信州ご当地ソフトクリームの旅 後篇

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信州の農産物を味わう「ご当地ソフトクリームの旅」!
前回に引き続き今回は、県北部と東部(北信・東信地区)を巡ります。
肌を撫でる風もだいぶ涼しく感じるこの頃。爽やかな風に吹かれて、信州の農産物たっぷりのご当地ソフトを味わってください。


雪の下で自然の甘みが熟成!
スノーキャロットのソフトクリーム

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やってきたのは県北部の飯山市。ゴールデンウィークの頃ともなれば、ゆるやかに流れる千曲川のほとり一面は黄色のじゅうたんになって、菜の花畑が広がる光景に心も癒されます。この川に並行して走る国道117号線沿いにある道の駅「花の駅 千曲川」内にあるソフトが、目にも鮮やかなオレンジ色の、その名も「"スノーキャロット"のソフトクリーム」。

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「な〜んだニンジンのアイスか・・・」と、くるりと背を向けた方も、まずはひと口食べてみてください。雪の下でひと冬寝かせておいた豪雪地帯ならではのこのスノーキャロットは、ニンジン特有の臭いが無いばかりか不思議と良い香りで、素材の甘みと、少しだけ酸味が加わっているのでしょうか、さっぱりした食べ易さ。
このソフトクリームの味が気に入り、そのままのスノーキャロットを味わってみたいと思う方もいるはず。ならば春またこの場所で! 併設の直売所で購入することができます。
それにしても、スノーキャロットの繊細な味、その美味しさを上手くお伝えできないのが残念です・・・。

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「スノーキャロットはニンジンを超えた存在だ」

漬物に続き信州を代表する味に!?
野沢菜のソフトクリーム

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お次は、飯山市の隣にある下高井郡野沢温泉村へ。村内には自然湧出の源泉が点在し、外湯巡りも13箇所で楽しめます。フラフラと風の吹くまま気のむくまま、下駄を鳴らして路地を歩いてみれば、ひょっこり温泉に出くわすかもしれません。

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そして、この地で忘れてはならないのが信州の漬け物ナンバー1! お茶やご飯のお供に欠かせない"野沢菜漬け"です。野沢菜漬けはこの野沢温泉が発祥地。村に湧き出る温泉で野沢菜を茹でると、甘味が増して格別の美味しさです。

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野沢温泉の台所「麻釜」
※「麻釜(おがま)」は村民以外立ち入り禁止です。
一般の方はミニ温泉広場「ゆらり」をご利用ください。

この温泉街で食べられるのは、野沢菜発祥の地ならではの「野沢菜のソフトクリーム」です(野沢菜漬けのソフトクリームではありません)。菜っ葉が練り込まれた淡いグリーン色のソフトクリーム。九十九折(つづらおり)の温泉巡り、ほてった体のクールダウンにどうぞ。

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「野沢菜と温泉が素敵においしく出会う現場へ」

濃厚なクリームに絶妙なアクセント
みそソフトクリーム

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大豆や米がつくられる大地であり、さらに長野県の気候がそれをつくるのに適していたことから生まれた特産品といえば"信州味噌"。その特徴は、淡色辛口のすっきりしたタイプの米味噌です。現在日本で生産・消費されている約4割がこの信州味噌で、日本一の生産を占めているのがこの長野県。

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その信州におけるシンボルが、その昔「遠くとも一度は詣れ 善光寺」とよまれた善光寺。この善光寺の仁王門をくぐってすぐの仲見世通りでいただけるのが、「みそソフトクリーム」です。

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「味噌とソフトクリームのコラボってどうなの?」と、ものは試しとひと口頬張れば、ほんのりと味噌の風味がして、甘さとしょっぱさが溶け合った、意外に(!?)イケるソフトクリームです。販売は「すや亀」にて。

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戸隠の参道をにぎやかす甘味
そばソフトクリーム

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長野市まで訪れたならば是非とも足を伸ばしていただきたいのが、長野市街地から車で約40分ほどの長野市戸隠。天岩戸伝説が残るこの場所の、神社奥社へと導く参道には、樹齢400年といわれる300本もの杉並木が。その光景には、自然の偉大さを感じずにはいられません。夏でも下界とは別世界の涼しさで、この冷涼な気候を利用して作られる特産といえば、"戸隠そば"。傾斜が多く米が作られる場所も限られる戸隠で、米がとれない、痩せた土地でも育つそばは救済作物として作られ、多くの人々の餓えをしのいできたといわれます。ちなみに、戸隠そばが知られるようになったのは、戸隠神社へ詣でる信者にそばを振舞ったのが今に伝えられているからだとか。

