安曇野インターから車で3分のところにある、JAあづみ直売所「安曇野スイス村ハイジの里」の隣では、8月になるときれいなヒマワリ畑が見られます。
こちらの畑は、特定非営利活動法人JAあづみ くらしの助け合いネットワークあんしん(以後「NPOあんしん」)の「菜の花プロジェクト安曇野」(以後「菜の花プロジェクト」)のメンバーが管理しています。「菜の花? ヒマワリじゃないの?」と思いますよね。「菜の花プロジェクト」は安曇野の耕作放棄地を黄色にしよう! と耕作放棄地で菜の花を栽培したことから始まりました。現在では連作障害を防ぐために、菜の花とヒマワリで輪作しています。それぞれの花から種を収穫し、菜種油とヒマワリ油を搾ってJAあづみ管内の小学校に寄付したり直売所で販売したりしています。
JAあづみ管内の小学校の給食センターに菜種油・ヒマワリ油を贈呈する様子。油を手渡しているのはプロジェクトのリーダー・細萱さん(手前)写真提供:菜の花プロジェクト安曇野
種子を焙煎して搾った無添加オイル
やってきたのは9月。「菜の花プロジェクト」のひまわり畑にお邪魔するとヒマワリに何やら白いものがかけられています。
「ヒマワリの種は鳥の大好物。食べられないようにヒマワリ一つひとつに袋をかけるの」と教えてくれたのは「菜の花プロジェクト」のリーダー・細萱富子(ほそがや・とみこ)さん。
ヒマワリ油は美容や健康に効果的だとして、最近注目を集めています。一体どんな味がするのでしょうか。
「おいしいよ! すごくおいしい。香ばしくて、味と香りがすごく"濃い"」
おいしさの秘訣は油の製法だそうです。油の搾油・精油は信州黒姫高原ファミリーファームぶんぶく亭(長野県信濃町)に委託しています。一般的な植物油は食品添加物を加えて、種子から油を抽出することが多いそうですが、こちらでは、種子を焙煎して搾油・精油しています。
撮影:信州黒姫高原ファミリーファームぶんぶく亭
完成したヒマワリ油
この方法だと、抽出するよりも収量は落ちますが味と香りが濃く、おいしい油になります。しかも、食品添加物を加えていないので食物アレルギーが出がちな小さなお子様でも安心して食べられるそうです。
「おいしい油が食べたいから!」
菜の花プロジェクトは今年で16年目です。
長く続けられる秘訣は何でしょうか。
「おいしい油が食べたいから! 市販では味わえないから自分達でつくるの」
加工したヒマワリ油と菜種油は小学校に寄付したり、「菜の花プロジェクト」メンバーが購入したり、直売所で販売したりしています。生産できる数は限られるので、確実に油をゲットするにはプロジェクトメンバーになるしかないのですね。
農作業の後は皆でお茶会をして談笑するのが楽しみだそうです。
和気あいあいとしていて楽しい雰囲気でした。
気になった方は「菜の花プロジェクト」に参加してみてはいかがですか?
■「菜の花プロジェクト安曇野」お問い合わせ先
特定非営利活動法人 JAあづみ くらしの助け合いネットワーク あんしん
長野県安曇野市豊科南穂高2728-1
TEL 0263-71-2828
FAX 0263-88-2802
■ヒマワリ油と菜種油の販売先
JAあづみ直売所 安曇野スイス村ハイジの里