全国の愛好家が集合!希少な土人形の展示即売会

中野ひな市

北信州に春を呼ぶ「中野ひな市」が、3月31日・4月1日に開かれました。
雪深い北信州に、待ちわびていた春の訪れを告げる古くからの行事に、近在はもとより、県内外からもたくさんの人が訪れます。
土びなのファンにとっては、一年間待ちに待った特別な日でもあります。

江戸時代に起源を持つ「中野ひな市」

中野ひな市

二系統ある中野土人形のひとつ、西原家の作品「立ヶ花人形」

中野ひな市の始まりは、はっきりしません。
言い伝えでは、中野市の街で江戸時代に定期市が開かれていましたが、そこで「ひな人形」が売られたことが始まりといわれています。
中野市の定期市は、江戸初期に始まった「九斎市(くさいいち)」が起源で、月に9回の「市」が開かれていました。
(参考:中野ひな市公式ホームページ

中野ひな市

もうひとつの系統、奈良家の作品「中野人形」

中野ひな市

中野土人形(中野土びな)とは?

長野県は、昔から郷土玩具の宝庫といわれ、その土地の民間信仰、風習、行事などと結びついた手作りの素朴さで、人の心を打つそんな優れた玩具が数多く伝え続けられているが、その一つに中野市で作られている「中野土人形」がある。
土人形は、江戸中期から明治の初めにかけて農家の副業として全国各地に広められた。度重なる飢饉から農民の生活を守るための現金収入が得られるものとして、江戸時代末期、三河国田原藩に仕え農政改革に成果をあげた農学者 大蔵永常によって、伏見人形を模して作ることを特に奨励したのである。
中野土人形には、奈良家(中野市一本木)の作る京都伏見系のものと、西原家(中野市立ヶ花)の作る愛知三河系の二系統があり、両者を合わせて中野土人形と呼んでいる。
(引用:中野土人形研究家・小古井嘉幸『中野の土人形』)

年に一度の展示即売会に行ってみよう!

土びなファンのお目当ては、3月31日の展示即売会です。展示即売会といっても、会場に行ってその場で即お買い上げ、というわけにはいきません。
主催する信州中野商工会議所から、いくつかのお願いがあります。

(1) 中野土びなの購入を希望する人は、抽選会への参加が必要です。抽選で購入の権利と順番を決めます。参加は中学生以上です。
(2) その抽選会へ参加するためには、整理券が必要です。整理券配布時間内に必ず整理券を受け取ってください。

抽選会は中野陣屋・県庁記念館で行われます。もちろん抽選会場に行ってみました。

中野ひな市

中野陣屋・県庁記念館

展示即売会当日@中野陣屋・県庁記念館

中野ひな市

整理券を求め並ぶ行列の先頭

中野ひな市

長蛇の列

【午前9時30分 整理券配布】
午前9時30分から整理券が配布されるということで、9時前に会場へ駆けつけてみると、長蛇の列。先頭の人は、朝6時半位から並んでいるとのこと。
春を呼ぶといっても、あいにくの曇り空で、寒い日でした。参加者に声をかけてみると......。
「今年初めて来ました」
「4・5年前から毎年来ています。くじに当たる確率をあげるため、家族全員で並んでます」
「欲しい人形があるので、当たってほしい」
といった声が聞かれました。

中野ひな市

整理券を手にする参加者。まずはほっとひと息

【午前10時 抽選会】
当たりくじを引いた人は、くじに記入された時間に即売会場に入り、購入できます。
惜しくも当たらなかった人には、信州中野産のきのこがプレゼントされました。

中野ひな市

抽選会も大詰め

中野ひな市

当たりくじの人には取材が殺到!?

信州中野商工会議所によると、「今年は、奈良家と西原家の人形、計465点を展示しています。整理券を求めて並んだ人は660人です。みなさん購入権を決める抽選会に挑戦しました」とのこと。

中野ひな市が行われた2日間は、展示即売会のほかにも、中野陣屋前広場で「全国土人形即売会」や、温かい食べ物やお土産を用意した「ひな市フェア」、中野市街地70店舗の店先に各店所有の土びなを展示した「まちかど土びな展」などなど、多くのイベントが行われていました。

中野ひな市

即売会の前には同じ会場で展示会を開催。希少な土人形を観ることができる

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マロン

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