毎年1月14・15日に開催される五穀豊穣・商売繁盛を願う伝統行事「小布施の安市」に行ってきました。だるまや福飴などの縁起物や、食べものの屋台が立ち並ぶなか、目指したのは2日目の1月15日に行われる「火渡りの神事」です。
町民が一体となって盛り上げる伝統行事
安市2日目だったので、だるま市のだるまさんは少なめ
小布施の安市は、栗と北斎で有名な県北部の小布施町で開催され、松本のあめ市、上田の八日堂縁日とならび、長野県下の三大市のひとつに数えられています。江戸初期に開かれた「六斎市」という市を引き継ぐ伝統行事で、だるまや熊手などの縁起物を買い求めようと、県北部一帯からたくさんの人々が訪れ、大にぎわい。伝統行事が土日に集約される昨今ですが、小布施の安市は、現在でも小正月にあたる1月14・15日に開催され続けています。町の学校も安市に合わせて休校となるため、平日にもかかわらず、たくさんの子どもたちもお祭りを楽しんでいました。
みんなの健康と平和を祈って
今回の目的は、無病息災を願って行われる「火渡りの神事」を観ること。会場は、天照大御神を祀ってある皇大神社の境内。前日の夜に行われた「だるまのお焚き上げ」の炎が大切に残されていました。火渡りの神事の前、「千駄焚き護摩行」で使われるそうです。
時間になると声明や鐘の音とともに行者たちが揃いました。先ほどの炎を松明に移し、点火。
天高く燃え盛る薪の周りで真言を唱えます。「千駄焚き護摩行」です。
行者さんだけではなく、町の代表の方も祈祷を行っていました
炎から5mほど離れたところに造られた柵の外にいましたが、肌が出ていた顔は「焼けてる!?」と思うほど熱かったです。柵の中で護摩行に携わっていた皆さんは、もっと熱かったことでしょう!
希望すれば、あなたも火渡りができます
火が弱まったところで、火渡りの行事の準備が進められました。
小さくなったとはいえ、まだ火の残る炭火の上を、祭壇に向かって行者の皆さんが次々に歩いていきます。
驚いたのは、行者さん以外も火の上を歩けるということ。小布施町長をはじめ、警察や消防、商工会、地区の役員さんなどが、次々に火の上を歩いていきます。「希望の方はどうぞ」というアナウンスもあり、性別を問わず、たくさんの一般の方が体験していました。町内の方に聞いてみたところ「熱いんだけど、我慢できるぐらい」らしいです。体験した人にしかわからない「熱さ」です。
小布施町長・市村良三さんが炭火の上を渡ります
今回は火の上を歩く勇気がありませんでしたが、私もいつかは挑戦してみたいと思います。一度火渡りをやってみたい、という方がいたら、ぜひ小布施町へどうぞ!
本殿隣では「高砂の舞」を奉納。巫女を務めるのは地元の小学生でした
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小布施町観光協会