新・信州暦 太陽の季節到来を請い願う日々

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23日から本格的な降雪が全県的にあり、松本、諏訪、飯田ではこの冬一番の降雪量となりました。28日朝には県北中部でこの冬一番の寒さ(長野市で最低気温が氷点下7.1度)を記録。この急激な冷え込みで、諏訪湖も全面結氷となり、湖面に筋状に走る氷裂が確認されるなど、昨年に引き続き今年も難しいと思われていた「御神渡り(おみわたり)」が2年ぶりに記録されそうな様子になっています。最新の諏訪湖の様子は諏訪市博物館のウェブページのなかにある諏訪湖の御神渡りのページで確認できます。

木曽郡木曽町の三岳井原地区では白川の氷柱郡がようやく見ごろを迎えて、毎夕6時から夜の10時までライトアップがなされ、自然の作りあげる造形の不思議な美しさに人びとが惹きつけられています。また大寒の日には御代田町で、長野県無形民俗文化財の「寒の水」も行われました。五穀豊穣と無病息災を願い男衆が冷水を浴びるこの祈りの行事に観客からも歓声が上がりました。

上田市のため池には県内では珍しいオオハクチョウが飛来。長野市にもコハクチョウが飛来しました。先週もお伝えした「長野かがやき国体」がいよいよ開幕。気温は厳しい寒さですが、選手たちは熱戦を繰り広げています。

リンゴやブドウなど果樹農家は引き続き剪定の作業中。千曲市のあんずの里スケッチパークではJA職員による園内のあんずの剪定が行われました。また、上伊那地方ではハウス栽培のアルストロメリアの出荷が本格化しています。

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senzasai2.jpg今日30日は下弦の月。あと一週間ほどで新月。今の月の出は深夜遅くから早朝にかけて。この厳寒の季節、朝早く暗いうちに起きて南東の天空を見ると、金星と木星のふたつの惑星が寄り添うように輝いているのが見れます。

まもなく2月ですから、今が寒さの底。西洋占星術では2月は太陽が山羊座と水瓶座を通過します。2月1日は金曜日。オリンピックイヤーの今年は2月が29日まである閏年で、閏年の2月と8月は同じ曜日からはじまります。さっそくカレンダーで確かめてください。ちなみに閏年でない2月は、3月と11月が同じ曜日からはじまっています。

1日は諏訪大社下社で遷座祭(せんざさい)。昨年の8月に秋宮(あきみや)に移られた神さまが、この日秋宮を出て春宮に向かわれます(写真)。御神体が半年ごとに移動するという、日本の他の神社には見られない古い祭祀ですね。いろいろ考えられるのですが、やはり太陽を祭る古来の儀式だったようです。諏訪大社下社では3日の節分の日にも祭がおこなわれます。節分は「季節を分ける」ことです。本来は春夏秋冬全てに節分があるのですが、現在は春の節分だけを「節分」と呼ぶようになっています。冬の終わりを祝福する太陽の祭りだったのかもしれません。この日に恵方巻きを食べようと、コンビニやスーパーでしきりと宣伝されていますが、節分の日にのり巻きを食べるのは1987年(昭和62年)に海苔業者が制定した「のり巻きの日」がもとになっています。

節分の明くる日4日は二十四節気のひとつ「立春(りっしゅん)」。農業暦である旧暦でも新しい年がはじまります。暦便覧は「春の気たつを以て也」と簡潔に記し、永代大雑書萬暦大成は「東風解氷(東からの風が氷を解かす)」と書いています。この日から立夏の前日までが春。まだまだ実際は寒さの厳しい頃ですが、太陽にエネルギーが増して日脚はゆっくりと伸びていき、テレビでは南の方からの梅の便りを告げはじめます。5日早朝の南東の天空で、金星と木星に、細くなった月の3つの星が大接近する素敵な天体ショーが展開されます。本格的な農業の季節もまもなくですね。

indexarrow.gif 長野県の冬の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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