ソースかつ丼、ローメン、山賊焼き・・・
皆さまご存じの通り、長野県には多くのご当地B級グルメがあり、その場所場所で独特の文化を持っています。
今回は、将来「定番ご当地グルメ」として定着するかもしれない(?)、長野県の珍味をいくつかご紹介いたします。長野県にはこんな「おいしい食べ方」もあるんだ、ということを知っていただければと思います。
脂肪が少なくヘルシー!
上田市の「馬鹿バーガー」
上田道と川の駅おとぎの里
まず、やってきたのは、上田市の「上田 道と川の駅おとぎの里」。
こちらの出店にご注目ください。
「ん? 馬鹿バーガー!?!?」
いいえ、ご安心ください。バカバーガーではなく、「うましか」バーガーです。
読んで字のごとく、馬と鹿の合びき肉のハンバーグを挟んでいます。
県内で駆除された鹿の肉を活用し、馬肉に親しむ信州の食文化もあわせて発信しようと、今年から販売を開始したそうです。
長野県では野生鳥獣による農産物被害も多く、フランス料理の食材としてジビエ等が最近注目されていますが、こちらのB級グルメも有効な活用方法と言えるでしょう。
大馬鹿バーガー
実は、具材のレタスやパン生地の米粉も地元産。まさにまるごと「地産地消」バーガーなのです。
早速、お肉150gのボリュームたっぷり「大馬鹿バーガー」を食べてみました。
食べてみると、意外にもくせがなく、まろやかで柔らかい食感。
馬肉とあわせることで鹿肉のくせが解消され、まろやかになるとのこと。開発のきっかけは、焼肉をしていた際に、たまたま思いついた、とのことです。
肉厚の馬鹿肉
野生動物の肉は脂肪分が少なくヘルシー! そのうえ、くせもなく食べやすいこちらのハンバーガーは、女性にもおすすめです。
販売は土・日曜、祝日。1日あたりの販売数に限りがありますのでお気を付けください。
衝撃的なソフトクリーム!?
諏訪の「バッタソフト」「うなぎサンデー」
次にやってきたのは、諏訪地方。
諏訪湖のほとりに位置する「諏訪湖観光汽船売店」では、衝撃的なソフトクリームが販売されています。
こちら、ソフトクリームにささっているものは何でしょうか・・・?
正解は、「イナゴ」です。
イナゴは、バッタの仲間で正真正銘の昆虫。信州珍味として有名なイナゴの佃煮は、稲作の邪魔者になるイナゴを大発生する前に捕獲して甘辛く煮付けたもの。米などの穀物では摂りきれないタンパク質やカルシウムを確保する目的で、よく食べられていました。
こちらの売店では、「バッタソフト」として1個400円で販売されています。
もう1品、同じ売店で販売されているこちらのソフトクリームは何でしょう。
ぱっと見、チョコレートクリームにチョコスティックがささったアイスかと思いますが、こちらもビックリ! 15禁の「うなぎサンデー」、そう、うなぎ味のソフトクリームです。
かかっているのはうなぎのタレ。そしてうなぎの骨と頭が刺さっています。
15禁の理由は・・・「うなぎは大人の味だから」とのこと(笑)。
「バッタソフト」「うなぎサンデー」ともに、一見相反する二つの味をブレンドした、まさに想像不可能なニュースタイルの組み合わせ。ソフトクリームの甘さと、イナゴ・うなぎの香ばしさのコラボレーションに、はまる人ははまってしまうかも知れません。
温泉とセットで楽しみたい
ほっこりできるヤギ乳製品
さて、最後にソフトクリームつながりでもう1品紹介をいたします。
やってきたのは信州最南端の下伊那郡売木村。人口わずか650人、村面積の88%を森林が占める、自然豊かでのどかな村です。
この村で、ヤギを育てている後藤宝(たから)さんが、温泉施設「こまどり湯」の駐車場前にある「やぎママキッチン」で、ヤギの乳を使ったソフトクリームや瓶入りミルクを開発、販売しています。
さっそく後藤さんにヤギソフトをいただくと・・・。においはまったくせず、味もさっぱりしてとても食べやすい味です。実は、ヤギの乳は牛乳に比べ、母乳(人乳)に近い成分でオリゴ糖が多く含まれているほか、脂肪分が少なく消化吸収がよい特徴をもっています。
ヤギソフトを差し出す後藤さん
後藤さんは、近くの公共牧場でヤギを飼育しており、村内の耕作放棄地解消に向け、出張放牧に活用しているそうです。以前、当ブログでも紹介をさせていただきましたが、ヤギはあまり手もかからず、除草もしてくれるので農家にも大人気なのです。
「おいしいヤギ乳の味を多くの人に知ってもらい、村の活性化につなげたい」。後藤さんはこう意気込みます。
「やぎママキッチン」の営業は、土・日曜、祝日のみですが、夏休みシーズンの7月末~8月は毎日開けているそうです。
売店横でヤギも飼育しています
近くには、温泉施設「こまどりの湯」のほか、農産物直売所や、宿泊もできる農家ゲストハウスもあり、1日ゆっくりできる場所になっておりますので、ぜひ夏休みにおでかけください!
以上、3品、少し変わった長野県の「おいしい食べ方」をご紹介いたしましたが、気になったご当地グルメはあったでしょうか。
多くの珍味があふれる長野県。その魅力は、当ブログを通じ随時お伝えをしていきたいと思います。