母なる大地の懐に 我ら人の子の喜びはある
大地を愛せよ 大地に生きる
人の子ら 人の子ら土に感謝せよ
平和な大地を 静かな大地を
大地を誉めよ 頌(たた)えよ 土を
我ら人の子の 我ら人の子の 大地を誉めよ
誉めよ 頌えよ
母なる大地を 母なる大地を
頌えよ 誉めよ 頌えよ 土を
母なる大地を ああ 頌えよ大地を ああ
先日、オーケストラと合唱で、「大地讃頌」を演奏してきました。
中学時代の合唱曲でお馴染みの「大地讃頌」ですが、実はこの曲、混声合唱とオーケストラのためのカンタータ「土の歌」の終曲にあたります。つまり、「土の歌」一連のストーリーの中の、最後の一節にあたるわけです。
人が土を耕す様子や、土への希望(第一楽章「農夫と土」)、力強い土への思いと、その土を踏みしめる様子(第二章「祖国の土」)、戦争の悲惨さ、荒廃、原爆、まるで天や地が怒っているかのような災害、人や科学の無力さ(第三楽章「死の灰」、第四楽章「もぐらもち」、第五楽章「天地の怒り」)、荒れた大地を諌め、鎮めるような祈り(第六楽章「地上の祈り」)、そして、第七楽章「大地讃頌」で、大地への畏敬の念、豊かな恩寵への感謝、様々な思いを経ての大地への祈り、礼賛へと繋がっていきます。
考えてみれば、農業も工業も人や動物の営みも、大地があって初めてなりたっていること。特に農業は直接地面に触れ合いながら、大地からの恵み=農作物を、人間にとっての"命の源"として受け取っています。大地の喜び、怒り、悲しみ、慈しみがダイレクトに表徴されるのが、農業。
四季折々に田んぼの様子をじっと見ていると、自分と大地の間には何もなく、ただそこに自分がいて、無条件に「母なる大地」の存在を感じているような、そんな不思議な気分になってきます。
母なる大地は、今年はどんな恵みを私たちにもたらしてくれるのでしょうか。
大地の恩籠を祈り、感謝をしながら生活をしていきたいと思います。(グァルネリ)