たまごたまごたまご、たまごが大好きな人へ

たまご

たまご・・・と言っても、いろんな「たまご」があります。人類が一番最初に食べた「たまご」は「ダチョウのたまご」で、それは500万年も前のことだったろうと推測されていますが、今回紹介するのはダチョウではなく、ニワトリさんのたまご。いわゆる「鶏卵」です。栄養食品の頂点に君臨するといわれるほど、あらゆる栄養素がギュッと詰まっているたまご。おそらく毎日1個は必ず食べるときめている方も多いことでしょう。目玉焼き、卵焼き、オムレツ、スクランブルエッグ、生卵ご飯などなど・・・あなたはどのように食べています?

 

ふんわり、とろ〜り、黄色に輝く柔らかなたまご料理を、口いっぱいに頬張ると、幸せな気分になりませんか。わたしたちの生活にかくも身近なたまごですが、御先祖さまたちが食べるようになったのは、江戸時代頃かららしいです。ニワトリそのものは紀元前100年頃に朝鮮半島から伝わりましたが、日本は伝来仏教の影響で肉食を禁忌する風習があり、1500年以上の長きにわたってニワトリが産むたまごもなかなか食用とされなかったのです。生命のカプセルである卵を宇宙や地球に見立てて、これを食べるのは悪とする考え方まで生まれて、卵に対する信仰心や食べることに対する恐怖心(罰があたる)があったようです。

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意外に知らないたまご食の歴史
まごについてあらゆる観点から教えてくれるたまご大好き人間によるたまご好きのための「たまご博物館[高木伸一館長]」というインターネットの世界では有名なウェブサイトの「たまごの食の歴史」を読むと、たまごは江戸時代に入ってようやく一般的に食べられるようにもなったと書かれています。

 

ようやく、というか、やっとというか、卵に対する信仰心や恐怖心も薄れてきたようで、街中を天秤棒の桶に卵を載せて「たまあーご、たまあーご」という売り声で街中を売り歩く「たまご売り」(行商)も現れたようですし、この頃には、たまご料理も色々作られるようになり、江戸時代の天明5年(1785年)には「万宝料理秘密箱」(まんぽうりょうりひみつばこ)という有名な料理本も出版されました。この本は、そのなかの「卵之部」(たまごのぶ)にある、めずらしいたまご料理の記載部分を掲載した「卵百珍」(たまごひゃくちん)で有名です。「卵百珍」では、103種類ものたまご料理が紹介されていて、黄身と白身がひっくり返ったゆでたまごである「黄身返しのたまご」は、その中でも特に有名な料理だとか。ぜひ、たまごの謎に迫りたいたまご大好きな方は、たまご博物館へ訪れてみてください。

斉藤さん

ニワトリとつきあいはじめて40年
長野県内でも、鶏卵生産者はたくさんおられますが、今回は、今年で70歳を迎えられる長野市坂中の斉藤義信さん(写真左)を訪ねました。

 

早朝にはコケコッコーの大合唱がはじまるという鶏舎の戸を開けると、鶏たちが一斉に飛び出してきました。白や茶色や、またニワトリとは思えないほど色鮮やかな鶏もいてびっくりです! 烏骨鶏(うこっけい)も3羽いました。白い小ぶりの、頭がふさふさとしている鶏です。話をうかがうと、普通のニワトリは1年に300〜330個産むのですが、烏骨鶏は1年に60個しか産まないのだそうです。春先に集中して産み、この寒い時期には産まないのです。だから烏骨鶏のたまごって貴重なのですよね。

斉藤さんは鶏を飼いはじめて40年。現在は30羽ほど飼っています。鶏がいい卵を産むのは1年目の約300日。それを過ぎると徐々に産卵率が悪くなっていくので、毎年10羽は更新しているとか。2年目3年目の鶏は産む回数は少なくなりますが、畑で放し飼いにしておくと、草をとって(食べて)くれたり、また、鶏の糞が肥料の代わりをしてくれるのだそうです。まさに一石二鳥ですね。

にわとり

幸せとは毎日食べる新しいたまごのこと
朝6時に起きて、えさや水を与えることが日課。「いい運動になるし、毎日新しいたまごを食べられるのがなによりうれしい」と斉藤さん。近所でも定期的に買い求めてくださる方がいて「新鮮! おいしい!」と評判です。

 

収穫が多いときはJAの直売所へも出すこともあります。もともと動物(生き物)を飼うのが大好きな斉藤さんは、現在もフナや錦鯉を飼っています。斉藤さんは言います。「癒しだね、ストレス解消さ」

