JA松本市
「松本一本ねぎ まがりちゃん」
12代続く「松本一本葱採種組合」が種を守る
松本一本ねぎは江戸時代より、松本市の筑摩(つかま)、出川、並柳地区を中心に盛んに栽培され、大正から昭和の初期にかけては大都市にも出荷されました。しかし手間がかかるため、次第に栽培する人が少なくなってしまいました。2007年に「信州の伝統野菜」に選定され、JA松本市ねぎ部会では、昔からの栽培技術(植え替え等)と種をしっかり守り、本物の松本一本ねぎを栽培しています。
JA松本市ねぎ部会長で、筑摩地区で代々松本一本ねぎを栽培している青木秀夫さんは、年間10万本ほどの松本一本ねぎを栽培しており、そのうち2万本を出荷しています。では、残りの8万本は? というと、種を採るために栽培をしています。というのも、青木さんは大正8年から続く「松本一本葱採種組合」の12代目組合長も務めており、伝統ある松本一本ねぎの種の保存にも貢献しています。ねぎ部会発足時は20名ほどだった部会員も、現在では約30名まで会員数が伸び、徐々にですが生産者は増えてきています。
さて、すでに松本一本ねぎを食べたことがある方はお分かりだと思いますが、松本一本ねぎの特長は太くて曲がっている見た目、そして食べたときのやわらかい食感と甘みです。では、ひとつずつご説明していきましょう。
どうして曲がっているの?
松本一本ねぎの栽培過程では、8月中旬から下旬に「植え替え」という作業を行います。5月頃に定植し、3カ月ほど生長したねぎを掘り起こして、畝に寝かせるように植え替えます。すると根元近くでわずかな傾斜がつき、植物のまっすぐ伸びようとする力で、曲がったねぎができるのです。
植え替え作業は、掘り起こしたり、新たに畝を作ったりととても手間がかかります。しかもお盆を過ぎたとは言え、残暑が厳しい8月下旬。体力的にも厳しい作業です。ではどうして、こんなに大変な思いをして植え替えをするのでしょうか。それは、甘くて栄養豊富なねぎに生長するからです。曲がることによってねぎにストレスがかかり、ストレスから身を守ろうとするねぎは糖分を作りだし甘みが増すといわれています。
また、元の根株を囲むように、新しい根・芽・葉が出てくるので、栄養豊富で太いねぎに成長します。
最後に、どうして松本一本ねぎはやわらかいのでしょうか。真夏に植え替えをし、暑さに耐えた松本一本ねぎは、いわば喉が渇いている状態ですが、秋の雨で畑に降り注いだ雨水を存分に吸収し、一気に成長することによって、大きいけれどやわらかくみずみずしいねぎに生長するのです。
とっても簡単!レンジで蒸しねぎ
白ねぎに比べて手間も時間もかかっている松本一本ねぎ。青木さんは「他のねぎに比べて栄養機能が良くて、甘くて、柔らかいです。全国のみなさまに食べてほしいね」といいます。
これからの季節、大きく輪切りにして鍋の具材に、焼きねぎに、刻んで薬味としても重宝いただけます。なかでも青木さんオススメの食べ方は、3、4cmほどに切り、平皿に並べラップをかけて電子レンジで5、6分(600W目安)温めた蒸しねぎ。まずはそのまま食べてみてください。簡単だけど甘くておいしい、松本一本ねぎ本来の味が楽しめます。マヨネーズ、塩、味噌マヨなど、お好みの味を試してみてくださいね。
「松本一本ねぎ」のご注文はお早めに
松本一本ねぎは、JA松本市のホームページ、JAタウンからご注文いただけます。お届けする箱の中には説明書が入っています。松本一本ねぎの特長はもちろん、保管方法やレシピ、栽培歴も載っています。裏面には生産者のお名前とコメントがあります。ねぎもコメントも一つひとつ丁寧に作っています。ぜひ注目してみてくださいね。
■松本一本ねぎのご注文
・JA松本市 ※申込締切 2019年12月17日(火)
・JAタウン
■松本一本ねぎのレシピ
■信州の伝統野菜