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そばの花

さて、そんな戸隠で人気なのは「そばソフトクリーム」です。そば粉の薄いグレーがかった色の、香り、味わい共にそばを感じられる一品です。

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栗菓子の老舗の味を食べ比べ
栗のソフトクリーム

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長野市からほど近く、町としては県内で一番小さな面積ながらも、全国各地から大勢の人が訪れる上高井郡小布施町。落ち着きある趣きのこの街は散策も楽しく、また"オープンガーデン"として民家の庭が開放され、訪れた人が気軽にそのお宅の庭を見学できるのも小布施ならではの楽しみのひとつでしょう。
そんな小布施町の特産品といえば"栗"。その昔、江戸時代には将軍家へ献上するほどの銘品とされ、将軍様もご寵愛された小布施の栗。町内にはたくさんの栗の樹が植わり、また栗の木のレンガを敷き詰めた「栗の小径」が心を和ませてくれます。

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町内では栗を使った商品を製造・販売する老舗が軒を連ね、そこで作られるソフトクリームといえば「栗のソフトクリーム」。栗の粒入りや、栗あんがクリームに練りこまれているもの等々、いろいろな栗のソフトクリームがありますから食べ比べをしてみるのも楽しいでしょう。

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香ばしいクルミの食感が楽しい
くるみソフトクリーム

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さて次は、東御市(とうみし)へ。戦国時代に真田氏によって築かれた城下町・上田市の隣りに位置します。
20130904gelato20.jpg浅間山の眺望を楽しめる浅間サンライン沿いにある道の駅が「雷電(らいでん)くるみの里」。"雷電"は、この地に誕生し、江戸時代後期に活躍した相撲史上最強といわれる力士・雷電為右衛門(ためえもん)のこと。
そして、この地域の特産が、日本一の晴天率を味方につけて作られる巨峰のほかに、全国一の生産地とされている"クルミ"です。ということで、この道の駅では「くるみソフトクリーム」をどうぞ。ベージュのクルミ色で、クルミの粒々が入ってカリカリとした食感が楽しめるソフトクリームです。

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ちなみに、東御市がクルミの里になったのは、大正天皇の即位を記念してこの地の全戸にクルミの苗木が配られたことによるものだとか。秋には、それは長い棒でクルミを打ち落とす光景が見られますよ。

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「クルミの里でクルミを育てて、60年目の秋」

八ケ岳の搾りたて牛乳で作りました!
ヨーグルト&ソフトのソフトクリーム

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最後は、八ケ岳の麓にひろがる野辺山高原から。「太陽に一番近い野菜たち」とうたわれる野菜は、標高1,300メートル程の太陽にもっとも近い場所で育っています。さらにここには日本一標高の高い駅「野辺山高原駅」があるほか、小学校の標高の高さも日本一! なのです。

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そんな野辺山高原は、高原野菜の産地としてはもちろん、昔から酪農も盛ん。牛の餌にする牧草を包んだ袋に描かれた牛の絵のオブジェも、ちょっとユニークでしょ?
清々しい高原の空気の中で育つ牛たちからの恵み、栄養豊富なミルクを集約しているのが、株式会社ヤツレンです。そして、この敷地内で食べられるのが「ヨーグルト&ソフトのソフトクリーム」。じつはこれ、2層構造になっていて、上がジャージー牛乳の濃厚ソフトクリーム。そして、下に隠れているのが無糖タイプのヨーグルト。と、2つの味わいが楽しめるソフトクリームになっています。最初から甘さを中和させるように混ぜて食べるか、または、ソフトクリームを食べたあと、最後にヨーグルトをさっぱりといただくか――。その日の気分でお楽しみください♪

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「野辺山高原より新鮮な牛乳をお届けします」

2週にかけてお届けしました「信州ご当地ソフトクリームを巡る旅」。気になるひと品はありましたでしょうか? 県内各地にはまだまだ地元の農産物でつくられたソフトクリームがたくさんあります。また、ソフトクリームはもちろんですが、信州では野菜や果物、特産品など、山々に囲まれた地形や気候の変化を利用して四季折々、おいしいものがたくさん作られています。そして、それを育む風景も「信州ならではのご馳走」と言えます。長野県に訪れた際には、「あなたならではのおいしい長野県」を見つけていただけたら嬉しいです。

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