新・信州暦 朝夕の風に秋を感じるこのごろ

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ここ数日は朝晩、風が体を優しく通り抜け、また朝のうちは日差しも強くなく、なんだか秋の気配を感じます。先週からはじまった北京オリンピックのテレビ中継に、すっかりココロここにあらずといった感じではないでしょうか。長野の街は、夏休みに入った若者たちで活気があり、なんとなく心浮かれる気分になります。また夜になると家の近所では、家族で家庭用花火を楽しむ姿が見られ、心が安らぎます。

いよいよお盆ですね。お盆のこの時期、bonodori.jpg信州各地では盆踊りや花火大会などが催され、ふるさとはいっそう賑やかになります。農家の人は村の行事で忙しく、また遠方からの来客もあり、この時ばかりは畑をお休みする人も少なくないようです。

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ちなみにお盆のこの時期、北信の長野市では、おやきとナスやかぼちゃなどの野菜の天ぷらを食べます。そして今まさに長野の食卓は、いずこも新鮮な野菜で溢れんばかり。いっぱい食べても、箸をつけていないお料理があるほどで、こんなに美味しく新鮮な野菜を沢山食べられる信州の夏の恵みには感謝、感謝です。

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食卓に並ぶものは、近所で頂戴したり直売所で購入したものですが、東信は佐久の直売所では、ふかふかした葉の柔らかそうなキャベツやレタスが山のように積まれていました。北信地区の飯山にある直売所は朝の営業開始直後から大勢の人が押しかけていました。店頭にはキュウリやナス、トマト、ピーマンにオクラ、インゲン、アスパラ、ゴーヤ―、かぼちゃにトウガン、ジャガイモ、タマネギ、ズッキーニ、キノコなどなど。farmfresh.jpg中でもトウモロコシは大人気で、並べるそばから売れていきます。果物も、モモにスイカにメロン、プルーン、ネクタリンなど、選ぶのに困るぐらいで、買い物カゴは、気づくとあっという間に満杯の状態となるなど、たくさんの野菜や果物を通過するレジは長蛇の列になっていました。でもみんななんとなく満足そうに、重そうな袋と、脇にはお盆用の花を抱えて、お店を後にしていきました。

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この暑い夏にぴったりの花といえば、ひまわりですが、各地で見頃を迎えています。特に中信・安曇野市堀金村では1万本規模。また南信・下伊那郡阿南町では、地元住民グループが種から油をとろうと栽培を始めた大輪のヒマワリが10万本も、20日頃まで楽しむことができます。

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すでに、暦のうえでは「立秋」。標高1000メートルを超える中信地区・木曽郡の開田高原ではソバの花が満開になっています。お盆に花を咲かせようと例年より2週間ほど早く種をまいたところ、夏の暑さで開花がさらに早まったということです。またこの開田高原では、トウモロコシの出荷もはじまりました。こちらも暑さの影響から例年より5日早い出荷ということです。

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県内には伝統野菜といわれるナスがありまして、北信・小布施町では「小布施ナス」という巾着型した濃厚な味わいを特徴とするものや、また南信・下伊那郡天龍村では「ていざなす」という村外不出の幻の巨大ナスとして大切に栽培されている、果肉がやわらかく甘みが強いナスが最盛期を迎えています。

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またこの暑い時期にはやっぱり「すいかが一番!」です。長野県の一大生産地、中信地区・波田町ではいよいよ”すいか祭り”の開催もあますところあと1週間。連日大勢の方にスイカを買い求めていただいていますが、お客さまが集まるこのお盆にJA松本ハイランドの美味しいスイカをお召しあがりください。

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各地では早生りんごの収穫が行われていますが、この時期のリンゴは、盆飾り用として需要が高まっており、中信地区・松本市でも、先週から「シナノレッド」という爽やかな味わいが特徴の早生りんごの選果がはじまりました。

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一方心配な話題としては、東信地区、長野と群馬の県境にある浅間山では、火山性の地震が今月に入り増えて、先日も火口周辺が赤く照らされる火映が確認されたということで、気象庁は山頂の火口周辺警報を出しています。

