「食」を起点に地域経済の再生を

つぶやき

スティーブン・マックグリービー総合地球環境学研究所准教授(左端)

地域で持続可能な食と農の生産、供給、消費のシステムをどう作り上げるか――。京都市の総合地球環境学研究所の准教授で「持続可能な食の消費と生産を実現するライフワールドの構築:食農体系の転換に向けて」プロジェクト(FEASTプロジェクト)のリーダーを務めるスティーブン・マックグリービーさんが、長野市とその周辺の有機栽培農家らでつくる「NAGANO食と農の会」の招きで先月末、同市松代町で講演しました。

持続可能――。国連が2030年までに達成する目標「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中心概念として「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」など17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げ、最近よく聞くようになりました。そこまで大上段に構えなくとも、輸入食品に大幅に頼る私たちの食卓の未来に不安を持つ方は多いと思います。 「長野市の食と農の未来 市民の力でトランジション(転換)を起こすには」――。タイトルにつられて講演会をのぞいてきました。

スティーブンさん(マックグリービーでは言いづらいので「スティーブン」と呼んでくれ、と本人が言っていました)は、アメリカ中西部、ミシシッピー川の源流にあたるミネソタ州出身。鬼無里村(現長野市)に英語指導助手(AET)として来日したのが縁で、奥様とも長野市で出会いました。現在、家族を長野市に残し、京都に単身赴任して研究を続けているそうです。滞日歴16年。日本語で講演されました(当日の模様は「NAGANO食と農の会」のメンバーが簡潔にブログにまとめています)。

シャッター街の拡大、買い物難民の存在など、広がる地方経済の疲弊。「食」を起点に地域経済を再生しようとする考えに共鳴しました。FEASTプロジェクトは5年計画で今年が3年目。プロジェクトの詳細はWebサイトに公開されており、長野市もフィールドワークの対象になっています。昨年、セミナーも開かれていたようですが、不勉強で知りませんでした。成果が楽しみです。(昭和人Ⅱ)

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昭和人Ⅱ

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