大型連休をむかえるにあたり、長野市内の桜は既に葉桜状態でしたが、そのかわり連休前半は、桃やプルーンの白花が満開となり、農家の方が忙しく受粉作業を行っていました。梨の花も満開(写真)で果樹の花盛りの連休でした。そういえばこの時期、例年凍霜害が心配ですが、連休中は大きな被害はなく一安心といったところです。しかし、例年よりも開花が遅れているためまだ油断はできません。今年は見頃になったかなと思うと花を散らすような突風や雨などがありました。自然の力のなせるわざとはいえ、残念に思います。連休中盤には長野市内のりんごの花も咲き始め、赤い蕾からうすいピンクそして白い花が開く様子は、可憐という言葉がぴったりです。平地から山側にむけて見頃を迎えます。まさに花の季節。つつじ、ミズバショウ、シバザクラ、菜の花、ボタンなどが各地で見ごろを迎えています。連休中、長野市街地の通りでは「善光寺花回廊ながの花フェスタ2011」として10周年を迎える「善光寺花回廊」がおこなわれ、大災害で被災された方々に祈りと願いを込め、「花キャンバス」や「タペストリーガーデン」などの花の地上絵が善光寺の表参道を埋め尽くしました。
長野県が5月末(予定)まで実施している農産物の安全性を確保するための放射能物質検査が、4月28日と5月5日にも長野県公式ホームページで公表され、レタスとアスパラガスでいずれも不検出となりました。また長野県が米や野菜の作付け、出荷の時期を前に安全性を証明するため、県内8箇所の農地(水田・畑)を対象としたセシウム検査を実施したところ、いずれも規制値以下の結果となりました。
震災から今日でちょうど2ヵ月。東日本大震災や長野県北部地震へのJA長野県グループが取り組んでいる支援募金の一時集約分として、東日本4447万円、県北部1906万円(合計6353万円)を4月28日にそれぞ届けました。被災地の農業関連施設や農家のみなさんの支援に活用される予定です。なおJA長野県グループでは、被災地支援のため全国のJAグループと協力し、支援隊8名を第一陣として岩手県に9〜14日まで派遣しています。今後も被災地のニーズとマッチングをはかりながら継続した支援に取り組みます。詳しくは食と農に関する信州の情報サイト「いいJAん!信州」の「東日本大震災及び長野県北部地震 わたしたちにできること」をご覧ください。
4月末までの調査によると地震の被害を受けた栄村内で約130箇所におよぶ水田のひび割れや水路の崩壊が見つかり、作付けの見通しが立っていないようです。また、長野県では東日本大震災及び長野県北部地震の被災地の支援と、GWの観光を喚起するために4月末まで実施予定だった「信州を元気に がんばろう日本! 信州に泊まろう! キャンペーン」を急きょ今週末の5月15日(日)まで延長。まだ間に合いますどうぞ長野県へお出かけ下さい。
毎月29日は、語呂合わせで「肉の日」ですが、JA松本ハイランド肉牛部会は、品評会でチャンピオンになった地元で育てられた最高級肉をJA直営の農産物直売所で販売するイベントを行いました。同直売所では毎月第1・3土曜日に肉の販売を行っており、地元生産のSPF豚など地域のみなさんに人気となっています。そんな最中、世間を震撼させる恐ろしいニュースが。焼肉チェーン店で牛肉のユッケを食べた方が亡くなられ、また体調を崩されています。安全・安心な生産をしている畜産農家にとっても、早急な解決を願うところです。
先月後半には大町市でも田んぼに水が入りはじめました。この連休中、県内の多くの水稲農家は田植えに備え、田んぼの代掻きを行っています。田植えの遅い長野市内では苗床づくりが行われていました。そろそろ本格的な田植えシーズンを迎えますが、水田に水が張られた状態は、鏡のように美しいですよ。近くの山々の風景が水田に映るのです。これはきっとこの時期の信州の魅力のひとつといえるでしょう。
県南部の松川町では、和菓子などに使用される桜の花の塩漬けの出荷ピークを迎えています。県北部の中野市では、一足早い初夏の味、ハウスサクランボの出荷が始まりました。今年は東日本大震災の影響により寒い時期の燃料確保に苦労した模様。6月中旬まで出荷は続きます。
新緑がまぶしい季節です。岡谷市では毎年恒例の「信州岡谷塩嶺(シンシュウオカヤエンレイ)小鳥バス」が八ケ岳中信高原国定公園塩嶺御野立公園塩嶺小鳥の森まで走りはじめました。バスで小鳥の森に到着後、園内を周遊し、案内のコーディネーターから自然や小鳥の生態について学べます。6月末までの毎日曜日限定。問い合わせは岡谷市役所商業観光課(電話0266−23−4811)まで。小鳥のさえずりを聴きにきませんか。
農業機械の利用が多くなる時期ですが、農作業の事故にはくれぐれもご注意ください。事故の多くは、機械を扱う際の安全確認の不十分と、操作の誤りが原因です。また子どもたちを安易に農機具に近づけたり、トラクターに乗せたりしないようにしましょう。さらに草刈作業でも石の跳ね返りによるケガがあるため、作業はヘルメットや保護眼鏡の着用を忘れずに。