それではみなさま、やさしく迎え入れてくれるふるさとでゆっくり過ごされて、リフレッシュしてください。

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scissors_for_leftys.jpg実は今日は国際的に「左利きの人」の日(International Left-Handers' Day 2008)です。左利きの人のため専用の道具類も最近は増えましたね。さて前号の信州暦にも書きましたが、深夜から夜明けにかけて最も多くの流れ星が見えるはずです。このペルセウス座流星群を見るための観望会が佐久市臼田にある市の天体観測施設うすだスタードームで開催されます。またお盆の季節のこのころ、伝統ある塩尻市のささらおどり、南相木村のまんどう火など、信州各地でさまざまな盆踊りや祭りや花火大会が連夜おこなわれています。善光寺のお盆縁日も忘れてはいけません。この日から15日までの3日間、毎夕5時から午後9時まで、縁日と盆踊りが善光寺の山門前で。お誘いの言葉に曰く「見よう見まねの人たちもひとたび輪の中に身を投じれば、nagano_musicfes_2008.gifひとときの法悦にひたってこの世の極楽を垣間見ることができます」と。さらに長野市街地では「第1回 ながの門前 まち音楽祭2008」と題して、8月17日の日曜日まで長野市中心市街地の美術館や善光寺宿坊などで、およそ50の音楽団体・演奏家がクラシックや合唱、邦楽など幅広いジャンルの音楽を繰り広げる企画も催されています。

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14日、記録によれば320年前(1688)のこの日、45歳だった松尾芭蕉が姨捨山で満月を見ようときめて、門人と共に木曽路を通り、信州に足を踏み入れ松本で宿泊しました。芭蕉は、姨捨山で念願の満月を見たあとで善光寺に参詣し、江戸に帰ったそうです。今月の満月は17日。あなたはどこで満月を見るのでしょうか?

「身にしみて大根辛し秋の風」 芭蕉

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この日は戸隠神社祭礼(中社)ですし、岡谷太鼓まつりもあります。クライマックスは300人の揃い打ち。市内全域に響きわたるかのような大音響を堪能できます。この夜も川上村、千曲川、安曇野などで花火大会。翌15日の終戦記念日は戸隠神社奥社の祭礼で月遅れの盆、盂蘭盆会で、夜遅くまで続く今年の信州の夏の最も暑く長い1日です。夕方の西の空に宵の明星と、水星と、土星が見えるころ、諏訪湖祭湖上花火大会山形村では夏祭り山形じゃんずら盆踊り大会と花火、信州新町ろうかく湖のとうろう流しと花火大会2008年 第48回 佐久千曲川大花火大会木崎湖花火大会と灯籠流しなどなど各地の祭りや盆踊りがピークを迎え、花火が夜空をこがしていきます。

ロックンロールの王様であるエルビス・プレスリーの命日である16日は、夏の終わりをしめくくる行事として諏訪湖畔で行われる岡谷花火まつり・とうろう流しの日でもあります。先祖の供養に流されるとうろうの数は1000をこえます。灯籠祭りは信州に短い夏の終わりを告げ、収穫の秋の訪れをかみしめるときでもあります。松原湖 灯篭流し・花火大会、天竜川時又港(飯田市)の飯田時又灯ろう流し花火大会など、各地で無数の光の帯が河面や湖面に流され、盛大に打ちあげられる花火が暑かった夏の終わりを告げるのです。tourou.jpg

17日は満月。18日には伊那谷に秋の訪れを告げる市田の灯ろう流し。新盆を迎えた家々から集められた灯ろうの厳かな灯りが天竜川の川面を染めて流れ、同時に河畔で打ち上げられる花火は、飯田下伊那一の規模を誇るもので、それはまた夏の終わりの夜空を彩って周辺の山々に豪快に響きわたります。

今週は、もしかなうなら思い出作りに信州へどうぞ。

indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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