エノキタケ生産量日本一を誇る信州中野に、キノコのお菓子が誕生、との情報を入手しました。
キノコ+スイーツといったら、定番のあのお菓子が思い浮かんでしまいますが、いったいどんなお菓子なんでしょう??
さっそく気になるキノコに会いにいってきます!
北信濃に春を呼ぶ「中野ひな市」に新種キノコ発生?
中野土人形を求めて全国の愛好家がズラリ
土人形を代々伝える奈良家の作品
県北部の中野市はキノコや果樹の栽培が盛んな田園の街。江戸時代から続くと言われる土人形づくりの伝承者が暮らし、毎年早春に行われる「中野ひな市」では、この日限定で販売される中野土人形を買い求めて、全国から郷土玩具愛好家が集まります。ひな市の3月31日、土人形の展示即売をめがけて行列ができている中野陣屋広場に・・・、ありました! キノコの看板を発見です!
いざ、「信州ナカノノキノコ SWEETS(スイーツ)」の発売記念発表会の会場へ。信州中野の特産であるキノコと、そのキノコをふんだんに使った信州中野ならではの創作菓子を展示。試食と販売も行われました。
できたてほやほやの新作お菓子をズラリと並べたのは、市内の和洋菓子店と農産物加工施設の9店舗。研究会・試食会を重ね、試行錯誤の末に完成した焼き菓子やまんじゅう、アイスクリームなどが、オリジナルパッケージに包まれて22種類もそろい、たくさんの来場者で賑わいました。
かわいい。おいしい。身体にいい!
試食した方に感想を聞いてみました。
「キノコの形がかわいい。甘さ控えめなところも良かったです」
「身体に良いキノコがお菓子に入っているのがうれしい」
「最初はキノコの匂いが気になったけど、ナッツやチーズが入ったものもあっておいしかった!」
オリジナルの菓子型を使用した「きのこ味噌クッキー」(上)と「きのこと醤油のマドレーヌ」(共にパティスリーセルクル)
信州中野のお土産に、と実際に購入する方も多く、特に人気だったのは、各店舗のお菓子を詰め合せた限定セット(10個入り1300円)でした。購入した方は、キノコモチーフの包装紙に包まれたお菓子を大切そうに持ち帰っていました。
包装紙やキノコの金型をデザインしたのは、テキスタイルデザイナーの相子靖子さん。理想の制作環境を求めて、1年前に東京から中野市に移住しました。
「農家の方の冬の仕事としてエノキタケ栽培が始まった、というキノコ栽培の歴史や、信州を訪れて感じた自然の美しさなどを表現したいと思いました」と、相子さん。キノコ好きにとっては垂涎の的(まと)のキノコづくしのデザインですが、いままでキノコに興味がなかったという人にも「おしゃれ」「かわいい」と好評です。
シンボルデザイン(左)は、中野市で栽培されているキノコの歴史と、それをおいしいお菓子に変身させるパティシエの姿をイメージ。ロゴマークは、中野市のシンボルである高社山とそこに降る雪をイメージ。白い雪はエノキケのカサにも見立てた
キノコ産地・信州中野の魅力を発信
2016年2月に行われた試作発表会
きのこのお菓子を売り出そうというこのプロジェクトは、中野市に拠点をおく日本きのこマイスター協会や中野市、JA中野市、パティシエなどでつくる「信州中野きのこのお菓子振興プロジェクト会議」と「信州中野きのこのお菓子振興研究会」が中心になっています。
「信州ナカノノキノコ SWEETS」とは
・信州中野産のキノコを材料のひとつに使用
・使用量の基準は、キノコ粉末の場合は3%以上、えのき氷の場合は5%以上
・パッケージには、ブランドロゴマークを使用する
・「信州ナカノノキノコ SWEETS」のオリジナル菓子型を使用可能
オリジナル菓子型。マドレーヌやクッキーに
なぜキノコのお菓子が誕生したのでしょう? 日本きのこマイスター協会会長で、プロジェクトのリーダーを務める前澤憲雄さんにお話をうかがいました。
「低カロリーで食物繊維が豊富、カリウムやビタミンB、アミノ酸なども含まれるキノコは、健康長寿に欠かせない食材のひとつ。キノコ生産量日本一の信州中野だからこそ、生産者やパティシエ、デザイナーなどみんなで連携して、統一ブランドを発信したい。キノコを核に地域振興や六次産業化に貢献することを目指して取り組んでいます」(前澤さん)。
プロジェクトメンバーの皆さん(一部)。プロジェクトリーダーの前澤さんは「女性や若手の意見を大いに取り入れたい」とも
プロジェクトでは、今後も、新商品やキノコグッズなどの開発に取り組むとともに、市内の直売所などで詰め合わせセットを販売するなど、販路を広げていけるよう計画中です。
キノコを生産する人、販売する人、キノコを使ってお菓子を作る人、それをより魅力的にデザインして宣伝する人、職種を超えたさまざまな人たちがひとつのプロジェクトを進めるのは、実はとっても大変なこと。でも、キノコというひとつの素材で、「地域のためにがんばりたい」「おいしくて、身体にも心にもやさしいものを作りたい」という思いを共有したことで、実際にこのプロジェクトは動き出しました。これも、かわいくて、おいしくて、不思議、そして、身体にいい、キノコが持つパワーのひとつかもしれませんね。
信州のお土産にきのこのお菓子をどうぞ
「信州ナカノノキノコ SWEETS」は、プロジェクトに参加しているショップで購入することができます。
また、今週末の2016年4月23日(土)・24日(日)に初開催される「ナガノきのこ大祭2016」でも展示・販売されます。
キノコの魅力を「見て!食べて!愛する!」楽しいイベントです。きのこのお菓子が気になった方は、ぜひ遊びにいってみてくださいね。
■問合せ
信州中野きのこのお菓子振興プロジェクト会議
TEL 0269-38-0013(日本きのこマイスター協会)
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