*巻頭のカバー写真。連休の5月4日に長野市内で撮影したりんごの花です。通常花びらが開くと、濃いピンクから白く変化しますが、たまたま赤い色素が残っていた花を見つけ、思わずシャッターを押しました。昨年よりも遅い開花で平地は満開、標高の高いところでは、これから満開になっていきます。
●だいぶ昼間の時間が長くなりました。現在の長野市の日の出時間は午前4時45分ぐらいです。日没が午後6時43分ですから、だいたいの昼時間は14時間あります。夜時間は10時間です。長い冬が終わったことを実感する日々ですね。
本日11日が上弦の月。古代ポリネシアでは月が角を隠す日とされています。そしてこれからだんだん角が取れて満月に向かっていきます。11日から15日までの5日間が、二十四節気の「立夏」をさらに5日ずつ3つに分けた七十二侯の、立春から数えて20番目となる「みみず出づる」日々。14日の土曜日と15日土曜日と、21番目の季節「竹筍生づ」日々となる16日月曜日には、長野市の北西部にあり、神話時代に手力雄命(たぢからおのみこと)が天照大神の隠れていた天岩戸をこじ開けて投げ飛ばしたものが飛んできて御山になったとされる戸隠山に鎮座する戸隠神社の中社(ちゅうしゃ)と奥社(おくしゃ)と、そして宝光社(ほうこうしゃ)でそれぞれ「お米を始めとする五穀や農産物の豊作をお祈りするお祭り」が行われます。14日は午前10時から中社で、15日は午前11時から奥社で。16日は午後3時から宝光社で。
16日はまた、あの「更級紀行」で信州とも縁の深い松尾芭蕉が、片雲の風に誘われるように、現在の東京である江戸から「奥の細道」に向けて旅立った日です。1689年の旧暦3月27日、太陽暦5月16日。この旅には信濃国下桑原村(現長野県諏訪市)生まれの河合曾良が隨行しました。322年前のことです。旅を人生とした松尾芭蕉と曾良。彼らの見た奥の細道の美しい光景をもう一度見れる日がくることを祈りたい気持ちです。
今年がはじまって137日目となる5月17日(火曜日)は満月。この月の満月は北米大陸の先住民も「花の満月」とみな呼んでいます。地球の北半球ではいずこも花が咲き乱れる季節なのです。この日の満月はまた「トウモロコシを植える月」などとも呼ばれます。左の図版は、トウモロコシを歴史がはじまる前から育ててきたアメリカ先住民の女性を讃えるために作られた金貨です。しかしまだ今年がはじまって137日しか経っていないのに、ここ3カ月はずいぶんと長く感じます。3月11日のまま時間が止まってしまった人がたくさんおられるからかも知れません。こういう日々が続いているときは、夜中にひとり起き出して夜空を心ゆくまで観るのがいいでしょう。心が落ち着くまで好きなだけ星たちと話をしてください。
今の季節、夜になると天頂に北斗七星がよく見えているのにお気づきですか? 信州もこれから夜空を見るのにふさわしい季節になります。ところで北斗七星は星座ではありません。おおぐま座という星座の一部が、北斗七星なのです。北斗七星はひしゃくのような形をしているので「ひしゃく星」とも呼ばれます。今ごろの夕方から夜の9時過ぎまで、北東の空を見上げるとさほど高くない位置に、縦に並んだ北斗七星を見ることができます。明るい星が多いので、まず見逃すことはありませんが、今まで信州で夜空の星を見たことがない星見初心者のために、星の見つけ方を少し。
夜暗くなるのを待って外に出ます。日没後1時間は待ちましょう。さあ外に出ました。あたりは暗いですね。空を見あげると・・なにも・・見えませんか。星はどこ? まずは空が曇っていないか確かめてください。曇っていたら、雲しか見えません。そして自分が枝振りのいい大きな木のそばに立っていないかも確認しましょう。オーケィ、外に出ていて、天気情報によれば雲がなく、自分のそばに枝を伸ばした木もないのに、それでも星が見えないって! そういうときは、しばらく闇に目を馴らすようにしましょう。その間、街灯や車灯などの明かりを見つめないこと。そうして闇を見ているうちにしばらくすると、目がなれてきて、暗闇がほんとうはそんなに暗くないことがわかってきたら、そのとき空を見あげてみてください。そこにはきっと無数の星たちが見れるはずです。太陽が沈んでいった方角が西ですから、だいたいの東西南北がわかります。そして北の方の上空を眺めてみると、ひしゃくのように見える七つの星があるはずです。それが北斗七星です。
これから梅雨に入るまでのしばらくの間は、夕暮れから夜にかけて、そして早朝と鮮やかに色の変化する空を見あげるには絶好のときが訪れます。最近は空を見あげていますか。今週、もし雨が降っていなければ、ぜひ暗いうちに、そうですね、朝の4時半頃に起き出して、東の低い空を見てください。木星、金星、水星と3つの太陽系の惑星が近づきあっています。13日にはそこに火星も加わる天体ショーが行われます。信州は今、空気にいろいろな花の香りが混ざって、じっくりと星を眺めるにもうってつけの季節。天気予報とよく相談してぜひいらしてください。
長野県の春の気象の特徴
長野県の夏の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
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