魔女の住む森? 小野のシダレグリ

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上伊那郡の辰野町で、思わず「なんじゃこりゃ!?」という声が出てしまう不思議な光景に出会いました!! まるで絵本に出てくる魔女の住む森みたいじゃないですか?
この木は「シダレグリ(枝垂れ栗)」。しだれ桜なら知っていますが、シダレグリはあまり聞きませんよね。それもそのはず、シダレグリは火山活動の影響によってシバグリが突然変異したもので、群生しているのは全国に3カ所だけだと言われています。

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日本一のシダレグリ自生地
上伊那郡辰野町小野。辰野町を通る国道153号線から岡谷市へ抜ける塩嶺王城パークラインを進んでいくと、その奇妙な光景が現れました。山肌一面に広がるシダレグリ。その姿に、正直びっくりしてしまいました。葉っぱが落ちてむき出しになった枝が、まるで稲妻のように鋭く曲がりくねっています。近くで見てみると、曲がりすぎて複雑に絡まっているのがわかります。

ここ「小野のシダレグリ自生地」は、シダレグリの群生地の中でも日本一の規模を誇り、場所自体が国の天然記念物に指定されています。800本以上のシダレグリが自生しているとされ、そのうちの約200本は幹の周囲が1m以上ある大木とのこと。その奇妙な形と数の多さに、ただただ圧倒されてしまうばかり。

objet_2.jpg シダレグリの誕生の謎

いったいどうしてこんな形に育つのでしょうか。
その秘密は、突然変異によって生じた2つの性質によるものだと言います。 ひとつは「枝垂れ(しだれ)」。これはわかりますよね? 枝が重力に逆らえずに垂れる性質です。そしてもうひとつが「頂芽(ちょうが)が数年で枯れて側芽(そくが)が成長する」性質です。(?_?)...
つまり、シダレグリの枝は成長して枝分かれすると、まっすぐ伸びている枝が数年で枯れ、分かれたほうの枝が育つ、という変わった性質を持っているんだそうです。それで枝が鋭く曲がっているんですね。この性質と「枝垂れ」が繰り返されることで、あの稲妻のような形ができあがっていくんです。

こんな不思議な木ですが、名前の通り、栗なんです。この日も落ちずに残ったイガグリを発見することができました。ただ、普通の栗のように大きな実には育たないようです。

奇妙な姿は一見の価値あり
torii.jpg栗の木は、よく線路の枕木などに使われるように、枯れても朽ちるのが遅いのですが、公園には枯れたシダレグリがオブジェのように置かれていました。不思議な枝の様子がよくわかって面白いですよ。

シダレグリの奇妙な姿を見るには、葉を落とした冬が一番いいといいます。それも、少し雪が降った後だと枝の様子が一層よくわかり、その絶景から写真愛好家にも大人気のスポットなんだとか。
百聞は一見に如かず。奇妙な絶景を見に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

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●リンク
しだれ栗森林公園


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