農家レストランのフランス料理を召しあがれ

kamomiru4.jpg花とハーブの里である長野県は安曇野の池田町に、代表的なハーブであるカモミール(日本名「カミツレ」)を名前にした農家のおかあさんたちの運営するフレンチ・レストラン『ビストロ・カモミール』があります。お手軽な値段でなかなかのフレンチが堪能できるこの農家レストランのランチ時におじゃましました。

土地のものを食べてもらうフランス料理
若い女性や主婦グループなどが、思い思いにテーブルを囲んでいます。地物の食材を使った家庭的なフランス料理に舌鼓を打つ人たち。弾む会話、店内には笑い声が響きます。

この農家レストランを運営するのは、池田町の女性農業者で作る池田町農産物加工組合「カモミールの会」(片瀬敦子代表、48人)のレストラン担当者7人。町でとれるハーブをはじめに、豊富な農畜産物を使った地産地消の料理を売り物にしています。

chamomile_menu.jpg
「黒豚のオリジナルソーセージと冬野菜のポトフ」にんじん・ジャガイモ・玉ねぎ・大根など、大きくゴロゴロと入っています。合鴨からとったというスープのだしが野菜たちによくしみこんで、素材の味をいかしたとってもやさしい味。そして、黒豚のオリジナルソーセージも、とてもジューシー。心も体も温まる一品です。

メニューは、池田町産黒豚の角煮やソーセージ、自慢のハーブをふんだんに使った野菜サラダ、コシヒカリ・そば粉・紫米から選べる生パスタ、そば粉のクレープ、ニジマス漬け丼、とれたて野菜のスパイスカレーなどなど、じつに盛りだくさん。県産りんごで造ったシードルやワイン、デザートもあります。

花とハーブの里のフレンチ・レストラン
レストランがオープンしたのは昨年の6月。オープンするまでに、計画から実現まで、じつに10年(!)もの月日がかかりました。

chamomile_front.jpg「池田町の食材を使った加工品を作りたいね」惣菜や漬け物、味噌加工などの活動はしていたものの、やはり「ちゃんとした加工施設がほしい、すぐに食べてもらえるレストランをつくりたい」「池田町をもっと知ってもらいたいし、町のためになにか出来ることは・・・」10年ごしの願いがかなって、ようやく昨年オープンにこぎつけることができたといいます。

「10年は長かったけれど、あきらめないでよかった」と片瀬さん(上写真左)。「みんな前向きで、町のために何かしたいという思いがあったからこそですね」

食事にいらっしゃいませんか
農家レストランといえば、お母さんの味・ふるさとの味を提供しているところが多いのですが、池田町は北アルプスに抱かれた花とハーブの里であること、それまで町になかった料理の店として多くの人に注目してもらうためにも「フランス料理」のレストランに決めたのだそうです。県内外の視察や昨年の春から専門家の調理指導を受けて料理の特訓を重ね、町役場の若手職員たちに試食してもらうなど試行錯誤を繰り返し、念願のレストランがオープンとなったのです。

「最初はお金をいただくレベルではなかったんですよ」と片瀬さんは苦笑い。仕込みに時間をかけること、オリジナリティーを加えること、接客態度など、一から学んだといいます。「なんとか形にはなりました。町全体が注目しているので、もっともっと勉強をして期待に応えられるようになりたいと思っています」

kamomiru3.jpg地元の人にも喜びを
レストランの隣の「エルブいけだ」(売店)では、地粉を使ったパンやケーキ、地元産の大豆を使ったテンペ味噌、おやき、漬け物などを販売しています。こちらはカモミールの会のパン担当者8名の地元のお母さんたちが運営しています。まずは地元の人たちに喜んで食べてもらえるようにと、朝早くからパンやおやきなどを焼いています。

「エルブいけだ」のおすすめの人気商品をいくつかご紹介しましょう。ひとつめはシフォンケーキ。特にハーブのシフォンケーキ(写真)は、バジル、ローズマリー、タイムなど池田町のハーブがたっぷり。すぐに売り切れてしまうほどの人気商品です。

kamomiru5.jpg

ふたつめがチーズ・ゴマ入りフランスパン。地粉100%。生地の目が詰まっていて目方があるので腹もちがいいとか。添加物がないので日持ちはしません。

みっつめはやはりおやき。見た目ずっしり! 皮からおいしい地粉とコシヒカリの皮。焼き目が香ばしく中味は季節ごとに変わります。今の季節、野沢菜とおから、切干し大根がメインです。

店内では、用意されたハーブ茶とともにこれらの商品を食べることができます。「焼き上がりのにおいがしてくるとドキドキしますね。出来上がりを見ると感動します」地粉を使ったパンは、町内の保育園のおやつや養護学校の食事ようにも出しているそうです。

おいしかったの声が励みに
「施設ができるまでの10年は長かったけれど、おいしかったというひと言で苦労も忘れてしまいますね。とにかくみんな本気です。働くことにいっしょうけんめいです。企業として成り立っていけるよう、また、池田町の情報発信源としても頑張ります」と片瀬さんは笑顔で話してくださいました。

ビストロ・カモミール、エルブいけだ(売店)

電話 0261−85−7663
営業時間 ビストロ・カモミール
10:00−17:00
(4月からは18:00まで) chamomile.jpg
ランチタイム 11:00−14:00
夜は予約のみ(5名さまより)

エルブいけだ(売店)
9:00−17:00
(4月からは18:00まで)

*12月〜2月までは毎週木曜日が定休日
1200409200000

関連記事

お腹もココロも満腹!「走る農家レストラン」体験記
グルメ・カフェ

お腹もココロも満腹!「走る農家レストラン」体験記

農家レストラン「吉笑楽」でそば三昧
グルメ・カフェ

農家レストラン「吉笑楽」でそば三昧

松本駅ビルに信州アルプス市場がオープン!
お出かけスポット

松本駅ビルに信州アルプス市場がオープン!

夏休みに親子で行こう!安曇野のおいしい美術館
お出かけスポット

夏休みに親子で行こう!安曇野のおいしい美術館

新着記事