よく、黄身の色が黄色くて濃いものの方がおいしいのかな? 新鮮なのかしら? って感じることがありますが、真偽のほどを斉藤さんに尋ねると、それは「エサによって違ってくる」とのお答え。雑草とか野菜の葉っぱをたくさん食べたとか、黄色の色を濃くするためには、パプリカや黄色とうもろこしなど食べさせたりするようです。つまり黄身の色は直接栄養価には関係ないようなのです。どうもありがとうございました。

スイーツ

たまご一筋50年のたまご屋さんへ
ぎのたまごの取材先は、さあ、お待たせしました。長野県内で新鮮なたまごのおいしさを存分に味わえるこだわりのお店をご紹介させてください。諏訪市の国道20号線沿いにある「なとりさんちの たまごや工房」です。

 

たまご一筋50年の「(有)名取鶏卵」が、専門店ならではの極上卵を使ったスイーツとオムライスの店を、「なとりさんちの たまごや工房」として平成15年10月にオープン。おしゃれで明るい雰囲気のお店で、産地直送の新鮮卵、シュークリーム、プリンなど提供してくれています。

お菓子やオムライスは店内でゆっくりと食べることができるし、卵にまつわる雑貨やちょっと珍しい置物などがたくさんあります。とにかく鮮度にこだわり、たまごは八ヶ岳農場からの直送で、その日採卵した産みたてホヤホヤのたまごを販売しています。お菓子も鮮度にこだわりシュークリームの皮は1時間ごとに焼き、注文をもらってからクリームを詰めるので、焼きたてサクサクの味が楽しめるのです。

ハーブづくしのたまご

こんなたまごがあっただなんて!
 そこで、取材にかこつけて(♪)行ってきましたよ、さっそく。たまごの甘〜い香りが漂う店内で、まず、いきなり目に止まったのは、「煌めき」というたまご。「キラメキ」と読みます。これはなんと6種類ものハーブ(ナツメグ・マリーゴールド・ガーリック・パプリカ・シナモン・タイム)で育てられたニワトリさんが産む贅沢なたまごなのです。

 

たまごの臭みがおさえられ、たまごアレルギーの原因と考えられる動物性タンパクを一切与えず、植物性タンパク飼料のみで育てた若鶏(180〜450日齢)のたまごなので、お子様にも安心なのだそうです。これはぜひ、生食で、たまごかけご飯で、食べていただきたいとイチオシ。

店内には「たまごごはん専用しょうゆ」なんていう目が吸いつけられてしまうものもありました。これ、たまごご飯が3倍おいしくなる夢のようなしょうゆなんですと! 朝の忙しい時間の食卓にもこれさえあればおいしく食べることができますね。他にも「きみと一緒」なんていう黄身が二つ入っているたまごとか、ニワトリが初めて産んだたまごは縁起物として人気があるそうです。

スイーツのテイストはたまごがきめる
そこで、気になるスイーツはというと、人気はシュークリームとかすたぁぷりん。ハーブづくしのたまごの味がギュッと詰まった、濃厚な味。シューの焼きたてサクサクの皮もたまりません。なんというか、月並みですが一度食べたら忘れられない美味しさでした。

オムライス

あの、オムライスもください
まあ、せっかくだからここはやはりオムライスもと、一番人気の「デミグラスソースのせ」をいただきました。こちらもハーブづくしたまごを使った、ふわっトロの半熟に仕上げているオムライス。割るとなかは、\(^O^)/ とろとろたまごのとろける美味しさ。たまご本来の味を生かしたとっても上品な味。あっという間に完食してしまいました。おいおい、大丈夫かなぁ・・・こんなに食べて。おなかが苦しい、ちょっと欲張りすぎてしまいました。

 

たまごや工房店長

オムレツを食べに来てください
「鮮度のよさが一番の売りです。たまご屋らしさを出していきたいし、たまごのよさがわかるメニューを出していきたい」と有限会社名取鶏卵専務の名取剛(なとりごう)さんと、たまごや工房の店長を務める弟の寛(ひろし)さんは口を揃えて言います。ランチタイムに手際よくオムレツを焼いている店長に、家庭でオムレツを上手に作るコツを聞いてみたところ「強火で、手早く」とのお答えをいただきました。

 

とにかく機会を見つけてぜひ「なとりさんちの たまごや工房」へお出かけください。たまごの美味しさ、そしてたのしさが、きっとわかりますから。

■なとりさんちの たまごや工房
住所 長野県諏訪市四賀神戸2939−1
電話 0266−53−1231
営業時間 午前10:00〜午後6:00
定休日 火曜日
mail  info@tamagoya-koubou.com
1171983600000

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