霊峰の雪室でただいま旨酒熟成中

戸隠雪中酒

米どころの長野県、北から南まで酒蔵がたくさんあります。
長野県で育ったおいしいお米と清らかな水から造り出される日本酒は格別です。
なかでも、県北部の戸隠地区(長野市)では「戸隠雪中酒」なるものを生産・販売しております。

神社境内に雪室誕生

やって来たのは長野市にあります戸隠神社中社。訪れた1月上旬には、年始より降った雪がたくさん積もっていました。同じ長野市内と言っても平地では積もっていませんが、山間地ともなると15cmほど積もっています。

「雪中酒」とは、読んで字のごとく「雪の中の酒=雪の中で発酵し熟成した日本酒」のことを指します。ここ、戸隠地区では戸隠イヤー(長野市合併の年、2007年)より毎年雪中酒を生産しています。

戸隠雪中酒

戸隠雪中酒に携わるのは、「若緑」で有名な長野市の造り酒屋・今井酒造店さんと、「戸隠つちの子会」のみなさん(戸隠観光協会で募集した有志の方々約15名ほど)です。
作業を始めるにあたり、安全に作業を終えられるように、また、お酒がおいしくなるように、と願いを込めてご祈祷を受けます。見上げると今にも屋根から落ちそうな雪が・・・。

戸隠雪中酒

「落雪に十分注意して、おいしいお酒を造りましょう!」のかけ声で作業開始!
雪の上に土台を作り、水平になるように雪で調整したら、その上に酒瓶が入ったケースをどんどん乗せていきます。

戸隠雪中酒

土台を水平にする

戸隠雪中酒

お酒のケースを積む

今回埋めるのは一升瓶と四合瓶あわせて2500本。雪の降る中、力強く手際よくチームプレーで作業を進めていきます。

戸隠雪中酒

シートを被せて縛る

戸隠雪中酒

雪をかぶせる

そばとお米は希少な焼酎の原料に

埋蔵するのはお酒だけではありません。戸隠で採れたそばとお米も一緒に埋蔵します。そばやお米は掘り出したあと、佐久市内の酒蔵でそば焼酎「玄-くろ-」に醸造されます。毎年400本ほどしか生産されない、とても希少な焼酎なのです(取材はまたの機会に)。

戸隠雪中酒

戸隠雪中酒

かまくらの中に入ると外気が閉ざされる分、暖かく感じますよね。お酒も雪に囲まれることで"かまくら状態"になります。また、雪の中は0℃・湿度100%とお酒が発酵するのに最高の環境なので、一定の温かさでゆっくりゆっくり熟成することにより甘くなり、日本酒の旨みが出てくるのだそう。

春の再開が楽しみ♪

戸隠雪中酒

戸隠雪中酒

作業を終えて、今年の出来栄えを味見♪
「昨年より辛い、おいしい」とのご感想。純米らしさを残しつつ造ったと言います。
雪に埋蔵される期間は3カ月。冬眠をしているようで発酵活動をしている雪中酒は、4月上旬に掘り出される予定です。掘り出すところにも立ち会えたらと思います。
戸隠神社で神のご加護を受けて熟成する、神聖なる日本酒。出来栄えを楽しめるのはもう少し先になりそうです。

戸隠雪中酒

戸隠観光協会

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ジャスミン

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