上伊那郡中川村に農家レストラン「吉笑楽(きっしょうらく)」が誕生しました。村内できのこを生産する榑沢吉男(くれさわよしお)さんが、きのこ栽培の傍らはじめたもので、手打ちそばを中心に自家生産のしめじや地域の食材を活用した料理を提供し、心のオアシスとして静かな人気を呼んでいます。
レストランの開店は、そばがきを食べて育った榑沢さんのそば好きが高じたもの。メニューはそばづくしのお任せセットで、昼、夜ともに3日前からの完全予約制です。セットはざるそばをメインにそば粉をまぶして揚げたしめじの揚げ物やそばせんべい、そばすいとんなどに加え、家で食べている味噌むすびや、漬物、煮物など7〜11品の盛りだくさんな内容です。
雲海のなかで育つそばの味
榑沢さんは11年前からそば打ちをはじめ、友人たちに振る舞ったり、ボランティアとして小学校や施設などで打つそばが大好評となったそうです。出身地の下伊那郡大鹿村産のそば粉にこだわり、標高1000メートルで栽培されたそば粉を使います。雲海の中で育つそばは、花に露がつくことで甘味が増すといい、食べた時に鼻に抜ける細やかなそばの香りは最高。水は、水道水を鉱石の中を通し、軟水にして使用します。この水はきのこの栽培にも使用しているそうです。
ゆっくりしにおいでよ
「吉笑楽」の建物は、古民家を改装し、昔の家をイメージした純和風の作り。囲炉裏や火鉢などの古道具を置き、食事を楽しむ演出にも工夫を凝らしています。榑沢さんは「日本の食生活は豊かだが、情報化時代でみんな忙しい。ここへ来て楽しみながら食事をして、ゆっくり休んでいってほしい」と話しています。
「吉笑楽」には、しずくとなって落ちる水の音を楽しむ「水琴窟」もあり、ゆったりとした時間を満喫できます。
農家レストラン「吉笑楽」
住所:長野県上伊那郡中川村葛島931−1
電話:0265−88−3623(予約はこちらから)