今年(2016年)の十五夜は9月15日です。十五夜は中秋の名月とも呼ばれ、一年の中でもっとも姿形が美しい月と絶賛されていますが、旧暦の8月15日に行われてきた月の行事であることをご存じですか。ちょっと調べてみたところ、旧暦は月の満ち欠けと太陽の周期を組み合わせた暦。今、日本で使っているのは新暦で、太陽の周期を基準にした太陽暦です。新暦と旧暦にはズレが生じていて、今年の十五夜(満月)は9月15日ですが、2015年は9月27日、2017年は10月4日なのです。
月を愛でる十五夜は、秋の収穫に感謝するとともにこの先の豊作を祈り、満月にちなんだ丸い月見だんごや芋・栗・大豆などの秋の収穫物、稲穂に見立てたススキや秋の七草(萩、葛、藤袴、女郎花、尾花、撫子、桔梗)をお供えするのです。
十五夜の月見だんごといえば、満月のようなまん丸のだんご。イラストのように三宝(三方)に白い紙(奉書紙)を乗せ、その上にだんごを並べたものを想像する方も多いのではないでしょうか。お供えするだんごの数も、その年の満月の出た数の12個(年によっては13個)をお供えする、十五夜だから15個をお供えする、という二つの説があるようです。昔は月の満ち欠けから暦をつくり、農業が行われていたので、満月の数も詳しく知られていたことが、このことからもうかがえます。
我が家では月見だんごをお供えする習慣はありませんが、長野県の南部に位置する伊那市には、十五夜にお供えする餅「おからこ」があるそうです。生のもち米をつぶし、卵形に丸めたもの。月にお供えしたら、すぐ食べられる月見だんごとはちょっと違います。詳細は、関連記事「伝える・おらほの味 おからこは十五夜のため」をご覧ください。
昔から新月や満月には不思議な力があると言われています。十五夜には、月を愛でながら、お供えものをいただき、月のパワーを頂戴してはどうでしょうか。
写真は、お彼岸にはちょっと早いですが「おはぎ」を手づくりしたもの。トップの画像は、家の周辺に咲いていた野花を飾ったもの。季節のある土地に感謝です。(さくら)