ジューシーでパリパリ!ご当地チキン「むしり」を囲もう

むしり

12月に入り、年の瀬も近づいてきました。
年末年始は様々なイベントが目白押しですが、その中でも一番のイベントはクリスマス! という方も多いのではないでしょうか。

さて、皆様、チキンはチキンでも、長野県佐久市の南端、臼田地域でしか食べられないご当地名物「むしり」をご存知でしょうか。
「むしり」とは、若鶏をじっくり「むし焼き」にしたもの。これを、西洋風にナイフとフォークをつかって食べるのではなく、骨のある状態で、豪快に"むしり"ながら食べることが由来のようです。
むし焼きの"むし"と、"むしって"(割いて)食べることから「むしり」と言われ、今ではご当地グルメとして県内外に定着しています。

「もっともおいしい若鶏の食べ方」を長年研究

むしり

そんなむしりの元祖である「若鶏むしり専門店 瀬川」を取材してきました。
お店を営むのは、瀬川信吉さん。この道50年、まさに"むしりづくりのプロ"です。

「むしり」は、昭和30年代に信吉さんのお父さん、瀬川清さんが命名。当時、農業を営んでいた清さんは、地元の農家がブロイラーを飼い始めたことをきっかけに商品化を考え、お店を開業したとのこと。作り方について試行錯誤を重ねた結果、もっともおいしい食べ方は、「むし焼きの状態で、手で豪快にむしって食べること」という結論に至り、「むしり」と命名をしたそうです。

むしり

生の若鶏

むしり

途中で焼きムラをチェック

瀬川では、若鶏を半身ずつ、オーブンでむし焼きにしています。味付けは、鶏本来の旨みを逃さないよう、塩コショウのみ。約1時間かけてじっくりと焼き上げていきます。この間、部位によって焼き加減にムラが出ないよう、6~7回はチェックし、向きを調整しています。

むしり

焼きムラのないよう何度も確認する瀬川さん

ジューシーな肉とパリパリの外皮
様々な部位を思う存分いただきます!

むしり

できあがりをいただきます

早速、できたての「むしり」をいただきました。
「で、でかい!!!」
まず、その大きさに圧倒されます。そして香ばしい香りが店内に広がります。
フォークをてこに、手でむしってみると、あふれ出す肉汁と弾力感あるお肉が・・・。
(この肉汁をごはんに絡めて食べるのもおすすめとのこと♪)

待ちかねずにかぶりついてみると・・・、ジューシーな肉とパリパリの外皮の絶妙なバランスがベリーデリシャス! 肉の下部まで味が染みていますが、雑味はせず、鶏本来の肉の旨みを存分に味わうことができます。

むしり

むしったそばから肉汁が♪

さらに、手羽・もも・せせり・なんこつ・ぼんじりなど、様々な部位を味わえることも特徴の一つ。不思議なことに、どの部位を食べても均一に火が通っており、味も染みています。瀬川さんいわく、肉薄の部位と肉厚の部位に均一に火を通し、味をそろえるのが経験のなせる技であり、腕の見せ所であるんだとか。

手軽においしい「瀬川の味」を大切に

むしり

大きさを比べてみました

これだけ大きく、おいしい「むしり」ですが、1個980円(税込)と非常に安く販売されています。

瀬川さんは言います。
「焼き上げるのに1時間かかり、お店も小さいので、1日に出せるのは50~60人前ほど。しかし手間をかけ、丁寧に、しかも安く提供できるのは、家族経営だからこそ。鶏も一匹一匹個性がある中で、親から引き継いだ瀬川の味を変えないよう、家内ともども日々努力をしています」

こうした地道で丁寧な姿勢と確かな味が注目され、メディアでとりあげられる機会も増えてきたとのこと。地元のリピーターに限らず、全国から、また、著名人からも注文が増えてきているそうです。

むしり

著名人が訪れています

「まさに、むしりがとり持つご縁だと思います。こうしたご縁を大事にしながら、むしりを次世代につないでいきたい。そして、臼田地域の活性化につなげていきたいと考えています」

「星のまち」でご当地名物「むしり」を食べよう

20161207musiri02.jpg臼田地域は「星のまち」と呼ばれ、天体観測施設や日本一大きなパラボラアンテナがある臼田宇宙観測所、稲荷山公園内のコスモタワーといった宇宙に関する施設のほか、幕末最後の城郭となった五稜郭など、歴史ロマンに満ちた町です。こういったコースをめぐりながら、ご当地名物「むしり」を食べにでかけてみてはいかがでしょうか。

~「むしり」のおいしい温め方~
(1) 骨面を下にしてお皿に盛り、サランラップをして、500Wで3分ほどレンジで加熱
(2) 皮面を下にしてお皿に盛り、サランラップをして500Wで3分ほどレンジで加熱
※むしりはお買い上げ当日にお召し上がりください

若鶏むしり 瀬川

  • 長野県佐久市臼田稲荷105
  • TEL 0267-82-2444
  • 営業時間
    10:00〜21:00
    11:00〜16:00(12〜3月)
  • 定休日 不定休
  • ※焼き上がりまで時間がかかるので、予約がおすすめです。予約は電話で受け付けています

瀬川は持ち帰り専門店ですが、瀬川から徒歩数分にあるレストラン「ビッグベン」では、「むしり定食」などをその場でお召し上がりいただけます(瀬川さんの息子さんが経営しています)。

20161207musiri12.jpg

ビッグベン臼田店

  • 長野県佐久市臼田140-11
  • TEL 0267-82-6444
  • 営業時間
    昼11:00〜14:00、夜17:00~22:30
  • 定休日 不定休
この記事を書いた人

グァルネリ

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