昨年11月にご紹介した「森のライフスタイル研究所」のイベントを覚えていますか?都心からバスなどで集まった若者たちが森づくりを体験していたイベントです。
11月は「地拵え」という準備作業でしたが、今回はついに植林作業を行うという情報が入ってきました。その数、ヒノキ2,400本!!昨年11月に見た森がどうなるのか確かめたいという気持ちもあり、浅間山がきれいに見える快晴の空のもと、また佐久市大沢地区までやってきました。
前回と同じようにバスでやってきた参加者たちは、みなさんそれぞれのアウトドアファッションに長靴、と気合十分です。11月とは違い、みんなピンク色のビブスを着ています。聞いてみると、山の中でわかりやすいようなユニフォームが欲しいという声に応えて作られたものとのこと。今回が初降ろしなんだとか。おそろいのユニフォームで、自然と結束感とやる気が湧いてきます。
鍬と苗を持って急斜面を登る。一人平均25本!
今回の参加者は97人で、用意されたヒノキの苗は2,400本。単純計算で、一人25本ほど植林することになります。平らな場所で地元のNPO法人「信州そまびとクラブ」メンバーに植林の方法を教えてもらった後、鬨の声を上げていよいよ作業開始です。鍬と苗の入った袋を持って慣れない山道を登っていきます。
事前に等間隔に付けられた印のところに植林していく参加者たち。ちょっと植林の仕方を見てみましょう。
1.まず植える場所に被さっている落ち葉や小枝をどかします。
2.鍬を使い、15cmほどある苗の根っこを曲げずに植えられるくらい穴を掘ります。
3.苗を穴に入れ、手に持って浮かした状態のまま土で埋めていきます。こうすることで根っこが真っすぐ入るんですね。
4.引っ張っても抜けないくらい固めます。両足で苗を挟むように踏むといいそうです。
5.最後に、はじめにどかした落ち葉などを苗の周りに被せます。落ち葉の布団には土の乾燥防止などの効果があるそうです。
ここでポイントを一つ教えていただきました。ヒノキには表と裏があり、植林する時には表を陽の当たる南に向けてやるといいんだとか。葉っぱを見て、白い筋が見える方が裏なんだそうです。簡単に見分けられますね。
最年少は9才
それぞれの"想い"を持ちよって植えました
参加者の中で最年少の中込歩実(なかごめ・あゆみ)さん(9歳)は、お母さんとお姉さんの3人で参加しました。山登りが大好きでよく3人で登山を楽しむそうですが、森づくりは初めての経験。「土を掘るときに根っこが張ってて難しい...」と言いながらも、一生懸命植林作業を楽しんでいる様子でした。いつもは登っているだけの里山を見る目も少し変わってくるのではないでしょうか。歩実さんのお母さんも「小学生くらいの子供があんまり体験できない作業だから、いい経験になると思う。気軽に参加できるところがありがたいです」と話していました。
森のライフスタイル研究所は、佐久市大沢地区だけでなく、様々な場所で活動を行っています。昨年8月、今年1月、3月、4月は、東日本大震災で被害を受けた森林(保安林)の整備を行ったそうですが、その活動に参加し、他のイベントにも興味を持って今回参加したという方が何人かいました。
他にも、大学で生物資源学などを学んでいる学生グループや、CSR(企業の社会的責任)の一環として取り組んでいるという会社員グループなどもいます。
国産木材を使って家具を制作する会社で働いているという男性は「自分の扱う木材がどの様に作られているかくらい知っておかなきゃ」と話してくれました。みなさん様々な理由で森づくりに参加しているんですね。
山仕事の仕上げは信州牛と信州ポーク!
そして充実感あふれる笑顔
およそ2時間半で2,400本を植林し終えました。作業の後は皆さんお待ちかねのバーベキュータイムです!今回も信州牛や信州ポークを提供させていただきました。暑い日差しの中作業したから(だけではありませんが)、バーベキューも格別!!一緒に作業した仲間との会話も笑顔も弾みます。「信州で植林して、信州牛・豚をおいしく食べた。楽しかった!おいしかった!」という思い出をずっと忘れないで頂きたいですねー(^_^)