野山の旬いただく~寄り道編~ 村の古民家カフェへ

野山の旬をいただく

地域それぞれに、その土地特有の農作物が育ち、また、その土地を形成する野山、川、海が、自然の恵みをもたらしてくれます。そしてまた、食べ物や気候風土も、そこに住む人たちの体質や気質と深く結びついています。
野山からの旬のものに感謝し、さまざまな料理を工夫し、端境期に備えて加工、保存し、大切に食べる・・・。南相木村で、そんな「あたりまえのくらし」を実践している"仙人"に倣う「野山の旬をいただく」の3回目は、ちょっと寄り道。仙人行きつけの南相木産の野菜をふんだんに使ったこだわり料理を提供するお店「里山ダイニングPachaMaMa(パチャママ)」にお邪魔しました。

心地よい空間と旬の味覚でおもてなし
「里山ダイニングPachaMaMa」

野山の旬をいただく

落ち着いた雰囲気の店内

野山の旬をいただく

「里山ダイニングPachaMaMa(パチャママ)」は、昨年(2014年)9月6日にOPEN。オーナーの菊池初恵さんが、実家である築100年の古民家を改装して始めました。PachaMaMa(パチャママ)とは、ペルー語で「母なる大地」という意味と「母なる大地の女神さま」の名前。お店をやろうと思ったきっかけは、都会で生活する娘さんの「南相木産の野菜は武器になる」という一言から。当たり前に食べている野菜の美味しさを村外の多くのみなさんに「知ってもらいたい、味わってほしい」という思いと、気軽に食事やお茶をしながらおしゃべりする場所をつくることで、村の活性化につながればと考えて開店しました。初恵さん自ら育てた野菜や米、そばを使った料理をはじめ、南相木川の清流で育ったイワナや山菜、きのこなどの料理が楽しめます。

自慢のお料理をいただきまいた。初恵さんが味に自信をもっている野菜をはじめ、それぞれの素材の良さが引き出された料理はとても美味しかったです。

野山の旬をいただく

人気の酵素スムージー

野山の旬をいただく

野菜たっぷりのそばサラダ

野山の旬をいただく

くわの葉茶

「お店の売りは何ですか」初恵さんにお聞きしたところ、「地元食材を生かし、身体によいものを楽しく食べてもらうことを常に考えています」と熱く語りながら、「看板娘(実母の中島けさ江さん)かしら」と親子仲良くお店を営む姿に心が温かくなりました。

野山の旬をいただく

店自慢の薪ストーブと。中島けさ江さん(左)と娘の菊池初恵さん

おしゃべりも楽しい「藍の生葉染め」

初恵さんは、常に好奇心をもって新たなことに挑戦しており、今までにも多くの資格を取得してきました。お邪魔した日は、村主催の藍染め講習会に参加する初恵さんに同行させていただきました。
今回の藍染めは「藍の生葉染め」。

野山の旬をいただく

収穫した蓼藍

「藍の生葉染め」とは、藍染めの原料である「蓼藍(タデアイ)」の生葉をすりつぶし、その青汁に水を加えて染料液をつくり、その液で布地を染めるもの。生葉染めは、生葉の収穫期のみの染め物で、生葉独特の色合いに染まります。今回使用した「蓼藍」は、南相木村で育てたもので、参加者が収穫し葉と茎を分けて染料液をつくりました。

野山の旬をいただく

おしゃべりしなら葉と茎を分ける参加者

野山の旬をいただく

1 摘んだ葉

野山の旬をいただく

2 ブレンダーで撹拌する

野山の旬をいただく

3 不織布で濾しながらボールに入れ、水を加える

野山の旬をいただく

4 静かに布を動かしながら徐々に染めていく

野山の旬をいただく

染料液が染み込んだ布地

布地を染料に広げていれ、むらにならないように染料液の中で15分程静かに動かします。途中何度か染料液から引き上げ、空気に触れさせ染まり具合を確認します。15分経過したら布地を取り出し、数回水洗いし天日干しします。

野山の旬をいただく

染め上った布たち

20150909yaso15.jpg「染めの15分を一人でやると辛いけれど、みんなとおしゃべりしながらやるとあっという間」と、参加者のみなさんは手を動かしながらのおしゃべりを楽しんでいました。葉を食べるだけではなく、今回のように染め物の染料に使うことができることを知った初恵さんは、「畑はあるから、蓼藍の種をまき育てることから始め、タンスで眠っている着物の裏地を染めてみたい」と夢を語ってくれました。

自然豊かな素敵な場所で、南相木産の旬の素材にこだわる料理を味わえる「里山ダイニングPachaMaMa(パチャママ)」は、南相木村役場から100mぐらいのところにあります。

里山ダイニングPachaMaMa(パチャママ)

  • 長野県南佐久郡南相木村4392-1
  • TEL 0267-78-1018
  • 営業時間 火曜〜土曜の11時~17時(夜は完全予約制)※日曜は予約のみ
  • 定休日 月曜
この記事を書いた人

さくら

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