りんごの収穫の最盛期を迎えている信州。それはまたりんごジュース作りもピークを迎えているということです。松本市梓川にある「松本市梓川ジュースセンター」では、松本市から委託を受けた「あづみアップル」が、長野県内でも名産地として知られる安曇野や松本のりんごを使ったジュースを製造しています。１０月いっぱいはシナノスイート、１１月以降はりんごの王様「サンふじ」と、収穫期と同じようにジュースになる品種も変わっていきます。りんごは採れたてを生でほおばるのが一番ではありますが、一息入れたり、気分を変えたくなったときには、食べるのと同じくらいフレッシュなジュースも、ごくごくっと味わってみてください。朝起き抜けに飲む、コップいっぱいの信州のりんごシュースを、体にも良い、おいしい習慣に！
北アルプスを見ながら育つ
北アルプスの山懐に抱かれた安曇野エリアは、扇状地の恵まれた土壌と長い日照時間、そして昼夜の寒暖差によって、酸味と甘みのバランスがとれたりんごが収穫できます。そのりんごは、自然のサイクルに従い収穫期まで順調に実ったものは基本的に生食用として出荷されるのですが、例えば鳥にすこしつつかれたり、形が悪かったりすると加工用となります。ここ梓川ジュースセンターでは紅玉、王林、サンつがる、「りんご３兄弟」と呼ばれるシナノスイート、シナノゴールド、秋映、そしてサンふじのジュースを主に作っています。
新鮮なままをそのまま
訪れた日は、ちょうどシナノスイートのジュース作りの真っ最中でした。岡村茂副工場長は言います。「りんごの特長を生かすためには新鮮なりんごを使うことが大切ですから、製造当日または前日に持ち込まれた果実を使っています」
しっかりと洗うことから
ジュース作りは、農家から持ち込まれたりんごを、なにはともあれ丁寧にしっかりと洗浄することからはじまります。水道水が泡立つくらい勢い良く出る水槽でよく洗った後、つぎに皮ごと砕いて搾汁機にかけます。この時、製品によって酸化防止剤のビタミンＣを加えます。すると文字通り「まるごと果汁１００％のジュース」が出来あがるのです。
王冠をつけて出荷まで
このままではまだ製品にできないので、それを高温殺菌し、遠心分離機で繊維分（おり）を取り除きます。高温殺菌はフレッシュさや味わいを劣化させてしまう酸化酵素の働きを抑えるためで、新鮮さを生かすために温度や加熱時間を工夫して、りんご本来の特長を生かすようにするのです。そして安全な品質を保つために再び高温で殺菌した後、ビンに充てんし、王冠を付けてから冷却、ラベルを張って出荷となります。
清潔さへのこだわり
一連のおいしいジュース作りのためには、機械を清潔にし、雑菌の混入を防ぐことに、最も重点を置いています。「毎日２〜３時間かけて水圧のある熱水などで機械を清掃したり、部品の分解洗浄を行ったりしています」と岡村さん。これからの冬場になると、機械が凍っていることもあり、稼働前に氷を解かしウオーミングアップしてから機械を動かすなど苦労もあります。
北アルプスが見えるよう
りんごの「シナノスイート」は長野県生まれ、ふじとつがるの交配種で、甘さと香りが良く、人気のあるりんごのひとつです。シナノスイートから作られたばかりのアップルジュースを飲んでみました。飲み口がスッキリとしていて、飲んだ後の香りと甘みにシナノスイートの特長が残る味わいでした。安曇野の風景が見えるようです。
こんな飲み方もオススメ
ジュースは少し冷やして飲むのはもちろんですが、岡村さんが耳よりなことを教えてくださいました。「酸味のある紅玉は炭酸で割って飲んだり、サンふじと３：１で割って飲んだりと、独自にブレンドを楽しむのもおいしいですよ」と。
安曇野でお待ちします
信州のりんごの新鮮さを感じるフレッシュなりんごジュースは、安曇野市豊科のスイス村ワイナリーで購入できます。
編集部からのお知らせ
さらにまた、現在、今回紹介したシナノスイートにサンふじ、王林のジュースを加えて「信州安曇野産リンゴジュース詰め合わせ３本セット」として、長野県の各地のＪＡの協力を得てＪＡタウンで好評継続中の、当「長野県のおいしい食べ方」ブログマガジンの３００号通過記念・３０００号到達を祈念するネットイベント「大震災復興のための３０００円ぽっきりチャリティーセール」にて販売中です。この機会に、ぜひご賞味下さい。
■スイス村ワイナリーへのアクセス：
信州安曇野スイス村ワイナリー
〒３９９−８２０１
長野県安曇野市
豊科南穂高５５６７−５
ＴＥＬ ０２６３−７３−５５３２
ＦＡＸ ０２６３−７１−１３１０
案内と地図
営業時間 冬季（１１月〜３月迄）９：００〜４：００
年中無休（元旦のみお休み）
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