新信州暦 いちごが甘くなり終わる最後の月

tanbo.jpg先週末、長野県北部・長野市から県南部・飯田市まで高速バスで横断する機会がありました。北の長野市から南の飯田市に降り立ったとたん、飯田の温暖な気候が体感でき、長野県は“南北に長いのだ”ということを改めて感じました。高速バスで移動の三時間弱、窓からは各地の美しい田園風景が見えました。どこもほとんど田植えは終っていて、稲が5月の風に揺れています。そうやって眺める限り、南北で稲の成長にさほど大きな差があるようには見えませんでしたが、きっとこの時期から各地で稲たちは、じょじょにその土地独自の気候をその“身”に取り込んで、それぞれにおいしい“実”をふくらませるのでしょう。

rose.jpg前回の新信州暦でもご案内したとおり、北信州の中野市の一本木公園では「なかのバラまつり」が21日まで開かれています。6日には650種1900株が見頃を迎え、約9000人でにぎわった同園では満開に咲いたバラの甘い香りが楽しめました。「花言葉辞典」によればバラの花言葉は「愛情」「情熱」という意味があります。

20090606_2.jpg先週末は各地で「情熱」的な部活動の熱戦が、各地で繰り広げられました。6日にはサッカー日本代表が2010年ワールドカップへの切符を手にしました! 県内では7日に長野県高等学校総合体育大会(インターハイ)でテニス、ホッケー、ボートなど13競技の大会が行われ、熱戦が繰り広げられました。

wellness.jpg今月は、夏休みを前にして部活動の県大会が盛んに行われる時期でもあります。気温も湿度もグンッと高くなるこの時期は、スポーツでも日常生活でもより一層の体力が必要になります。ですからこの時期を乗り切るためには、なんといっても体づくりが第一です。旬の食材を中心に力の出る食事をしっかりして、ぜひご活躍ください!

asparagus_jr.jpgJAみなみ信州からは「アスパラマンJr.」と命名された、Sサイズのアスパラが登場しています! 名前からして元気にしてくれそうですが、実際にアスパラには疲労回復、スタミナ増強という効果があります。7月から9月にかけてのアスパラは、根元が硬く、スジっぽくなりがちですが、この「アスパラマンJr.」は早期に収穫することで、小さいサイズながら軟らかく食べることができますよ。JA塩尻市管内の直売所にはレタス、グリーンボール、アスパラなど新鮮地物野菜や漬け物シーズンに合わせた商品がそろいはじめています。greenball.jpgキャベツの仲間のグリーンボールは今ごろが旬です。柔らかいのでそのまま食べるのが好きという人も多いですが、葉が肉厚のわりに柔らかいのでスープにもなんにでもつかえます。カロチンはキャベツの2倍程度含み、ビタミンCやカルシウム、カリウムの含有量もキャベツを上回ります。

strawberry.jpgいちごのシーズンはとっくに終わったと思ってやいませんか? いちごは本来、自然のサイクルにおいては5月から6月にかけて、あたりはずれがなくなり、最高に甘くておいしくなるのです。そしていちごがたまらなくおいしくなると、いちごのシーズンももうまもなく終わってしまいます。信州には冷涼な気候のおかげで、いちご狩りも今月まで営業している施設がかなりあります。おいしくなっているいちごを食べに来てみてください。カナダの南に生活する先住民のアルゴンキンの人たちは、6月をいちごの収穫月としていて、そのために6月の満月は「いちごの月」と呼ばれています。一昨日の夜はそのいちごの満月でした。

top_09204_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。泥だらけになっているのは、長野市浅川坂中地区で荒廃農地を復活させるために活躍している豚さんたちです。本地区の中山間地区直接支払グループは、「豚で荒廃農地を復活させよう!」と、かつては棚田だった荒廃農地を電気柵で囲み、豚6頭の飼育をしています。みんな幸せそうではありませんか。この豚さんたちが土地の雑草を食べて土を掘り起こしてくれるおかげで、順調に荒廃地が農地に戻ってきています。


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tagotonotsuki.jpg棚田の無数の田んぼに、水が張られて、その水面のひとつひとつに、夜空で輝く満月が写る様子をしばしば「田毎の月」と表現されます。左の浮世絵はそのありさまを描いています。よく話を聞かされるように、段々畑のような水田群の一枚一枚に名月が映る田毎の月が見れるとしたら、5月か6月ということになります。しかしある人に言わせればそれは「そもそも無理な話だ」と言います。考えてみてください。たとえば広い田んぼには満月はひとつしか写りません。その田んぼを人工的にいくつかに区切っても、月がそれぞれに映るなんてことはありえないと、いうのです。moon_ta1.jpgもし田毎の月で天下に名を轟かせる更級の里の地形がきわめて特殊で、棚田の1枚1枚に満月が写しだされているとしたら、地元のテレビ局がこれをほおって置くわけがない。NHKが「田毎の月」をニュースで流したことがあるのでしょうか? 当編集部は、田毎の月という言葉に心惹かれるものを感じて、先日も棚田に写真撮影を敢行したのですが、先日は寒くて曇りで月は出ず、先月は旧豊田村で試しに撮影したら「こんな感じ(写真クリックで拡大)」で、月の映り方は田毎の月などと呼べるものではないようでした。もしどなたかでどこの棚田でもかまいませんが「田毎の月」を証明できる写真か映像をお持ちの方は、ぜひお見せください。

timemachine.gif今日10日は時の記念日。なんでも『日本書紀』という古い書物に、「漏刻と呼ばれる水時計を新しい台に置き、鐘や鼓で人々に時刻を知らせた」と記述されていて、その日は671年の4月25日で、その日を今の暦にあわせて計算すると6月10日にあたるからという理由だそうです。

the-rainy-season.jpg明日11日は暦の雑節で「入梅」、西の方ではすでに梅雨入りが宣言され、関東甲信も暦よりも1日早く、本日梅雨入り宣言がされましたね。梅の実の収穫は進んだでしょうか? 梅雨入りとなれば当然雨、11日は傘の日でもあります。13日は小海町で八ケ岳開山祭。アルプスホルンの演奏もあります。同じ日の信濃町の黒姫山開山祭記念春山登山は定員40名がすでにきまって受け付けが終了しています。16日は下弦の月。

hotaru.jpg6月20日土曜日、21日日曜日、27日土曜日、28日日曜日に、東日本で最もたくさんのゲンジボタルの群舞が見れる辰野町で61回目になるホタル祭りが開催されさまざまなイベントが予定されています。今月中ごろを過ぎると信州各地でもホタルの空を舞うのが見れるようになります。ホタルも南から北へとシーズンがあがっていきますが、志賀高原山ノ内町は日本一長い間ホタルが見られるとして有名で、9月頃まで見れるそうです。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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