「飲む点滴」という言葉とともにブームを迎えた甘酒。この4年間で3倍も消費量が伸びています(市場調査会社インテージ調べ)。
今回は、「第1回長野県甘酒鑑評会」が行われたとのことで、取材を行いました。発酵食好き編集部員が選んだ長野県の甘酒4品もご紹介します!
「甘酒鑑評会」ってなんだろう?
写真提供:しあわせ信州食品開発センター
長野県では、県産甘酒の品質向上と技術の研さんを目的に、2018年11月に甘酒鑑評会審査会を開催し、県知事賞ほか入賞者を決定しました。長野県は味噌製造メーカー数全国1位、酒蔵数全国2位など、麹を扱う企業がたくさんあることから、県内の40社以上から出品がありました。鑑評会では県外を含めた48種類について、色・味・香り・のどごしで評価しました。
写真提供:しあわせ信州食品開発センター
甘酒鑑評会・審査結果(出品総数:48点)
【長野県知事賞 5点】
北安醸造株式会社、株式会社よしのや、株式会社豊島屋、丸昌稲垣株式会社、マルコメ株式会社
【名誉審査長賞 2点】
(名誉審査長 全国発酵のまちづくりネットワーク協議会 会長 小泉武夫氏)
平甚酒店(千葉県神崎町)、さるはみブランド委員会(福岡県北九州市)
鑑評会事務局でもある「しあわせ信州食品開発センター」の斉藤敦さんにお話をお聞きしました。
「実際に48種類の甘酒を飲み比べしてみて感動したのは、それぞれに味の違いがあることでした。甘酒の健康・美容効果がうたわれていますが、実際の効果を科学的に明らかにしていくことの必要性も感じています。今回のデータを技術改善などに役立てることで、甘酒人気を一過性のものに終わらせないようにしたいと思います」
写真提供:しあわせ信州食品開発センター
同月17日に開催された「全国発酵食品サミット in NAGANO 」では、鑑評会で選ばれた上位5点の中からグランプリを決定しました。来場者によるテイスティング投票は「好きな甘酒に一票を入れる」という方法で行われました。見事グランプリに選ばれたのは、すっきりした甘さの北安醸造、準グランプリはしっかりした甘さのよしのやでした。それぞれに特徴がある味わいで、消費者の皆さんの好みの幅を感じるものとなりました。今回投票したほとんどが40~60代の方だったとのことです。
全国発酵食品サミット in NAGANO 来場者テイスティング投票結果
【グランプリ】北安醸造株式会社
【準グランプリ】株式会社よしのや
甘酒4種を飲みくらべ
実際の味は? ということで、第1回長野県甘酒鑑評会県知事賞から2品、酒蔵から1品、味噌蔵から1品、合計4品を編集部員が飲みくらべてみました。
左から、よしのや、信州銘醸、北安醸造、マルモ青木味噌醤油醸造場
メーカーによってこうも違うのか、というほどさまざまな味わいがあり、驚きました。昔ながらの濃厚な甘酒もおいしいのですが、さらっとした飲み心地のものは、甘酒が苦手な方にも好まれそうだな、と思いました。皆さんもお気に入りの甘酒を見つけてみてくださいね。
健康や美容の強い味方!甘酒の魅力
甘酒の魅力をまとめてみました。
●麹菌のはたらきで体内に吸収されやすい糖に変化しているうえ、天然のビタミンやアミノ酸が豊富に含まれます。
●食物繊維と腸内環境を改善する酵素がたっぷり。ダイエットや美肌が気になる方に人気です。
●麹の糖は飲んですぐに吸収されやすく、脳の栄養源となります。仕事や勉強に疲れたときにおすすめです。
●酒という名前がついているもののアルコールは含まれておらず、妊婦さんもお子さんも安心して飲めます。
●そのまま飲むだけでなく、牛乳で割る、レモン汁を加える、ヨーグルトのトッピングするなど、お好みのアレンジで楽しめます。
長野県では、昔からある酒、味噌、醤油、漬物などの伝統食品に加えて、最近はワインやクラフトビール、チーズの製造も盛んになってきました。「長寿県 長野」の食文化を支える発酵食品、まずは甘酒から楽しんでみませんか?