写真提供:リュードヴァン
今年も暑い夏がやってきました。汗をかいた後、キンキンに冷やしたビール! もおいしいですが、今日は「シードル」で乾杯してみませんか。
シードルって?
シードルは、りんごでできた発泡性のお酒です。フランス北西部のブルターニュ地方のものが特に有名。アルコール度数の低いお酒ですが、ワインのように食事と一緒に愉しむことができます。
日本では、大手酒造メーカーのものを店頭でよく見かけます。でも調べてみると、りんご栽培が行われている地域のワイナリーなどでも、よく造られています。「りんごの産地にシードルあり」といっても過言ではないようで、長野県も例外ではありません。
この土地のりんごでシードルを
長野県内に30近くあるワイナリーのなかから、シードルにも定評のある株式会社Rue de Vin(リュードヴァン)を紹介します。
上信越自動車道東部湯の丸インターから車で5分。東御市祢津集落のなだらかな斜面をのぼっていくと、一面に広がるぶどう畑の一角に、リュードヴァンのワイナリー&カフェ・レストランがあります。
ぶどうの手入れ作業を終えた、代表取締役・小山英明さんにお話を伺いました。
この地にワイナリーを立ち上げたのは、11年前。開墾した土地にぶどうの木を植え育て、ワイン造りを始めました。・・・と、ワインの話にいきたところですが、今回はシードルの話。
リュードヴァンのシードル造りは、2010年に始まりました。
Q.なぜ、シードルを造ろうと?
A.もともとこの地ではりんごが栽培されており、標高が高いところなので実の硬いりんごが手に入ります。真冬に発酵させるため、果汁の温度が低く不要な微生物が働かないという利点もあります。この土地の原料と風土を生かして、この土地ならではのシードルを造ることができるのが魅力です。
現在は、JA信州うえだと近隣の生産者さんからりんごを仕入れています。原料となるりんごがあり、購入できる状況であれば、これからもシードルを造り続けたいです。
Q.何種類のシードルを造っていますか。
A.リュードヴァンで造っているシードルは、「シードル」と「ポム・ドール」の2種類。本場フランスものとは違った、オリジナルのスタイルができました。
「シードル」(右)と「ポム・ドール」
■シードル
東御市産のふじリンゴを100%使用。やさしい発泡と心地よい酸味が特徴です。
■ポム・ドール/シードル・スペリュール
東御市産のふじリンゴを100%使用。シャンパーニュ製法による味わいは「エレガント」のひとことに尽きます。原酒の熟成とブレンドによって表現された味わいの深さは、シードルを越えたシードルと言えましょう。
リュードヴァンのシードルができるまで
シードル造りは、12月から始まります。
シードル造りの写真提供:リュードヴァン
1.果汁を絞る
洗浄したりんごを破砕し、ペースト状にして袋に入れ、圧搾機にかける
左から洗浄→粉砕→圧搾
2.果汁調整
果汁をタンクに入れ、不純物を取り除く
3.一次発酵
シャンパン酵母を加え発酵させる
4.ビン詰め
タンク内で一次発酵を終わらせ、糖分と酵母を加え、ビンに詰める。この作業は、2月~6月初旬まで行われる
取材に伺った日、ワイナリーには出荷を待つシードルが静かに眠っていました
ワイナリーおすすめのシードルに合う料理
カフェ・レストランでは、地元産の旬の食材を中心に、ワイナリーならではのメニューがそろっています。腕をふるっているのは、元島シェフ。ジビエ料理もお手のものです。
シードルに合う料理を、とお願いし、作っていただきました。「ガレット」です。
さっそく、シードルと料理のマリアージュを♪
でも、残念なことに自動車だったので、ガレットだけ美味しくいただきました(もちろん取材後にシードルを購入し、友達と家飲みを楽しみました)。
この日のガレットは試作品とのことでしたが、現在はメニューに加えられていることでしょう。
新しいシードルの楽しみ方を提案します
小山社長(左)と元島シェフ
「ビアガーデンのように、シードルガーデンなどを開いて気軽にシードルを楽しんでほしい、と思っています。リュードヴァンオリジナルのシードルグラスを製作中なので、グラスが出来次第、生ビールのようにサーバーでシードルを提供したいです」(小山社長)
"ワインとチーズ""ビールに枝豆"のように、"シードルと○○"の組み合わせを探してみてはいかがでしょうか。
リュードヴァン