプマン」)の命日。これで思い出しましたが、みんなが大好きなリンゴを「マイ・アップル・ツリー」として、「家族のリンゴの木」としてそだてることができる「リンゴの木のオーナー募集」が、信州安曇野の三郷村では早くもこの3月1日からスタートしています。昨年のオーナー体験者が1200人を超えた人気のオーナー制度。登録はお早めに。詳細は「三郷村りんごの木のオーナー2008」のページにて。
暖かな春を待ち望むりんごやぶどうの果樹農家は、剪定(せんてい)した枝の片付け作業を行なっています。今週の記事にもありますように、松代町ではナガイモの春掘りが盛んに行なわれています。またハウス内では、春取りのレタスベイビーたちがすくすくと育っています。
春ももうすぐですね。信州で冬を過ごすために訪れていたツグミやマガモやハクチョウなど冬鳥たちの北へ帰る渡りもそろそろはじまります。
●今日5日は二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」。暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」とあります。冬眠をしていた虫たちが穴から出てくるという意味だそうです。江戸の天保時代にできた永代大雑書萬暦大成という暦には「立春の日には土の中でもごもご程度にしか動かなかった虫たちが陽気に誘われて地を開いて出てくる」と書かれていました。また大空であたりをにらみつけている鷹も、ものみな育つ春の陽気に誘われて穏和なはとのようになるとも記されています。長野市では今日、昼は11時間33分、夜は12時間27分。計算ではこの昼と夜の時間が逆転するのは12日後の17日です。伊那谷に春の訪れを告げる勇壮な祭りである初午はだか祭り(はつうまはだかまつり)が飯田市時又の長石寺(ちょうせきじ)でおこなわれ、白い馬の神馬の御輿などが天竜川に入って禊ぎがおこなわれるのはその前日の16日。
8日は新月。国際婦人デー。女性という存在を祝福し、男性と等しい権利を得るまでにかかった長い年月に思いを馳せる日。この日、これも春の祭りである桐原わら駒祭り(きりはらわらこままつり)が長野市の桐原牧神社で。わら駒は「龍馬」を形どったもので「神駒」とよばれています。翌9日は語呂合わせから「サンキューの日」。もうひとつ語呂合わせから「佐久ケーキ記念日」。なぜかこれが全国的に有名で、多くの暦に載っている。美味しいケーキ屋さんがたくさんある町として一部で有名な佐久市の信州佐久ケーキ職人の会が制定したもので、いうまでもなく「さ(3)く(9)」の語呂合せ。\(^O^)/
10日の日曜日は農山漁村女性の日。農林漁業(一次産業)就業者の60%を占めていた農村や漁村の女性たちの地位や役割の向上、積極的な社会参加をめざして1988年(昭和63年)に農林水産省が制定したものです。なぜ3月10日なのかというと、女性が持つ3つの能力(知恵、技、経験)をトータル(10)に発揮してもらいたいとの願いがこめられているからだとか。またこの日はアメリカでは、「時計の針を1時間早める日(デイライト・セイビング・タイムの開始日)」とされていて、真夜中の午前2時が「午前3時」に一斉に切り替わります。この夏時間は、11月の最初の日曜日の午前2時までつづきます。こういう全国的なイベントがあるのもいいかもしれませんね。北半球の冬も、ようやく終わるのですから。
長野県の冬の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより